アールグレイの誘惑

スポンサーサイト

つたない コイ のウタ

　好きな人がいます。見た目はそんなにかっこよくなくて、運動はそこそこに出来て、頭も進級が危うくない程度に良くて、明るく元気なクラスの人気者！って感じでもないけど、優しくて、一緒にいると心が安らぐんです。それに、彼が他の女の子と楽しげに話しているところを見ると、いっちょまえに嫉妬なんかしたりします。彼は私のものなんかではないから、嫉妬なんてする権利無いことは分かっていますし、たとえそれが友人であっても嫌だなあって思っちゃって、ひどい時は死んじゃえばいいとかさえ思っちゃって。そんな風に理不尽なことばっかり考える自分が嫌になるけど、でもそれだけ好きらしくて、そんな理不尽なこと考えちゃうくらい、どうしようもないくらいに大好きで、とても苦しくなります。

　私は、彼を好きになった自分、彼を好きになったことを誇れるような恋をしたいです。それは、いわゆる綺麗事というものなのでしょうか。現実はそう上手くいってはいかないのでしょうか。恋とはすべからく素敵できらきらしていて、だけどとても苦しくて、自分すら嫌ってしまいそうになるものなのでしょうか。

　好きな人がいます。好きになりたい人がいます。それは、彼を好きである自分です。けど私は、彼を好きである自分が、嫌いです。


拙い恋の唄