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寝てもユリフレです






最近、ユリフレばっかり考えているせいか夢にまで出てきてしまいました(・ω・;)
しかも、それがかなり切ない感じのユリフレで、朝っぱらからmoeta………げふげふ。


どんなものかと言いますと…、とある森の中で一人歩いている時にフレンはユーリ達を見掛けます。この時、二人は仲違いをしてた頃だったらしく、フレンはユーリの姿をただ眺めている事しかできないのです。
ユーリの周りには仲間達がいて、みんなで楽しそうに笑っていて。いつでもユーリの隣りは自分がいたのに今そこには違う人がいて、僕は一人なんだと思うとフレンは悲しくなって、その場から駆け出します。

そして、途中で崖のような所に滑って落ちてしまい、怪我をしてその場から動けなくなりました(ここ、ありきたり/笑)
暫くそこに止まることになったフレンは、不安や寂しさに泣き出してしまうのです。ユーリの側にいられないという現実が耐えられなくて、悲しくて…。うっわ、私が泣きそうになるよ、これ!!

そんでもって、ここからまた王道な展開です!何故かユーリがフレンを助けに来てくれたのです。
「大丈夫か、フレン!今そっち行くから待ってろ!!」てな具合に(笑)
そこで崖の上からユーリが降りてくるなり、フレンはユーリに抱き付きます。ユーリ、ユーリ…と何度も名前を呼びながら……………









…………はい、素敵に無敵な妄想です♪
これ使って小説書きたいわ〜。





 

好きじゃないのに愛してるなんて R-18

※性描写有りの為ご注意。






傍にいさせてほしいと言った。
もう近くにいるだろうと返された。
貴方が好きですと言った。
私は愛してる、と貴方は答えた。





虚像だけの愛に僕は騙されたフリをしながら、今までずっと貴方の隣りにいさせてもらっていた。ただ、馬鹿みたいにずっと笑っているだけで、貴方は僕を見てくれるから。
視線に込められた哀れみや蔑みに、気付かなかった訳ではない。時には怒りや憎しみがない混じるその瞳は、背筋が凍る程、怖かったけど、同時にとても綺麗だった。

時たま気が向いた時にだけ与えられる、ほんの少しの愛情に満たされている自分のなんと愚かなことか。
触れてもらえるがだけの理由で、獣染みた性交に溺れる自分のなんと惨めなことか。
ただの性欲処理の為に、自分勝手に抱かれるというのは、決して嬉しくなんかない。何の前触れもなしに押し倒されて、僕の気持ちも関係なしに身体を求められるのは、何処かを確実に破壊しつつあるのに、拒む事すら知らないかのように受け入れていた。
今日も今日とで始まった淫らな夜宴。貴方の指先が滑る度に身体は熱くなるけど、それと比例するように心は冷めていく。

「………っ、ん…ぅ」

「声は抑えなくていい。聞かせなさい」


的確にかつ事務的な動きで、僕の熱を引き出す貴方の手が恐くて今すぐ引き剥がしたいのに、そうすることが出来ない。愛撫する手の温かさに、触れる体温の冷たさに、訳も分からず混乱しそうになる。
胸の頂きを強く摘まれた瞬間に走った鋭い痛みに、声をあげると貴方は酷くいやらしい笑みを浮かべた。


「君の身体はなかなか面白い。痛みさえも快楽になるみたいだな」

「ちが……や、…あっ!」

「素直になれば、よくして差し上げるものを」


身を包む衣服を切り裂くようにして剥がされ、生まれたままの姿にさせられた所でベッドに身体を押し付けられる。大きく開かされた足の付け根が外れそうだ。
自分の恥ずかしい部位を惜しげもなく晒すのは流石に戸惑われ、身を捩って体勢を立て直そうとしたのを彼はどう捉えたのか。余計に力強く押さえられ、身動きができなくなってしまった。
突如、下半身に伸びた手が頭をもたげ始めている自身をするりと撫で上げ、先走りを拭い、そのまま後孔の方へと滑らせた。男を受け入れたことがあっても尚、そこは固く閉じていて、指一本さえ入りそうにない。
なのに彼はそれに構うことなく、愛液で濡れた指をまとめて押し込んできた。


「いっ…、あ、くっ…!」

「もっと力を抜きなさい」

「や…、痛っ…ぁ…」


彼は深く溜め息をつくと、きつい中を割り開くように指で内壁を擦ったり、引っ掻いたりした。繋がることだけを考えられた乱暴な行為に身体は悲鳴をあげていたけど、さして気にする事もなく、入れていた指を抜かれ、代わりに猛った熱いものをあてがわれる。
それが何なのかなんて確認しなくても分かった。僕は先の痛みを予想して首を横に振り、必死に拒否した。


「嫌…、待って…、………あぁッ!!」


制止の声も無視され、押し入ってきた熱に叫びそうになる。身を裂かれるような激痛に呼吸が上手く出来ない。
十分にほぐしてもいないのに、大きく獰猛な彼自身を挿れられて、痛みに涙が溢れた。
馴染むのも待たないまま開始された律動に息が詰まる。ぼやけた視界の中、口端を吊り上げて笑う貴方が映った。


「…っ、やはりきついな…」

「いやぁ…、あっ、はぁ!」


激しく揺さぶられるがままに僕の身体も上下する。何度もシーツと擦れた背中が、摩擦によりヒリヒリとしたけど、それ以上に無理矢理開かされた秘部が裂けて痛い。
流れ出た生暖かい血が滑りをよくしているけど、襲いくる圧迫感だけは消えそうにもない。


「ひぁ、あ、あぁ…や、め…!」

「冗談を。こうされるのが好きなんだろう?もっといい声で鳴いてみせなさい」

「ひっ…ああっ!」


突き上げては、引き抜きを繰り返し、気儘な動きをもって僕を翻弄する。これは既に愛し合う者同士がお互いを確認する行為なんかじゃない。相手を蹂躙し、力で捩じ伏せる強姦だ。
意識さえも朦朧とし、もう何がなんだか分からなくなってきた頃、頭を掠めていくものがあった。それは陽炎のようにゆらゆらと不確かな姿で表れていたが、僕にはなんだかはっきりと分かる。自分が唯一、心を寄り添える人の影。
心から大好きだと、思える人。手を伸ばせば握り返してくれる掌の温かさも、自分を見て柔らかく微笑んでくれる優しさも。全てが愛しかった。
なのに、なんで僕はここにいる?本当に大切なものを手放してまで、何故この手はこの人を選んでしまった?全部、僕の弱さが導いた結果なのだと分かっている。
でも、助けてほしかった。抱き締めてほしかった。あの凛とした穏やかな声で、名前を呼んでほしかった。


「……ユ…、リ…っ、…ユーリ…」


堪らず口にしてしまってから、ハッとした。急に現実に戻った脳が弁解の言葉を指令するより早く、頬に衝撃が走る。殴られたのだと理解するまでそう時間はかからなかった。
恐る恐る見上げれば、目を細めて見つめてくる絶対零度の瞳が自分を見下ろしている。


「今、私を誰と勘違いした?」

「ぁ……、」

「あの薄汚い青年と?笑わせてくれるじゃないか」

「…団長…っ、ひ、やあぁっ!」


途端、開始された律動は僕に痛みと快楽をもたらす。抉るように何回も突き上げられ、もう局部は麻痺してしまっている。
動きに合わせて、彼の顔の横で揺れる自分の足が宙を蹴る。無我夢中にシーツを掻き寄せ、力強く掴んでみるが衝撃はやり過ごせない。零れ出る嬌声も今はもう掠れてしまった。
より荒々しくなる上下運動に息も跡絶え跡絶えになってきた頃、最奥に温かいものが流し込まれた。どうやら彼は達したらしく、やっと終わりの見えた行為に安堵する。ベッドに投げ出された四股を動かすことさえ困難な程、体力の消耗が激しかった。


「まさかこれでお終いではなかろうな」

「ぇ…」

「夜は長い。壊れるまで抱いてやろう」


告げられた言葉は死刑宣告にも近い響きで、僕に絶望をもたらした。ケタケタと笑う声が耳に纏りつく。
逃げをうつ腰を掴まれ、容易く押さえられてしまった。再び内部を侵略するものに今度こそ消せなかった悲鳴をあげ、全力で嫌がっても、彼はただ楽しそうに笑うだけで、何も状況は変わらなかった。


「や……あぁ、ん!」

「実に面白いものが手に入ったものだ…なぁ、フレン・シーフォ?」

「あっ…団長、…ひぁ…」

「愛してるよ、フレン」

「……っ、…ぁ」


獣のような狂宴は、それから夜が明けるまで続けられた。
僕が聞いたあの言葉が嘘か本当かなんて確かめることもないまま、ただ僕らは身体を重ねていた。







何が正しいとか、何が正義だとか考えることなく、この手を取っていたのは確かに自分で。
本当は理解していたのに、目を背けていた。自分の信じた者はおかしいと、間違っていると気付いていたのに。
始めはただ、一人で全部を背負おうとする彼を助けたかっただけだった。力になりたかった。
なのに、いつから歪んでしまったのだろう。こんな無意味な愛を交わしてまで、手に入れたものはなんだったのだろう。失ったものが大きくて、もう分からないよ。

でも、まだここにあるんだ、今更かもしれない。だけど、伝えたいよ。
…ユーリのことが大好きなんだって。
こんな風に、胸中だけに止めて、現実から背を向ける僕はなんて狡いんだろうと思う。
許してほしいとは言わないから、だから。


次に会った時に、その声で名前を呼んでほしい。
漠然と、それだけを願った。


















○後書き○
あれ〜?やっぱりアレフレなのにユリフレになってしまいますねぇ…。何故と言わずとも分かっています。私がユリフレ信者だからです!!(どーん)
微妙な鬼畜風味なアレフレでした!しかも裏だなんて、マイナー街道まっしぐらですね(笑)
ここまでお付き合いしてくださった方、ありがとうございます!


拍手レス(9.12-9.21)




拍手のコメントのお返事になります(^^)
拍手だけの方々もありがとうございました♪





欲に濡れた〜とっっっても素敵でしたvvv私的に真夜中の〜の方
┗ほんとですか〜!嬉しいです!!書き上がった時に読み返してみて不安だったのですが…気に入っていただけたのなら、本当に良かったです(ノ∀<*)
私の中でのフレン像を楽しみにしてくれるなんて、感激です!もしや同じ趣味なんですかね…!?(笑)温かなコメントをありがとうございました(^^)




毎回悶えながら読ませていただいてます〜の方
┗悶えていただけたのなら嬉しい限りですよ〜!私の脳内妄想でのフレンがまんま小説に表れてるので、何考えてるかバレそうですね(笑)
応援のお言葉まで本当にありがとうございました!!




欲に濡れた手を繋ぐ、すごく良かったです!ユリフレに切な〜の方
┗あわわ…、ちぐはぐな文章になってしまって焦ってたのですが、気に入っていただけたのなら何よりです(>_<)ケイトは影ながら頑張ってくれてるので、違う場面で報われたらと思います(笑)
真夜中の攻防戦は一応続きますので、宜しかったらご覧ください♪拍手コメントありがとうございました!






 

そうやってフリを続けるのか




最初からフレンが誰の手をとるかなんて知っていた。長い時間を一緒に過ごした俺じゃなくて、短い時間でも同じ理想を抱くアイツを選ぶことなど分かっていた。
当たり前のように従い、どんなに先に行かれようとも、必死になって後を追うフレンの姿を何度も見ている。同じ速度で歩いてくれる訳でもなく、かと言って手を差し延べてやる訳でもない。
そんな奴に何でついていけるんだよ。何でお前はアイツを正義だと思えるんだよ。そうまでして共にありたいと願ったくせに、何で、そんな哀しそうな顔をしてるんだ。
俺は目の前に佇むフレンの肩を掴む。俺を見ようとしないフレンに苛立ちを覚えた。それと同時に、かたかたと小さく震えるフレンを守りたいと思った。俺の手で。


「いつまでお前はアレクセイのやり方に付いて行く気なんだ。テメェの心中さえも教えてくれねぇ団長を何で信じれる!?」


掴んでいた肩を揺さぶれば、細い身体もそれに従う。今だフレンは黙り込んだまま俺と目を合わせようともしない。それどころか、俯いてしまった為に表情さえも伺えなくなる。
だが、今、フレンがどんな顔してるかなんて見なくても分かる。幼い頃から一緒にいたから。一番近い所で、ずっと、見ていたから。


「お前の正義はこうゆうことか?力にものを言わすのがお前のやり方か!?答えろよ、フレン!!」


名前を叫んだ瞬間にフレンが伏せていた顔を勢いよく上げた。ようやく俺を映したその目を見て、俺は驚愕する。いつもは澄んで透明な青色だった瞳が、今は曇り濁った蒼になっていた。いつだって真直ぐな意思を表すかのような色をしていた筈なのに。
何が彼をこうしたというのだ。前みたいに、慈しみを浮かべ嬉しそうに笑うお前はどこにいった?心配や怒りに小言しては、最後には優しく俺の名を呼んでいたお前はどこに消えた?お前の心は荒れ果て、絶望する現実に苦しんでいるのに、何故アイツは傍にいて支えてやらない?
痛いと、寂しいと訴えたいくせに、それでも尚、フレンは微笑みを浮かべる。強がりなんかじゃない、何もかも諦めたような顔で、笑みの形を作ろうとする。
からからに渇いた喉から無理して絞り出したであろうフレンの声は、いつもと違って掠れていた。


「仕方ないんだよ、ユーリ。信じてしまったのだから……僕は待つしかないんだ」

「どうして、お前はっ、……」

「心配してくれて、ありがとう。でも、大丈夫だ。あの人の傍にいられるだけで、僕は、……幸せだから」


幸せな奴が、そんな風に憂いを帯びた顔するわけない。悲哀に打ちのめされた表情するわけないだろ。


「いつまでそうやって…フリをしているんだ?」


本当は温もりが欲しいと、傍にいてほしいと分かってるくせに、望んでいるくせに。
満たされているフリをして、沸きあがる全ての感情に蓋をして、笑って、それでお前は本当に幸せなのか?なぁ、自分は幸せだと言い切れるのか?


「……幸せ、なんだよ…」


自分に言い聞かせるようにして呟く声。今にも闇に飲み込まれそうなフレンをもう見ていたくなくて腕を引き寄せ、堪らず強く抱き締める。
それなのに、フレンは微々たる抵抗さえすることもなく。それが、今の彼の胸中を表しているかのようで辛かった。誰かに縋ることさえ忘れて、このまま信じ続けていくのだろうか。
意地はって強くあろうとするけど、本当は脆く危ういこの股体を守りたいと願う。なのに、いつからか歯車は噛み合わなくなっていたんだ。繋ぎ止める方法も、この場所から救いだす手段さえもない俺は、ただ彼に手を差し延べることしかできずにいる。
結局は同じ様なものだ。俺だってフレンを待つしかない。強行することなんて出来ないから。


だから、今は、今だけは。
腕の中で震えながら、小さく嗚咽を漏らすこの愛しい人を抱き締めて、自分が傍にいるのだということを伝えたかった。
叶うのなら、このまま夜が明けずにいてほしいと思って、濡れる瞼に唇を落とした。














アレクセイでてきてないけど、アレフレと言い張ります。(どーん)
でも、あれだ。結局はユリフレになるという(笑)

アレフレって鬼畜な匂いがぷんぷんします。そんでもって傷付いたフレンをユーリが慰めてる感じがします。←私だけ!?





 

二つ星は恋をする


隣りにいないことが考えられない。
側にいることが当たり前で。
だからこそ失う時の痛みなんて気付くことがなかったんだ。

だから隣り同士が一番自然な形。












一言で感想を述べるとしたら、"見なけりゃ良かった"。
嗚呼わざわざ城に寄ってみようだなんて馬鹿な事考えなければよかったな(そうすればあんな場面に遭遇することもないまま明日もまたアイツの顔を見て笑って肩を叩けたのに。)
あれ?なんでこんなに俺が同様してるんだろう。別にいいじゃないか本人の自由ではないか。アイツが選んだことに俺があーだ、こーだと文句なんか言う必要がないし、言えっこない(確かにそう思っているのに何故こんなにも心臓の奥がムカムカするんだろう、考えても分からない。)
そうだ、相手も同じ男で同姓同士だったから少しばかり吃驚しているのか!やっぱりいくら親友だとしても、あんな所を見てしまえば気が動転するものだ(それでも、これ以上ないほどに俺の体を浸食しようとしているのは嫌悪でも嫉妬でもないどこか痛みの伴う悲しみだった。)

時間が巻き戻せるのなら、俺は今すぐにでも今から半日前の過去に戻りたい。
記憶が消せるものなら、今日一日分の記憶を全てまっさらにしてしまいたい。
そんな非現実的なことを目まぐるしく考えたどころで何も変わらないことは自分でもよく分かっている筈なのに、今の俺にはそんな曖昧な物に縋りついてしまいたい程には頭の中が混乱していたらしい。全くいい歳した大の男がたかがあんな光景を見ただけで、ここまで同様するなんて笑えるものだ。

フレンが俺の知らない男とキスをしていた。
たったそれだけの事なのに。









ノロノロとした足取りで家へと帰宅していた為か、俺が部屋の扉を開ける頃には辺りは暗闇に包まれていた。思ってた以上に心身共にダメージを負っているらしく、情けないことこの上ない。
普段は落ち着く空間である自室へと入っても居心地が悪い。暗闇に染まっている部屋に明かりを灯す気にもなれず、適当に荷物を放り投げてからそのままベッドへと身を沈めた。
目眩が酷く、果てには吐き気まで催してくる始末。身を横たえたまま大きく肩を揺らしながら呼吸をしてみるが、一行に変わらない。それどころか脳裏にあの光景が横切る度に俺の気分は鉛のように沈んでいった。終わりのない迷路に迷い込んでしまったかのように、いつまでたっても展開されていくあの場面。たった一瞬の出来事がループ状に巡っていく。
気付けば、宿屋の女将が洗濯してくれて日光の匂いをたっぷりと含んでいる皺のないシーツを手が白くなるまで握り締めていた。


──トントンッ…
途端、静寂が支配していた部屋に小気味良くドアをノックする音が響き渡る。幾分か時間がたち、やっと先程よりは落ち着いてきた脳内が指令をかけるより早く上半身をガバッと起こした。
今は誰かと顔を合わせる気分でもなかったが、こんな真夜中に急な来訪ともなれば何か事件があったのかもしれない。以前にも同じような事が度々あり、その都度、その問題を解決させていたのも自分だった。
今回もそんな事だろうと軽く思い、俺は床へと足を降ろすなり足早に扉へと迎いながらゆっくりとそこを開けた。


まず、月明りを背に視界に飛び込んできたのはキラキラと輝く金色。次いで海よりも深く、夜空よりも澄んだ青を拵えた真直ぐで透明な瞳。
暫くボーッと佇んでいたが、程よく赤味を帯びた形の良い唇から紡がれる聞き慣れた音色に、そこでようやく我に返った。

「ユーリ…」
「……フレン」

そこに現われたのは紛れもなく俺の幼馴染みであり、親友であり、さっきまで俺の胸中を掴んで離さずにいたフレンの姿だった。
このまま外に追い出すことも、かと言って中にはいどうぞと招き入れるのも躊躇われた俺は沈黙したまま突っ立っていることしかできない。
そんな俺にフレンは眉を下げながら困ったように笑いかける。

「こんな時間にごめん。部屋、入ってもいいかな?」

焦れったい俺の態度をどう捉えたのか、遠慮がちに発せられた言葉は、何故か少しだけ震えていたような気がした。

「ああ、わりぃ。入れよ」
「ん、ありがとう」

中へと促すと、フレンは俺の横を通り過ぎ、ベッドへと腰掛ける。後に続くようにして俺も隣りへと座った。
中に入れたはいいが、お互い黙ってしまい再びそこは静かな空間となる。フレンを横目で見やれば、どこか焦点の合っていない瞳が薄く水の膜を張らせて揺れていた。いつもは意志の強さが籠ったその眼は、全てを見据えているかのように揺るがないのに。
ふと、フレンは俺を視界に納めると少し悲しそうに微笑んだ。きっと俺が怪訝そうな顔をしていたに違いない。

「ユーリ、そんな顔して…なんかあったのか?」

刺すような視線を送っていたのは自身でも分かっていたが、それよりも自分のこととなると本当に鈍いフレンに呆れを通り超して、苛立ちさえ覚えた。

「それはこっちの台詞だ。お前、自分がどんな酷いツラしてるか分かってんのか?」

「酷い顔?僕が?」

「自覚なしかよ…」

俺は、はぁ…と重い溜め息を一つ零してフレンと向き合う形に座り直した。逃げられないようにフレンの両肩を押さえ付ける手に力を込める。

「ユーリ、肩、痛いから」

「うるせぇ。さっさとこんな時間に俺のとこに来た理由を言いやがれ」

「……」

「なにかあったのか?」

言いながら両者の距離を詰めるとフレンは僅かに狼狽した様子を見せた。近くに寄ったぐらいでそんな反応を見せたフレンを訝しく思ったが、すぐに合点がいく。
お互いの吐息がかかるぐらい詰め寄ったこの距離感は、もう少し近付けば唇が触れ合うことができるだろう。
さっきまで俺の脳内を忙しく巡っていたあの光景。何も関係ないとは言い切れない。

「昼にキスしてた男ともめたとか?」

「…ッ!!」

言った瞬間、フレンが息を飲むのが分かった。驚きと困惑とが交ざった双眸が波打つように揺れている。
どうしてそれを知っているんだと問い掛けるような表情を見て、今更ながら、やっぱりフレンはあの男とキスをしていたんだと頭の隅で理解した。ストンと収まった事実に今度は妙に沸き立つ熱い何かが心中を支配する。

近付いていた顔を離せば固まっていたフレンの体から力が抜ける。近くも遠くもない、付かず離れずのこの距離感が今の自分達を表しているようで、俺は込み上げてくる苦笑を隠すことが出来なかった。

「わりぃな。見るつもりは無かったんだが、偶然通りかかっちまった時に、な」

「そうだったのか…」

「それで、なんだ?そいつと喧嘩でもしたのか?」

努めて明るく聞いてはみたが、顔色に曇りを見せたフレンは緩く首を降るだけで俺の質問には答えなかった。
ここまで戸惑い見せるフレンは初めてのことで、俺自身もどう対応したものかと思案し始めた頃、フレンは勢いよく顔を上げた。そこにはさっきまで覗いていた弱々しい影はもうない。
「ユーリは誰かとキスしたことあるか?」

唐突な質問に俺は目を丸くする。この年齢でキスしたことがない方が珍しいだろ、と言おうと喉まで言葉がでかけたが止めた。奥手で生真面目なフレンにはたぶん理解不能な粋だろうから。

「あるぜ。回数とかまではいちいち覚えてないけどな」

「それって好きな人だったんだよね?」

「…まぁ、それなりには」

「その人とキスして気持ち悪いとか…嫌だとか思ったことあるか?」

控え目に、でも答えをはぐらかすことは許さないかのように強く聞かれた問いに俺は瞠目する。普通は恋人同士や親愛を込めて家族間などで行なうその行為に嫌だと思う訳がない。そもそも嫌いな奴と触れ合おうなどと、はなから思わないだろう。無理して付き合ったりする族もいるが、神経がご奇特な連中のすることだと考えている俺としては、嫌悪を抱くような行為であるとは思えない。
話の流れからして、フレンはその男との口付けに何かしら嫌な感情を持ったのは間違いないだろう。
だが、納得のいかない点がある。その場で悩むなり何なりと対処すればいいものを何故、今この時分になってから行動を起こしたのか。それもわざわざ俺の家まで来て。
ひとまず、質問に答えるべく俺は乾いた唇を舐め口を開いた。

「特別嬉しいとか感じたこともねぇけど、嫌だと思ったこともねぇよ。大体、好意持ってる奴とすることに対して嫌だとか思うようなら、それは好きってことじゃねぇ。お前だってそうだろ……って、フレン?」

ちらりと伺うようにフレンの方を見れば、彼は再び顔を伏せてしまっていた。頬にかかる金糸のせいで表情が読めない。
小さく動く唇が言葉を紡いでいるらしいが、それは微かなものでよく聞き取れない。俺に対し言っているというよりも、呟いてるといった方が正解だろうか。
そんなフレンを尻目に何か飲み物でも用意しようと立ち上がった。だが、ぐいっと腕を引かれ、腰を上げたままの体制だった俺は容易にフレンの方へと倒れ込むことになる。
勢いのまま倒れたせいで、フレンをベッドに押し倒すような体勢となってしまい、俺は慌てて上から退こうとしたが、手首を掴む手が離そうとしない為にそれも叶わない。
目前には不安そうに顔を歪めるフレンがいて、柄にもなく内心で焦りを感じていた。
フレンの形の良い唇が呼吸に開閉する度、吐息が首筋の辺りを掠めくすぐったい。

「フレン、どうした?」

「……っ、僕には分からないよ…」

「分からない?」

「…好きとか嫌いだとか…分からないんだ」

「あー…」

なんの事を指しているのかは自ずと理解できた。どうやらフレンは昼の出来事について悩んでいたらしい。今まで色恋沙汰とは無縁な上に、自分の気持ちにすら鈍い恋愛経験ゼロなフレンが、いきなりあの手の感情を向けられ戸惑っているのだろう。
その様が可愛く、彼の心を促してやりたいと思う反面、このまま気付かせたくないとも思う。俺が「それなら、その男のことは好きなんじゃねぇんだよ」とでも言えば、素直な彼はきっと俺の言葉を信じる。俺の言うことには無条件の信頼を寄せているフレンのことだ。

(そうすればフレンは、あの男のもとに行かない…?)

少しでも浮かんでしまった考えに、罪悪感が込み上げる。馬鹿げた事を思ってしまった。フレンが誰を好きになっても、俺に口出す権利などあるわけないのに。

(…だけど、離したくない。俺のものであってほしい)

フレンの瞳を覗き込めば、綺麗な碧が月光により輝いて見えた。嗚呼、この股体のなんと美しいことか。俺は俺自身の想いを無視し続けて、長いことこの淡い灯に蓋をしてきた。ゆらゆら揺らめくそれは少し風が吹けばすぐに真紅の業火になる。つまり、それは親友という今あるこのポジションを失うということに繋がっていた。
でも、伝えたい気持ちがある。もう逃げられないくらいに。

「…フレン、お前はその男が好きなのか?」

急な俺の問いにフレンは目を丸くする。こんな事を聞くのも野暮なことだと思う。少しでも好意がなければキスなど出来ないだろうに。
だが、俺の予想に反して、眉尻を下げながらフレンは首を横に振った。

「好きとは違う。確かに同僚としては良い人だと思うけど…」

「はっ…?じゃあ、なんでキスしてたんだよ、お前ら」

「あれ、は…突然されたんだ…。告白されて、そうゆう事は分からないって言ったら…じゃあ試してみればいい、って……」

しどろもどろになりながら説明した。彼の顔からして、嘘はないようだ。それに元来、彼はこの手のことには疎い為、そこまで器用に頭が働かないだろう。
フレンとあの男はなんの関係もないと判明した途端、力が抜け脱力した俺はフレンの上に覆い被さる。下で「わふっ」とか色気のない声が聞こえたけど、この際気にしない。
俺が今まで悶々と考え、塞ぎ込んでいたのはなんだったんだ。自分だけ先走り、振り回されていて馬鹿みたいだ。そう思うと同時に彼をまだとられていないという安堵と、自分にもチャンスがあるのかもしれないという期待に胸が膨らむ。もう後悔はしたくない。誰かのものになり、指を咥えて見てるなんてごめんだ。なら、ありのままの自分の気持ちを彼に伝えよう。賭けとしては怖いが、大丈夫。
(駄目だったとしても、いつか絶対に振り向かせてやるさ…)

「フレン」

呼べば即座に反応して俺を映すその澄んだ瞳も。

「じゃあ俺だったらどうだ?」

俺の声を全て聞こうとしてくれるこの瞬間も。

「俺を好きにならないか?」
お前を成す全てが愛しいと思える。どこに連れて行くのも恥ずかしくないが、どこに出すのも惜しいと思う。

「俺はフレンが好きだ。月並みで悪ぃけど…お前を愛してる」

フレンは俺の言葉に瞠目する。驚愕の色が強いその目は、だけど逸らされることはなく。重ねて言を紡ぐ俺を止めることもない。恋を知らないっていうなら教えてやる。俺のいう好きが分からないっていうなら伝えてやるから。だから…、

「フレンが知らない奴とキスしてた時、思った。俺はお前を手放したくない。
お前の隣りは俺でありたいし、あってほしいんだ」

「…ユ、…リ…」

フレンを抱き締めて、少し癖のある柔らかい髪に鼻先を埋める。日光を一杯に浴びた金糸から漂う香りは朝の清々しい空気のようだった。

「……僕はそうゆう感情に疎いんだ」

「ああ、知ってる」

「でも…あの時、嫌だって思ったと同時に浮かんだのは……ユーリのことだった」

フレンの顔の横に肘をついて、少し身体を浮かせる。そして下にある彼の顔を見れば、心なしか瞳を潤ませて、落ち着きなく視線を彷徨わせていて。フレンは大きく深呼吸するなり、何かを決心したかのように強く俺を見据えた。

「僕はユーリ以上に大切な人も側にいたい人もいない。いつだってユーリが僕の一番なんだ」

「…フレン」

「好きって、ことなのかな…。ユーリと一緒にいたい」

フレンの言葉に胸が高鳴る。心臓がさっきからうるさく騒ぐのを隠すように、俺は意地悪く挑発的な笑みを浮かべた。きっと答えはすぐそこまできている。

「なら、試してみるか?」

「…試す?」

何をしようとしているのか分かってないらしいフレンを尻目に、俺はゆっくりと顔を近付けた。驚きから、目を見開き固まるフレンの頬を軽く撫で、唇を押し付ける。
最初はすぐに離れ、その次は感触を楽しむように角度を変えて口付けを施す。長い睫毛が震え、目を閉じた。
フレンと始めて交わしたキスは酷く甘美な味がした。じわじわと込み上げる歓喜に、知らず身体が熱くなる。鼻にかかる声が漏れた所で、そっと離れればフレンは顔を真赤に染めて、乱れ気味の呼吸を整えていた。
それが何とも可愛らしく、また幼くて、たまらず吹き出してしまう。

「くくっ…、あはは!おまっ…マジかわいーの!」

「なっ…笑わなくたっていいじゃないか!」

声を張り上げて言い返すがどうにも迫力に欠ける。そうすることで、俺の悪戯心をよけいに強くすることを彼は気付いていないのだろうか。
距離を詰め、鼻先が触れ合うぐらいのとこで口端を持ち上げ問い掛ける。

「で?俺とも嫌だったか?」

「………分かってるくせに」

「お前の口から聞きてぇんだよ」

諦めか落胆か、溜め息をつきフレンは俺と視線を交えると微笑んだ。その笑みがあまりにも美麗で思わず息を飲む。

「とても嬉しかったし、気持ち良かった」

「…そりゃどーも」

「照れてるのか?」

「んな訳あるか」

「はは、そういうことにしとく。…好きだよ、ユーリ…」

今度はフレンから軽く口付けてくる。それは子供染みたキスだったが、俺を驚かせるには十分すぎるぐらいだ。

「お前…そーゆうの反則」

唇を尖らせて小さく悪態をつくが、フレンは笑うだけで、その表情がとても幸せそうだったから俺は何も言えなくなる。
ひとしきり笑い合った後、俺達はどちらともなく再び唇を重ね、互いに強く抱き締め合った。
互いの体温を分け合うように。







隣りにあるからこそ、
近い存在だからこそ。
手を繋いでいれる大切さを忘れてしまうけど、
君がいないのは寂しすぎるから、
ずっと一緒にいたいと願うんだ。













──後日談。
夜中にわざわざ俺の家に訪れた理由が気になり、フレンに聞いてみた。
すると彼ははにかみながら、こう言ったのだ。

「その前に家に行ったら、ユーリがいなかったんだよ。それで城に戻ったんだけど、やっぱりどうしてもユーリの顔が見たくて……夜中にすまなかった」

それを聞いた瞬間、俺は力一杯この可愛い生き物を抱き締めた。








〇後書き〇
もう何も言えません…。
ほんっと意味不明すぎてごめんなさい。
私だけ満足しててごめんなさい(T_T)
とりあえずヤキモキなユーリさんでした(笑)