ただでプルフをもらった。二つあるうちの一つ。使ったのは

「シノノメお兄ちゃんどうっ?似合う。」

魔女になったカナがシノノメに見せた。生足を出したスリットのローブ。頭の上に大きな三角帽子。

「可愛いぞカナ。魔女になっている間竜石が使えなくなるけどいいのか?」

「しばらく竜石はお休みする。」

「よく似合っているわカナ。どうして魔女になったの?」

「ワープが出来ればドラゴンキラーの相手から逃げられるし。それにお薬も作れて魅力的だもん。」

「あの事をむしり反すなよカナ。もうドラゴンキラーに近よらねぇ」

「でもシノノメお兄ちゃんだからまた突っ込むでしょ。カナが隣にいればお兄ちゃん安全な所へ連れて行ける。守ることができるから一石二鳥だよ。」

「お兄ちゃん思いのいい子ね。」

「茶化すなよ。」

シノノメは頭をぼりぼり掻いた。妹に守られると兄って威厳がない。

「なぁ槍を持ってる強いクラスチェンジがあるか?」

「女性専用で「ロード」しかないわね。「ロード」っていうのは貴方達からすれば「白の血族」と同じクラスね。」

「男性用ないのか?」

「男性の「ロード」は異界にあるわ。でも残念槍を持ってる「ロード」のプルフは女性用のしかないのよ。」


「そうか。」

「シノノメ」

「おぅカンナどうした?」

「そろそろ帰ろ。もう眠くなってきっちゃった」

シノノメの裾をくいくいと引っ張る涙目の弟に苦笑した。ずいぶん時間が経っている。竜の門は明るい。

「やべ!今何時だ?!」

「朝ね。」

「シノノメおんぶしてー。」

「わかった。わかった。カンナ乗れ。」

「うん。」

寝ぼけながらカンナはシノノメの背中に乗る。

「じゃあな。アンナ。」

「またのお越しをお待ちしておりますー。あっそうだ。カナ」

「なぁに?」

「はいこれ。「ワープの書」これを読めば即座にワープが使えるわ。それと宣伝のビラ。興味を持ったら竜の門に来てね。私が異界の門を開いてあげる。」

「うん。また来るね。」

「おーぃカナ行くぞ。」

「今行くー。」

続く。