「さらなる強さを求めて恐怖の霊山。一体の魔物を倒せば強くなれる!」

「古代の財産が眠る神殿で億万長者も夢じゃない」

「強い武器を求めて争奪戦!頭脳戦で取るのもよし。腕に自信のある強い者は奪ってもよし。」

宣伝のビラを読みながらシノノメは胸を踊らせた。武器争奪戦。強い魔物が住む霊山。なんて素敵な響きだろ。軍の訓練に物足りなさを感じていたシノノメにとって行ってみたい異界の名前。行きたい。


バタンッ!

「シノノメお兄ちゃーん。」

ハッ!空想から引き戻された。

「カナ。魔女の姿はどうしたんだ?」

妹は聖天馬武者にクラスチェンジされていた。

「うわーん!」

「うぉ?!」

「うわーん!」

そのまま妹が落ち着くまで兄シノノメの胸で泣いた。