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俺とフレン







俺とフレン
〜俺とお前の保健授業〜





いきなりだけど、フレンは頭が良い。勉強がもの凄く出来るとかではなく(まぁ下町ではトップクラスではあるが)、物覚えもいいし、頭の回転も早いし、俺程ではないが要領も良い。
それなのに、何故なんだろう。神はフレンに二物を与えなかったのだろうか。


「ねぇ、ユーリ!さっきケイト達に聞いたんだけどさ…夜、ティッシュを片手に好きな人を想いながらする行為ってなに?」

「ばっ、な、な…!」

「…バナナ?」

「馬鹿か、お前はっ!何を急に変なこと聞いてくんだよ!?」

「え?ユーリなら知ってるって言ってたから、聞いてみたんだけど…」


いやいや、あいつらも普通に知ってますから。むしろお前も知ってなきゃおかしいだろ。大抵はいい年齢になれば自然とその手の知識は入ってくるものだが、フレンの場合はやたらと皆して遠ざけていたから、当たり前っちゃあ当たり前なんだけど。とりあえず事情は飲み込めたから、んなキラキラした目で見てくんじゃねぇ。
てか、あれか。これはもしや、俺がフレンに教えなきゃならないとかいう落ちか!フレンを見やれば、奴は期待の眼差しで俺を見つめている。
……ほんと勘弁してくれ。

しかし、いつまでも無知なままではいかない。いや、別にそれはそれで良いかもしれないけど、人として…とゆうか男として知らなきゃならない。何よりこんなことを聞いて周れば色んな意味で危ない。ああ、本当に危険だ。ならば、俺が全身全霊を持って教育してやろうじゃないか!
そんなわけで、俺(先生)とフレン(生徒)の保健授業は始まったのだった。














「…ということだ。分かったか?」

「……っ、…ん…な」

「なんだ?」

「…そん、な恥ずかしいこと、その…ユーリもしてる、のか…?」

「……まぁ、な」

「…誰のこと、考えてしてるんだ……?」

「………………」


言える訳がない。お前をオカズにしてやってます、なんて。むしろ、俺の妄想の中じゃフレンは霰もない姿をしながら可愛い声で喘いで、腰振って俺を求めてます、だなんて……口が裂けても言えない、言える訳がない。


「…ユーリ?」

「いずれお前にも分かるさ」


俺があと一歩踏み込めるまで、腹括れるようになるその時までは、絶対に話さねえから。
だから、もう暫くは想像でのお前を俺にください。何だか悪くて、ごめんなさい。





(…むしろ実践で教えてやろうかな)
(何をだい?)
(なんでもねぇ)
(…?変なユーリ)






 
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