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う・こっけい

贈答品店にてウコッケイのバームクーヘンを見つけた。
一きれで三百円だ。
さすがはブランド、ウコッケイ。
しかし、そもそもウコッケイってどういう鶏なんだろう。

車内で私は旦那に言った。
「ねぇ、ウコッケイになってよ」

明くる朝、旦那はいなくて代わりにウコッケイがいた。
いや、鳴き声で目が覚めた。

どうしよう、本当にウコッケイになってしまった。

仕事で付き合いのある人が、ウコッケイの餌は高くつくと言っていた。

悩む私の前でウコッケイが卵を産み落とした。

―ごめんね、雌鶏で。

ウコッケイの心の声が聞こえた。だが、問題はそこではない。

―卵を産むしかできないの。

ふさふさの羽毛がとってもキュートなウコッケイを手に入れた。
幸せだ。
あぁ幸せだ。
円らな瞳も愛くるしい。

レティクル座の神様

嫉妬心が自分にもあって、恐らく他人にもあったことが分かった今回のカウンセリングでした。
もしかするとチャットのキャラメイキングをすることがなければ、気付かなかったことかもしれないが。
友人のキャラは奮闘しています。
あまり深夜に頑張りすぎると体に毒だぞ(と言いつつ自分は……?)。

摂政閣下の話の続きを書きました。

その17: http://ameblo.jp/neueweltreihenfolge/entry-11726501518.html

その18: http://ameblo.jp/neueweltreihenfolge/entry-11726505711.html

気が向いたら、読んでいただけると幸いです。
書いたのは、11月中旬〜下旬で、もっとずっと前なのですが、どういう訳だか掲載だけ滞っておりました。
今は、もう少し先まで書けております。

痛い表現もありましたが、最終的にはギャグ的に明るくハートフルにまとめたいと思っております。
逃げかもしれません。
ただ、今年上半期〜11月に必要としていた「救い」でもありました。

自己肯定感、そして安らげる相手。
この二つがあれば、他人の攻撃をももろとも思わず生きていけるはずです。
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ハロウィンの日に(一次小説)

もうハロウィンは終わってしまったけど……

話題:ハロウィン


 小高い丘の中腹の、古びた洋館。その扉の呼び鈴が、久しぶりに鳴った。

 あまりにも長く、来客がなかったので、館の主は、それがそういう音を立てることを忘れていた。

 たまたま居間で寛いでいたが、寝室にいたら聞こえなかったことだろう。
 むくり、と体を起こす。

「トリック・オア・トリート!……だっけ」

 呼び鈴以上に澄んだ、可愛らしい声は、扉の向こうの来客が幼いことを示している。

 場違い……いや、場違いではなかったか。この東洋の国にも様々な慣習が伝わりつつある。

 重い扉を開けると、小さな子供は、しばらく彼を見つめたが、嬉しそうに笑い、小さな籠を手に載せて、差し出した。

「お菓子、ください」

 女の子だ。とても小さな。

 彼は困惑した。

「生憎と、うちにお菓子はなくてね。ほら、門の前にかぼちゃがないだろう。そういう家を無理に訪ねてはいけないんだよ」

 しかし、少女は、怪訝そうに彼を見て首を傾げる。

「あれ、おじちゃんは仮装の人じゃ、なかったの?」

 確かに、自分の趣味で古くさい……いや、ゴシック調とも取れる奢美な服装をしている。白と黒の夜会服。ずっとそれが彼のスタンダードな装いだ。
 奇矯と見えても、決して仮装をしているつもりはなかった。

「……ドラキュラ、の。だよね?」

 自信が無いのか、声は小さいが、無邪気な問いだ。

「いや……違うよ。私は、ドラキュラではない」

 それは誰か別の人を差す名だ。代名詞化されているとも言えるが、彼はそんなことは断固認めたくないのであった。
 気位の高い「同属」として。

「そう……なんだ。ごめんなさい」

「どうやって、ここに入ったの」

 女性には手慣れていても幼い人に慣れていない彼は、努めて優しく話した。

「後をついてきたの。だって私、てっきり、おじちゃんが仮装の人だと思って……」

「おじちゃん、はよしてほしいものだが」

 幾年を経ても若く瑞々しい。それが彼の誇りであった。むしろ存在意義だ。
 真っ向から否定されてはかなわない。

「すみません、じゃあ……お兄ちゃん」

 しゅんとしたのも束の間、彼女は満面の笑みに戻り、

「トリック・オア・トリート、お願いします!」

と、籠を高く上げた。

 彼は少女を上から下まで良く見た。七歳くらいか。三つ編みの可愛らしい彼女は、即席のビニールシートの衣装で魔女を気取っているようだ。

「ここには……いや、私には、あげるものは何もない。むしろ私は他人から奪う存在なのだ。ただ、それだけの」

 美しい黒目がちの目を向けて彼女はきょとんとした。

「君は、ここに来るのは、少し早すぎたのだ。あげるにせよ、もらうにせよ……あと二十年程しないことには、どうにもね」

 二十年程経てば、花の蕾も美しく咲いていることだろう。できればその時を狙って摘みたい。

「えー……困るな」

 彼女はスカートの裾を弄りながら動かない。

 彼の中に悪い考えが芽生えてきた。

 ふっくらと丸い、柔らかい頬。さらりとした、真っ直ぐな黒髪。二十年待たずとも……美しい。充分に。
 いや、むしろ今こそ。

「君が良いのなら、……今ここで、お菓子よりもずっと甘くて良いものを、与えても良いのだよ」

 真ん丸な目で彼女は見ていた。
 お互いがお互いに釘付けとなった。この状態に持ち込んでからが彼の本領発揮だ。

「さぁ、目を閉じなさい……余計なことは、見ないで済むように、ね」

 彼は充分に少女を気遣ったつもりだった。跪いて、少女の肩をゆっくりと抱き、首筋に唇を近付けて、甘やかな期待に自らも目を閉じる。

―今までは手を出さなかったが、どのような味がするものやら。

 年端も行かぬ子供。そういう意識が、良心をとうに捨てたと言う彼にもまだ残っていた。

 しかしいざ、彼の象徴たる、小さな白い刃を無垢の肌に突き立てんとした時……ふと、押さえている「肩」の感触がなくなった。

 目を開ける。そこに彼女はいない。
 幻のように掻き消えたなど、あって良いものだろうか―、彼は、自身のことはさておいて、不思議な状況に納得が行かず、すぐさま扉を開けた。

 曇り空。少し遠くを、薄っぺらい黒の衣装を羽織って……恐らく家庭用のほうきにまたがった、三つ編みの小さな「魔女」が飛んでいく。

 目をこすっても、そのように見えた。

「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ」

 彼にとってはまさしくその通りになった。
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月見

T市の月見団子は、長く伸ばした涙滴の形をしています。
中には何も入っていませんが、生地が甘いです。

お月見の日だったそうなので、実話を元にあと30分で小話を書きます。

‐‐‐

さっきから空を眺めている。
学校で、天体観測の宿題が出たからだ。
いい具合に日も暮れてきた。

でも、今日は満月。
そう、見事な満月が宙に浮いている。
月見には最高の日だ。
けれども、生憎、天体観測には向いていない。

何故先生はこんな時期に、星を見ろと言ったのだろう。
見えやしない。
ただでさえ自然現象に興味なんかないのに、余計悩ましい。

枠が印刷されたプリントを丸めて、筒にしてみた。
そうしたところで望遠鏡になどなりはしないけど。
本物は持っていない。
高価だからだ。

月を見てみた。
すっぽりと入った。

もしも未来、人が宇宙に行くならば、月で「地球見」でもするのかな―。

アニメの影響かそんなことを考えた。

少し横になった。

同級生は、宿題のプリントをどう仕上げるだろう。
あたかも星が見えたかのように取り繕うだろうか?
そうするのが楽かもしれない。
でも、先生の策略かもしれない。

仕方がない。

こういう時は事実を在りのままに書くのが、一番なのだ。

枠の中に大きく丸を書いた。

―だって月しか見えないんだからしゃあないじゃん。

月だって天体だ。

だが、それでは通るかどうか分からない。
良心がためらわれたので、小さく適当に近眼でも見える明るい星を書き加えた。
その中に存在しないものもあったかもしれないが。
大丈夫、心の眼で見た真実だ。

限りある一日の終わり頃、母がスーパーで買ってきた月見団子を口にした。
それは小さかったけれど、ちゃんと月を模した綺麗な丸い球の形だった。

宿題があれでいいのかどうか、心配ではあったが、もう月見や天体観測をする気分ではなかったので、いつでも真昼間なゲームの世界へ逃げ込んだ。

先生が認めなくても、残念、もう既に大きな丸が紙の上には書いてある。
色でも塗ろうか。

人生は、どうしたって納得のいかないものである。
思い通りにいかない、理不尽なこともある。
月見酒とも洒落込めない。
それなのに。

今夜の主役は、どうしたって月である。
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【小説】吸血鬼

 どうも血を吸う動作は、赤ん坊が乳を吸うそれに似ている。

 「犠牲者」の喉元に牙を立てながら、そう思う。

 抱いている相手の温く柔らかい体から、みるみる内に力が抜けて行く。つい、久しぶりに喉を潤そうと、激しくしてしまったか。

 しかし命に別状なかろう。初めは相手を死に至らしめることもなかったわけではない。しかし回を重ねる毎に「うまくやれる」ようになった。明日になればすっかり忘れていることだろう。

 少し寂しいような気もするが、忘れていてくれるほうが気が楽だ。

―寂しい、か……

 自分はそんなに情に深く、取り分け母親の愛情を欲していたのだろうか。

 そんなつもりはない。いや、なかった。

 けれど、相手が―取り分け美しいと思った女性が、欲しくて堪らず、今だに同じことを繰り返しているのだ。

 柔肌を、一心不乱に吸い、啜り上げて、時に最後の一滴までを求める。
 欲しいから、傷つけてしまう。

 気絶した相手の体を大事に抱え上げて、紳士的に最後の始末をしつつ、やはり満たされないと心のどこかで思った。

 失礼だが、この人は違う。
 そう考えて納得のいかない感情のままに、人と人の間を彷徨い続けているのだ。

 もう何年も。
 「千年の孤独」を癒すために。

 口元を軽く拭いながら、自分に対して苦笑した。

 また明日も、そして明後日も、きっと我慢ができなくなるたびに求めては奪う。
 赤子のように。
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