ああ遠くから雷と大粒の雨がやって来た

いつもより少し大きな声で話さないと聞こえないくらい騒がしい

だからあえていつもより少し小さな声で話す

わたしはこんな日はいつも憂鬱を安息と勘違いする

気が付いたらいつも死の淵に立ち暗い谷底を笑顔で眺めている

大袈裟に言えば駅のホームを楽園と錯覚して声を上げて笑いながら線路目掛けてスキップしてる感じ

ほら 何かが呼んでるんだよね おいでって

行かないけどね。

今日は久し振りに家の中が狂気に満ち溢れてる

暗闇に喰い殺されないように気を付けましょう

鬼が暴れだしたら殺されないように逃げましょう

涙を流す鬼に情を抱いてはなりません

きっと殺されるでしょう

勝っても負けても、鬼を見た者は忘れた頃に心から喰われいつか醜い鬼となってしまうでしょう

そしていつか心から大切にする者の心を喰い、永遠のサイクルの断片を全うするでしょう


雨が弱くなった

わたしを守るものがなくなってしまったかのように心細くなった


鬼さんこちら
手の鳴る方へ
鬼さん一緒に
手の鳴る方へ
鬼さん永久に
手の鳴る方へ
鬼さんわたし
あの子の元へ