贈答品店にてウコッケイのバームクーヘンを見つけた。
一きれで三百円だ。
さすがはブランド、ウコッケイ。
しかし、そもそもウコッケイってどういう鶏なんだろう。

車内で私は旦那に言った。
「ねぇ、ウコッケイになってよ」

明くる朝、旦那はいなくて代わりにウコッケイがいた。
いや、鳴き声で目が覚めた。

どうしよう、本当にウコッケイになってしまった。

仕事で付き合いのある人が、ウコッケイの餌は高くつくと言っていた。

悩む私の前でウコッケイが卵を産み落とした。

―ごめんね、雌鶏で。

ウコッケイの心の声が聞こえた。だが、問題はそこではない。

―卵を産むしかできないの。

ふさふさの羽毛がとってもキュートなウコッケイを手に入れた。
幸せだ。
あぁ幸せだ。
円らな瞳も愛くるしい。