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「ピカソ、天才の秘密」展


話題:美術館・博物館



Title:「ピカソ、天才の秘密」展


こんばんは、Mariです。
今日は24日にあべのハルカスで開催中の「ピカソ、天才の秘密」展に行ってきた感想を。

*

上の画像は入口にあったものです。

23歳のピカソのパネルがお出迎え。

イケメンですね(そこなのか)

内容はピカソの青年期の作品を中心とした約90点の作品展示です。


まず驚いたのはそのデッサン力の高さですね。
冒頭、少年期の作品の1つである『男性頭部石膏像のデッサン』が印象的でした。
14歳が描いたとは思えません…!
あとは『ベートーベンのデスマスク』。質感以上に表情。苦しみ、憂鬱、解放、あらゆる解釈を観る者に与える力があるように思いました。

それとは対照的に「ビフォー」と「アフター」は可愛らしい印象を受けましたね。

クスッと笑みがこぼれそうでした。

 

ピカソ自身が「感傷以外の何物でもなかった」と話したとされる「青の時代」。

文字通り青を基調とした絵が多く描かれた時期です。

ただその青が秘めているのは悲哀、時代や人々に纏うある種の暗闇を「現実のもの」として鮮烈に映し出す力。ブルーベースの肖像画に描かれる人物の眼の色は決して明るくはないのに、こちらの目を奪うような力強さがあるように感じました。

 

 

青と聞くと冷たいイメージがあるかもしれませんが、絵の中身の温度が下がるわけではないと思うのです。

『スープ』に描かれた湯気や一見無表情に思える少女の軽やかで嬉しそうな身体の描き方。そこには紛れもない人間味がある。また、『サバスティア・ジュニェンの肖像』も面白い。モナ・リザのようとまでは言わないけれど、顔の右半分と左半分で分けて見た時、その印象が異なる。(観る側から)左半分、瞳は黒く濁り眉の角度も鋭くどこか厳しさを感じさせる。しかし右半分、瞳は黒に光を1点映したような白を宿している。眉も緩やかなカーブを描き、優しい紳士を思わせる温かみを感じました。

 

 

「バラ色の時代」に入り、明るい色彩も取り入れられるようになってきます。

また表情以上に描かれる人物のポーズがどれも印象的でした。

 

キュビズム時代もいくらか展示されていましたが、どうにもタイトルや解説といった文字情報を無意識に求めてしまいますね。

「これは一体なにを表しているのだろうか―――?」と考える楽しみもあります。

しかし女体ならその曲線を、物質ならそれを示す何らかの要素や文字がヒントとなり、どこか現実離れした世界もかろうじて自分の常識の世界=現実のものとして見られるのかなと思います。

描かれたものに対し「これは○○だ」と文字で規定すればそれに見える。

文字と絵の関係性という意味ではマグリットを思い出しました(例えばパイプを描いて、その下にフランス語で「これはパイプではない」と書いた彼の作品がある)。

話は戻ってピカソ。『ポスターのある風景』でもあらゆる図形の中に「それ」と示す文字がいくつか見られます。絵に隠されたものを探すのも楽しみ方の1つかもしれませんね。

 

 

そして終盤で観た『肘掛け椅子の女』はそれまでの強調された輪郭や色遣いとは打って変わって柔らかい印象を受けました。グレーベースにシンプルな輪郭線。白が肌の明るさを思わせ、どことなく優美あるいは上品さを感じさせてくれる。ピカソがああいう絵を描いていたことに少し驚いたとさえ言えるかも。

 

 

全体的に展覧会はピカソOnlyでボリュームもあったように思います。

ハルカスの美術館は初めて入りましたが、ベンチ等腰かけるスペースが割とあって助かりました。休み休み観て1時間少々かな。

 

*

さて、物販コーナーでの収穫です。


 


図録、今回見送るか悩んでいたのですがピカソ本人Ver.の表紙のものがあって買っちゃいました…!
いわゆるジャケ買い。
モノクロで、写真集かと思うくらいオシャレです。
あとは『ポスターのある風景』のクリアファイル。
裏の「PICASSO」の文字がカラフルポップでかわいい。
いつものポストカードは扇子と入口にあった本人の写真を。


 

ピカソが青の時代とバラ色の時代を過ごしてきたのは今の自分とほぼ同じ年齢の時。
何だか特別なものを感じました。
何か分かったようで何も分かってないんじゃないかという気もしますが…(^^;)
若き日の彼の作品をこのタイミングで観られたこと、よかったなと思います。


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