猫往にて冬の布団に身はひとつ

猫往にて黒のセーター楽に着る

猫往ぬる家は氷雨にただ冷える

あたたかいしろい毛玉をなでころがす事の出来ない夜は寂寥

どの神に問えば良いのか 苦しみを薬で解くは罪か慈悲かを

縊り殺してやれば良かった 君殺す罪すら僕は半端に背負う


秋の風 鰹の匂いのする棺

炒り子でも入ってそうな白い壺


死んだ途端気配のひとつもしなくなり
猫はどこまでも気ままだと知る