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テイルズ風戦闘ボイスバトン




初のバトンをやってみます!『これフレンでやると面白そうじゃね!?』という思い付きと、戦闘参加が一度しかない為に戦闘時のボイスが少ないので、妄想で補おうという野望から生まれました(笑)
もし宜しければお付き合いください(^^)


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《テイルズ風戦闘ボイスバトン》

このバトンはテイルズキャラになったつもりで戦闘ボイスをあててみようというバトンです。
あてるのはご自分でもオリキャラでもご自由に。もちろん一つのシチュに複数あてるのもアリです。もしあればシチュの削除・追加もどうぞ。



<戦闘開始・通常>
→『気を引き締めていこう!』

<戦闘開始・弱敵>
→『これなら楽勝かな』

<戦闘開始・強敵>
→『負ける訳にはいかない!』

<オーバーリミッツ>
→『これが僕の力だ!』

<瀕死>
→『ちょっときつい…かな』

<戦闘不能>
→『みんな…、ごめん…』

<味方が戦闘不能>
→『絶対に許さない!』

<復活>
→『まだまだいけるっ!』

<アイテム使用>
→『これを!』

<アイテム使用される>
→『助かったよ』

<ガードブレイクされる>
→『くっ…小賢しい』

<敵が詠唱>
→『少し黙っててくれないか』

<ショートカット了承>
→『任せてくれ』

<作戦変更>
→『これでいこう!』

<挑発>
→『君の実力はそんなものか?』

<逃走>
→『戦略的撤退だ』

<弱点属性で攻撃>
→『これが弱点みたいだね』

<耐性属性で攻撃>
→『これは効かないのか』

<新術技発動>
→『新技いくよ!』

<術技>
→『これでどうだ!』

<秘奥義>
→『終わりにしてやる!』

<敵撃破>
→『次いくぞ!』

<戦闘終了・通常>
→『うん、いい感じだったね』

<戦闘終了・余裕>
→『なかなか楽しかったよ』

<戦闘終了・瀕死>
→『もっと腕を磨かないと…』



お疲れ様でした。回す方をどうぞ。


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偽者くさいフレンになった…!


ifの話2



※TOVのフレンとGGのカイの共演です!






ifの話2
〜フレンとカイの探し人〜





カ「ソルは何処に行ったんだろう…。勝負の途中だったというのに…まったく」

フ「この前の試合の決着をつけたかったのに…ユーリはいなくなるしなぁ…」

カ「あ、」

フ「?」

カ「急にすみません、お尋ねしたいのですが…茶色の長髪で、赤いジャケットを着た目付きの悪い粗暴な男を見ませんでした?」

フ「ごめんなさい、見てないですね」

カ「そうですか…。ありがとうございます」

フ「いえ、見掛けたら探していたとお伝えしときます」

カ「助かります」

フ「僕も聞きたいのですが…、長い黒髪で、これまた黒系の服の少し意地悪い顔つきをした男の人を知りませんか?」

カ「見覚えはないですね…。申し訳ありません」

フ「いや、こちらこそ…ありがとうございました」

カ「………」

フ「………」




カ・フ「「あれ?」」












なんとなく似てるよあの主人公組み、性格的にさ(笑)




 

ifの話



※GGのソルとTOVのユーリの共演です!





ifの話
〜ユーリとソルの探し人〜




ユ「……」

ソ「……」

ユ「…………」

ソ「…………」

ユ「……………なぁ、」

ソ「……………あん?」

ユ「ちょっと聞きたいんだが…金髪碧眼で俺と同じくらいの身長の、小言の多いのほほんとした天然騎士様を見なかったか?」

ソ「…知らねぇな」

ユ「そっか…。サンキュ」

ソ「…おい、」

ユ「なんだ?」

ソ「俺も聞くが…、ヒヨコ頭で瞳は緑がかった青、背は俺よかちょい低め。んでもって、正義だの何だの口うるさい生真面目の坊や見なかったかか?」

ユ「悪い、見てねぇわ」

ソ「…そうか。ならいいんだ」

ユ「………」

ソ「………」

ユ「……………」

ソ「……………」





ユ・ソ「「…ん?」」










あれ?なんか探してるやつ似てねぇ?みたいな感じ(笑)




続・君と永遠のワルツを



──────────

ヨーデル殿下へ


帝国とギルドのダンスパーティーの件についてはフレンから聞いた。
ギルドの事となるなら、これからの為に俺も参加するよ。正直、貴族様達との社交会はあまりノる気になれないがな。
仲間の方には俺から話しておくから、手回さなくてもいいぜ。

あと、条件…というか頼みがある。
俺のファーストダンスの相手には、フレンを希望する。頼んだぜ。

それじゃあ、また当日にな。


  ユーリ・ローウェル




──────────














長い廊下を小走りに駆けて行く少年の姿があった。いつもと違い、緑のジャケットではなく、紺の上質な布に金の糸で細かな刺繍の施されたケープを羽織ったその人は、とある部屋の前まで来て一息吐くと、軽やかな音を立てて扉をノックした。


「……どちら様でしょうか…?」


数秒待って中から聞こえてきた声音は何やら沈んでいる。その理由を重々知っている少年は苦笑を零しつつも、涼やかな声を廊下に響かせた。


「ヨーデルです。入ってもよろしいですか?」

「よ、ヨーデル殿下!?えと大丈夫で……いや、やっぱり無理…じゃなくて、……ええと…」


いつもの物腰柔らかい彼からは想像できない程の慌てっぷりに、今度こそヨーデルは笑いを堪えることができなかった。このまま入室してもいいだろうと勝手に判断させてもらうことにして、静かな動作でドアノブを回す。
中から制止を呼び掛けるフレンの言葉を振り切って、ヨーデルは足を一歩中へと踏み入れた。


「待って下さい!殿下にこんなみっともないお姿見せられません…!!」

「大丈夫ですよ、フレン。事情は知って…………」


中へと入り、後ろ手にドアを締めて前を見据えた途端、ヨーデルは言葉を無くした。目前にはよく見知っている青年の姿がある筈だったのに、そこにいたのは薄い青のドレスを身に纏った美しい女性だったからだ。否、姿形こそ美女そのものだが、彼の特長である少し癖のある金髪や海を思わせる碧眼、何より耳に心地良い声色がその人物こそフレンであることを証明している。

瞬きすら忘れて見入っていると、居心地悪そうにフレンは視線を逸らし、ヨーデルの名を呼び、控え目に咎めた。ハッと我に返るなり、目を細めヨーデルは微笑む。


「不躾を失礼しました。あまりにも美麗だったもので…」

「そんな恐れ多い…。しかもそれは女性に使うお言葉です」

「いいえ。今の貴方の姿はとても美しいですよ、フレン」

「……なんだか複雑です…」


男性特有の骨張った肩を隠すためにかけられた絹のベールが上品さをより増している。少し長めの襟足は器用に結い上げられ、見事な装飾をもった髪飾りでとめてある為、白いうなじを惜しげもなく晒していた。明るめの色彩を取り入れているにも関わらず、漂う清楚な雰囲気が好感を持てる。
フレンの姿に非常に感嘆してしまったヨーデルは何かを思案する素振りを見せた後、悪戯っ子のような笑みを作りフレンを見上げる。その笑顔が漆黒の彼に似ていて、フレンは一瞬ドキリと心臓を弾ませた。


「あと少しでパーティーが開催されます。もし宜しかったら会場までエスコートさせて下さいませんか?」

「えっ…!?」

「麗しき姫君を一人で歩かせるのは紳士の行いに反しますから」


フレンは眉尻を下げ困ったように笑った。ヨーデルの申し出は嬉しいのだが、皇帝でもある彼に連れられて隣りでも歩いた日にはあらぬ誤解を招かねない上に、周囲から注目されまくるだろう。
しかも心優しいヨーデルのことだ、御所丁寧に導いてくれることが分かりきっている。己の仕える主君であり、守るべき存在にそんなことさせられる訳がない。


「………折角ですが、お気持ちだけいただきます。私は落ち着いた頃に伺いますので…」


端から見てもはっきり分かるぐらい申し訳なさそうに謝罪するフレンを見て、ヨーデルは柔らかく笑むと肩を竦めた。


「…そう仰ると思いました。それでは私は先に向かいますが、警備があるといえど、くれぐれも一人歩きにはお気をつけて」


律義にも軽く一礼すると、ヨーデルは踵を返し扉の向こうへと消えていった。
それを見送ってしまえば、フレンは再び部屋に一人残されることになる。ちらりと時計を見やれば長針は調度、6時を指していて、時間的に考えればもう会場に向かはなくてはならない頃だ。しかし、どうしてもこの姿を公の場に晒す気になれず、ただ部屋の中をうろうろと回って何か打開策はないものかと考えてみたが、妙案など思い付きもしなかった。
迷ってても仕方がないと理解はしている。ただ、羞恥心が捨て切れないだけだ。

ふと、パーティーの始まりの鐘の音が響き渡り、フレンは顔を上げ苦い表情を作り逡巡した。もう、ああだこうだと言っている時間はなさそうだ。こうなったら腹を決めてしまおう。不本意ではあるが、ユーリの謀略に従うしかないようだ。

(大丈夫、殿下はお褒めくださったし……たぶん…)

フレンは長いスカートの裾に躓いてしまわぬよう注意を払いながら、ドアノブを回し部屋の外へと足を運ぶ。
会場の警備を中心にしているせいか、辺りを見回せば騎士団員の姿はなく、それだけが救いだった。この上、部下にまで赤恥をお披露目することなどしたくない。


「ユーリの馬鹿…、笑ったりしたら絶対殴ってやる…!」


悪態をつき半分泣きそうになりながらも、フレンは足早に皆のいる舞踏会場へと向かうのだった。

















「おっせぇな…フレンのやつ」


社交界の代表なる人物の挨拶を耳に入れながらユーリは壁に背をつき、今だ姿を見せない親友への不満をぼやいた。大きなシャンデリアからくる照明の明るさに目を細め、辺りを伺うが、それらしき人物は見当たらない。


「お友達を探しているのかしら?」


突然、かけられた声にユーリは驚きに音がしそうな勢いで振り返るが、視界に入った人を見るなり肩を落とす。


「ジュディ…、頼むから気配消して近付くのはやめてくれ」

「あら、ごめんなさい。貴方がいつも以上に素敵だから見惚れちゃってたみたいね」

「そりゃどーも。…で?向こうでエステル達と一緒にいたんじゃなかったのか?」

「ええ、そうよ。ただ、少し席を外した時に面白いものを見たから知らせに来たの」

「面白いもの…?」


言われた事を鸚鵡返しに尋ねれば、ジュディスは優雅な動作で腕を組み微笑んだ。
そして、ユーリに背を向け歩き出す際に含みのある言葉を口にする。


「お姫様はそのうち来ると思うから、王子様はしっかり、ね」

「おい、どういうこと………って、行っちまったし」


溜息を零し再び壁に寄り掛かる。先程、顔を合わせたヨーデルにも似たような事を言われたことを思い出す。「見れば分かりますよ」とだけ残して去って行った為に詳しいことは聞けなかったが。
どうやら挨拶も終わったらしく、館内のざわつきがより一層大きくなる。そろそろダンスも始まるというのに一向に姿を見せないフレンに焦りと諦めが押し寄せる。
そもそも男相手に一夜限りといえど、パートナーを組んでくれと言われても困るだろうことは承知していた。だが、ユーリは初めてのパートナーにする相手はフレンが良かったのだ。それ以外など考えてもいない。

(…お前じゃなきゃ意味ねぇんだよ、馬鹿野郎)

ユーリが苛立たしげに眉を寄せ辺りを見回した時、遠くで出口の扉が開くのが見えた。それと同時にさっきまで騒がしかった館内が嘘のように静かになる。そして、今度は感嘆する者の声や値踏みするような囁きが辺りに響き渡る。
何かあったのかと思い、そちらに視線を向けた途端ユーリは驚愕した。

そこには清潔感ある水色のドレスに身を包んだ秀麗な女性が、戸惑いがちに辺りを見回し歩いている。
男性どころか女性までもを魅了してやまないその人物が誰かなんて、ユーリには考えなくても分かる事だった。例え、見た目をどんなに変えたどころで見違える訳がない。

その女性が誰かを探しているのであろうことは一目瞭然だったが、纏う高貴さや美しさに早くも目をつけたらしい男達が、是非ダンスのパートナーにと周りに群がり始める。


「貴方のような麗しい女性に会えるなんて感激です。宜しければご一緒に…」

「お一人なら、僣越ながら私めが連れ添いますよ。さぁ、お手をどうぞ」

「あの僕…いえ、私は…」


すっかり相手のペースに乗せられ困り切っているその女性は、どうしたものかと思考するが、こんなに多くの男性に囲まれた経験などない為、良い考えなど思い付く訳もなかった。既に6、7人の男が周囲にいるので強行突破も難しい。
現状に途方に暮れていると、漆黒の髪を揺らしながら自分に近付いてくる男の姿が目に入った。


「…ユーリ……」


今まで胸中を離さずにいた彼を見つけるなり、憤怒の気持ちも忘れて顔を綻ばせる。ユーリは颯爽と目の前まで来ると周りにいた男達を退け、床に膝をつき、白の手袋をはめた華奢な手をとった。
その一連の動作がいつもと違い、あまりに紳士的で目を丸くする。だが、見上げてきた双眸は、少し意地悪な色を拵える見慣れたものだった。


「麗しい姫君様、私と踊っていただけませんか?」


確信にも似た問いに、断る術などない。それを分かった上での行動に、不満を覚えなくもないが、今更詰問するのも野暮な話というもの。
せめてもの仕返しにと、こちらも悪戯ににっこりと微笑んだ。


「ええ、喜んで」


予想通りの返答に満足気に笑うと、ユーリは掴んでいた手の甲に唇を落とし、勢いよく立ち上がった。


「そうこなくっちゃな!」


呆気にとられる男達を押しやり、会場の真ん中へと手を引いていく。
やっとフレンに会えた事で、さっきまでのもやもやとした気持ちはどこかへ飛んでしまった。いつのまに自分の思考回路はこんな単純になったのだろうか。


「全く…。いつまでたっても来ねぇから待ちくたびれたぜ」

「それは…すまない。でも、こんな格好で行くなんて恥ずかしかったんだ!」

「そうかぁ?すっげぇ似合ってんのに」

「………そう言われても…微妙だ」


フレンは唇を尖らせぷいっと外方を向いてしまったが、耳まで赤くなっているところをユーリはしっかりと見てしまい、微笑ましさに頬を緩める。
普段の彼でもどんなに着飾った女性より可愛らしいと思うが、たまには服装を変えるのもいいかもしれない。新鮮だったし、何より色々な表情を見れるのは近くにいる自分だけの特権だ。
繋いだ手を強く握れば握り返してくれる温かさを感じながら、ユーリはフレンの腰に腕を回し、距離を詰め、耳元で囁いた。


「フレン、綺麗だ」

「………っ!、ユーリこそ…似合ってる…えと……、かっこいい、よ…?」

「何で疑問系なんだよ……まぁ、いいや。おら、踊んぞ。ステップ踏めんだろうな?」

「…男性側の立ち回りしか知らない」

「見た目は女なのに…しゃあねぇな。俺がリードしてやるから、お前は俺に任せてろ」


言った途端、フレンは元から大きな瞳をより見開かせ、心底驚いた表情を作った。


「ユーリ、君、踊れるのか!?」

「一応、な」

「信じられない……まさかユーリが…」

「……失礼な奴だな…。そーゆうことは見てから言えっ…と!」

「うわっ!」


ゆったりとした曲が流れ出した時を見計らい、ユーリはフレンの手を引き音楽に合わせてステップを踏む。宣言通り、女性側のステップを知らないフレンをしっかりリードしつつも、華麗に踊ってみせるユーリはいつもの粗暴な態度と違い、見るものの目を奪った。
下町でダンスを習う風習などない。だとしたらユーリは独学で覚えたのだろう。しかしその仮定にフレンは首を傾げる。ユーリには舞踊の道を進もうなどという夢もなければ、趣味もなかった筈。ならば何故?


「………約束、してたからな」


照れ臭いのか、拗ねたように投げ掛けられた言葉にフレンは瞠目する。


「覚えていたのか…?」

「ったり前だっての。」


昔、まだ小さかった時に交わした約束。幼いながらも本気だった。ユーリが応えてくれて叶えてくれるのをずっと信じて、また夢のように思っていた。
つぎはぎだらけの服だったとしても、いつもよりおしゃれをしたお姉さん達。あの頃みたいに、憧れたあの人達のように…二人で踊ろう。
大人になってからも思い出すことがあったけど、こんな昔の話を想っているなんて、きっと自分だけだと考えていたのに、まさかユーリも覚えてくれてたなんて想定もしなかったフレンは、夢心地な気分でユーリを見つめた。
鋭く輝く漆黒の瞳はあの頃とはちっとも変わらず、今でも自分を魅せてやまない。


「約束…守ってくれて、ありがとう…ユーリ」


頬を染め、嬉しそうに笑いながら礼を言うフレンに対し、ユーリは照れ隠しで聞こえないフリをした。
そんなことはお見通しのフレンは込み上げる喜びを隠すことなく表しつつ、ユーリに手を引かれるままに曲が鳴り終わり、拍手と歓声が沸き起こるまで踊り続けた。





(ファーストダンスは一番大切な人と一緒に、)(想い合う二人のダンスは永遠に!)














○おまけ○

「そういえばユーリ!君は殿下に何を頼んでるんだ!」

「は?なんのことだよ?」

「君のおかげで僕は女装する羽目になったんだ!」

「………オレ、ダンスのパートナーをフレンにしろとは言ったけど、女装させろなんて言ってねぇぜ」

「…………………え?」

「まさかお前がそんな格好してくるとは思いもしなかったし」

「じゃあ…なんで……」

「…ハメられたな、お前。まぁ、可愛いからいいんじゃねぇの?」

「よくないっ!!」












○後書き○

やたら長いくせに内容は薄くなってしまい、反省(´・_・`)
精進していかねば…!





 

君と永遠のワルツを




まだ僕らが小さかった頃、下町の会館を使ってパーティーが開かれたことがあった。
今思えばそれほど大きいとは言えない場所に、大勢の人が集まってたのだから、とても窮屈だったと思う。見繕った料理も皆で持ち寄ったりしたお手軽のもの。だけど、そこには確かに笑顔が満ち溢れていて、皆が楽しそうに騒いでいた。貴族達の物静かなパーティーとは違って、賑やかなものだったけど、僕はそっちの方が何倍も好きだ。明るさが売りの下町らしいしね。
男性は大して普段と変わらない服装だったが、女の子達はいつもよりオシャレをしていて、綺麗に着飾っていた。ドレスに見立てた長いスカートの裾をはためかせ、くるくる踊るのを僕とユーリは黙って眺めていた。
そんな僕らに近くにいたおばさんは優しく「さぁ、アンタたちも踊っておいで」と言うのに頷き、僕とユーリは手を繋いでその輪の中に入っていく。社交ダンスなんか知らなかったけど、変なステップを踏みながらも僕達は笑いながら踊っていた。そこで、僕は思い付いたことをユーリに投げ掛ける。
『ねぇ、ユーリ!』
ユーリが僕の声に反応するのを確認して、僕は話を続ける。
『また一緒に踊ろう!今度はもっと上手になって、あのお姉さん達みたいに二人で踊ろうよ!』
また一段と賑やかさの増した皆の笑い声は、下町中を響かせていた。そして、ユーリは『いいぜ、約束な!』って、笑いながら大きく頷いてくれたんだ。














******




「ギルドと帝国のダンスパーティー?」

「ああ。互いの親交を深める場を作ろうという殿下のお考えだ。城で開かれるから、ギルドの方々には御足労いただくことになってしまうが…」


もうすぐ日没を迎えるであろう頃、訪ねてきた親友から聞かされたのは皇帝からの便りだった。手紙を渡され開いてみれば、シンプルな便箋には皇帝直筆の繊細な文字で、舞踏会を開く事やそれに是非参加してほしいとの旨が書かれていた。
ユーリはあらかた目を通し終えると、再び封筒の中に便箋を折り畳んで入れてしまい、棚の上に置く。フレンの方を見やれば、彼の瞳は少しだけ不安そうに揺れながら見つめていた。それもその筈。ユーリ自身、貴族達との馴れ合いを酷く嫌っているのを誰より知っているのはフレンだ。そうなると、自分は行かないとユーリが言うことは予想ができる。普段ならフレンもしょうがないと思い、無理に引き止めるようなことはしない。
だが、今回は今までとは訳が違う。友好関係を深める為にと配慮された催しに参加しないとなれば、当然角がたつ。しかもこれからの世界を担う基盤となる者の殆どが、出席するというのだから尚更だ。

懇願するように自分を見つめてくる様があまりにも必死で、また可愛らしく、ユーリは内心抱き締めたい衝動に駆られるが、なんとか押さえる。流石にここで襲ったりでもすれば、フレンは怒るどころか泣くだろう。そして暫くは機嫌を損ねて触れるどころか、口すら聞いてくれなくなるのだ。それは非常に困る。


「ユーリ…君がこうゆう事があまり好きではないのは承知の上だけど、……来てくれないか?」


上目遣いにおずおずと頼んでくる様子は、叱られている子犬のようだ。こんな風にされては無理な望みでも叶えてあげたくなるではないか。全く無意識というのは質が悪い、とユーリは一人心の中で愚痴った。
特に返答もしないまま、ユーリは棚から引っ張り出した木箱の中から紙と封筒を取り出す。机上にあったペンを握り、真っ白な紙におもむろに文字を書き込んでいく。滑るようにペンを走らせて、短くも長くもない文章を書き上げるなり、それを先程だした封筒にしまい込んだ。
一連の作業をただ眺めていたフレンにそれを差し出すと、蒼の双眸が瞳をこらしてそれを見つめた。


「これ、ヨーデルに渡してくれ」

「殿下に手紙を…?」

「ああ。それと、パーティーには行ってやる。帝国だけじゃなく、ギルドも主催となりゃあ仕方ねぇしな」


ユーリの返事が意外なもので、フレンは驚きに目を見開いて固まっていたが、直ぐに顔を綻ばせると嬉しそうに頷いた。


「ユーリ…!書状は責任をもって預かるよ。本当にありがとう!」


いそいそと鞄の中にユーリから授かった手紙をしまい、大切な物を扱うように抱え込む。本当に馬鹿正直で素直なものだ、とユーリは苦笑を零した。フレンのこうゆう所は気色の良いものだが、未来の騎士団を引いてく者がこれでいいのかと些か心配になる。まぁ、彼に何かしようとする不逞の族がいたとしても、自分が守ればいいだけの話だが。
そういえば手紙の内容のことについて何も話してないな、とユーリは口を開きかけたが、途中でやめといた。後から知ったフレンがどんな反応をするのか見てみたかったし、何より今だニコニコとしながら、帰り支度をするフレンに水を差すのも野暮なものだ。わざわざ怒らすこともあるまい。
ユーリはあまり人の良くない笑みを浮かべながら、フレンを見つめていたが、機嫌のいいフレンに気付かれなかったのは幸いだった。


「じゃあユーリ、僕は城に戻るよ。また会場で会おう」


玄関で振り向き様にされた別れの挨拶をユーリは片手を上げることで応えた。素っ気無いその態度に文句を言うこともなく、フレンは最後にユーリに笑んでから外へと続く扉をゆっくりと開ける。


「……覚悟しとけよ、フレン」


パタンと扉の閉まる音が響くと同時に投げ掛けられた言葉と、含みをもった笑い声をフレンは耳にする事はなかった。




















ダンスパーティー当日、準備に追われ忙しない城内に、青年の叫びと従者の楽しそうな声が響き渡った。
西日の当たる、とある一室で繰り広げられていたのはお召し替えと表した鬼ごっこ。だが、死に物狂いに逃げていた青年は隅に追い詰められ、逃げ場を失ったようだ。
決死あるその光景は、とても微笑ましいの一言で丸くおさめられるような事では無かったが、やはりどこか間の抜けたものである。


「やっぱり無理です!僕には出来ません!!」

「いえ、言いつけは守って頂かないと。」

「僕の方から殿下にはお話ししますからっ…!」

「今は殿下も準備でお忙しいご時分でしょう。ささ、フレン様も早くお着替えになられないと。お時間に間に合わなくなってしまわれますよ」


話をつけるからと説得してみたが、どうやら効果はなかったらしい。それもその筈、自分は口が弱いのだと昔馴染の親友からいつも言われていることだ。
一人の青年を囲んで、化粧道具を持った女性や煌びやかな衣装や装飾具を手にした男性が、獲物を狙うかのようにじりじりと詰め寄っている。
もうこれは諦めて腹を括るしかないのだろうか。いや、しかし騎士団長としてこれは如何なものなのだろう。それ以前に男としてどうかとフレンは思う。今宵行われるパーティーに女装して参加しなければならないなんて……なんの見せ物だ。


「こんな綺麗な衣装なのです。そちらの女装のような方がお召しになった方がいいかと…」

「いいえ、そんなことありません。フレン様のような麗しい容貌の方に着られる方が、ドレスも喜びますわ」

「その通りです!フレン様は並の女性に引けをとらないぐらい美しいではありませんか」

「何故か素直に喜べないのですが…」

「何はともあれ、私共にお任せ下さい。会場一の姫君になるよう、お手を尽くさせていただきます!」


一気に距離を詰められ、抵抗する間もないまま身ぐるみを剥がされた。もはや騎士としてのプライド云々の話ではなく、これは立派な嫌がらせになるのではないかと、フレンは意識の遠くで思っていた。
迫りくる数々の魔の手に心底泣きたくなったが、もうどうにでもなれ、と投げやりな気持ちになる。どうにか早く終わることだけを祈りながら、フレンは自分をめかしこんでいく従者達を黙って見守り続けるのであった。
心中のうちで、こんなことをヨーデルへと言い付けた親友に憤慨を覚えながら。













続きます(^^)



 
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