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奇想の世界へ〜ダリ展〜


話題:美術館・博物館



Title:奇想の世界へ〜ダリ展〜


こんばんは、Mariです。


夏の美術紀行、待ってましたダリ展。
ということで今月から市の美術館で開催されているダリ展に行ってきました。


「奇想全開。」っていうポスターのキャッチコピー、結構好きです。


彼はスペインの画家ですが、戦争の関係もありアメリカへ移っています。
意外だったのはそこで舞台関係の仕事も手掛けていた、ということ。
舞台美術のデザイン、衣裳のデザインをした時の作品も多く展示されていました。
衣装に至ってはあのシャネルと共に仕事したこともあるのだとか。


宝石や金を用いた装飾細工も何点か展示されていましたね。
他にも某有名彫刻作品を引き出しにした作品もありました。
蛇足ですが先述した舞台関連の仕事、ダリがミュシャみたいに広告、ポスターの絵も描けば面白かっただろうなーと思ってしまいました。


デッサンをはじめ、絵画以外の作品もあって見ごたえある展覧会でした。
展示数は全部で130ほど。
今回はおよそどの展示室にも腰かけ椅子が設置してあったので休み休みゆっくり見ることができました。


私がダリの凄いと思うところは、デジタルアート顔負けの色使いと描かれたオブジェクトたちの緻密な配置。
コンピュータを用いなくてもああいった作品を描ける力がもう凄いと思います。
ダリは原子物理学などにも深い関心を抱いていたようで、キャンパスに広がる世界には理系の方もため息が出てしまいそうなほどに計算されているのかと思うと…文系の私には言葉も出ません。


もちろん、独特の発想力にも興味は尽きません。


私は彼の作品の中でも『バラの頭の女』とか、女性の身体の一部を花で表現しているものが好きです。
今回展示されているものでも『奇妙なものたち』という作品が気に入ってポストカードを買いました。


その他購入品は時計関連の商品ですね。
ポストカードとキーホルダーを。
今回は図録をパスしたので代わりにキーホルダーを買った感じです。
物販にも力を入れているのかキーホルダーだけでカラバリも4色ありましたね。
プリントTシャツ、眼鏡クロス、ペン…種類も豊富な上に単価が高めな気が。
トートバッグが確か4000円。オブジェ?は1万円越え。な、何やて…(゜□゜;)


雨降る午前、開館してすぐに入ったのですがそれでも人の入りはそこそこでした。
11時頃出る時にはチケットカウンターに軽く列ができ始めていたので、夏休みは結構混みそうですね。
早めに行けてよかったです。

「ピカソ、天才の秘密」展


話題:美術館・博物館



Title:「ピカソ、天才の秘密」展


こんばんは、Mariです。
今日は24日にあべのハルカスで開催中の「ピカソ、天才の秘密」展に行ってきた感想を。

*

上の画像は入口にあったものです。

23歳のピカソのパネルがお出迎え。

イケメンですね(そこなのか)

内容はピカソの青年期の作品を中心とした約90点の作品展示です。


まず驚いたのはそのデッサン力の高さですね。
冒頭、少年期の作品の1つである『男性頭部石膏像のデッサン』が印象的でした。
14歳が描いたとは思えません…!
あとは『ベートーベンのデスマスク』。質感以上に表情。苦しみ、憂鬱、解放、あらゆる解釈を観る者に与える力があるように思いました。

それとは対照的に「ビフォー」と「アフター」は可愛らしい印象を受けましたね。

クスッと笑みがこぼれそうでした。

 

ピカソ自身が「感傷以外の何物でもなかった」と話したとされる「青の時代」。

文字通り青を基調とした絵が多く描かれた時期です。

ただその青が秘めているのは悲哀、時代や人々に纏うある種の暗闇を「現実のもの」として鮮烈に映し出す力。ブルーベースの肖像画に描かれる人物の眼の色は決して明るくはないのに、こちらの目を奪うような力強さがあるように感じました。

 

 

青と聞くと冷たいイメージがあるかもしれませんが、絵の中身の温度が下がるわけではないと思うのです。

『スープ』に描かれた湯気や一見無表情に思える少女の軽やかで嬉しそうな身体の描き方。そこには紛れもない人間味がある。また、『サバスティア・ジュニェンの肖像』も面白い。モナ・リザのようとまでは言わないけれど、顔の右半分と左半分で分けて見た時、その印象が異なる。(観る側から)左半分、瞳は黒く濁り眉の角度も鋭くどこか厳しさを感じさせる。しかし右半分、瞳は黒に光を1点映したような白を宿している。眉も緩やかなカーブを描き、優しい紳士を思わせる温かみを感じました。

 

 

「バラ色の時代」に入り、明るい色彩も取り入れられるようになってきます。

また表情以上に描かれる人物のポーズがどれも印象的でした。

 

キュビズム時代もいくらか展示されていましたが、どうにもタイトルや解説といった文字情報を無意識に求めてしまいますね。

「これは一体なにを表しているのだろうか―――?」と考える楽しみもあります。

しかし女体ならその曲線を、物質ならそれを示す何らかの要素や文字がヒントとなり、どこか現実離れした世界もかろうじて自分の常識の世界=現実のものとして見られるのかなと思います。

描かれたものに対し「これは○○だ」と文字で規定すればそれに見える。

文字と絵の関係性という意味ではマグリットを思い出しました(例えばパイプを描いて、その下にフランス語で「これはパイプではない」と書いた彼の作品がある)。

話は戻ってピカソ。『ポスターのある風景』でもあらゆる図形の中に「それ」と示す文字がいくつか見られます。絵に隠されたものを探すのも楽しみ方の1つかもしれませんね。

 

 

そして終盤で観た『肘掛け椅子の女』はそれまでの強調された輪郭や色遣いとは打って変わって柔らかい印象を受けました。グレーベースにシンプルな輪郭線。白が肌の明るさを思わせ、どことなく優美あるいは上品さを感じさせてくれる。ピカソがああいう絵を描いていたことに少し驚いたとさえ言えるかも。

 

 

全体的に展覧会はピカソOnlyでボリュームもあったように思います。

ハルカスの美術館は初めて入りましたが、ベンチ等腰かけるスペースが割とあって助かりました。休み休み観て1時間少々かな。

 

*

さて、物販コーナーでの収穫です。


 


図録、今回見送るか悩んでいたのですがピカソ本人Ver.の表紙のものがあって買っちゃいました…!
いわゆるジャケ買い。
モノクロで、写真集かと思うくらいオシャレです。
あとは『ポスターのある風景』のクリアファイル。
裏の「PICASSO」の文字がカラフルポップでかわいい。
いつものポストカードは扇子と入口にあった本人の写真を。


 

ピカソが青の時代とバラ色の時代を過ごしてきたのは今の自分とほぼ同じ年齢の時。
何だか特別なものを感じました。
何か分かったようで何も分かってないんじゃないかという気もしますが…(^^;)
若き日の彼の作品をこのタイミングで観られたこと、よかったなと思います。


ミュシャと世紀末の幻想



話題:美術館・博物館


Title:「ミュシャと世紀末の幻想の幻想」


こんばんは、Mariです。
今日は大阪、堺市立文化館にて開催されている企画展「ミュシャと世紀末の幻想」に行ってきました。


アルフォンス・ミュシャ。
好きな画家の一人。
神秘的で見るものを惹きつける女性の姿と額縁のように美しい装飾が調和した世界。
一度見てみたいと思っていました。


ミュシャに関しては綺麗な絵を描く人、という程度の認識だったのですが、今回の展覧会で彼の新たな面を見て一層好きになったような気がします。
そして、広告(ポスター)に対しての意識が変わりました。
とても興味深かったです。
人もそんなにいなくてゆっくり見ることができました。


19世紀末、パリの街中に溢れ始めたポスター。
デパートの宣伝だったり、芝居の宣伝だったり。
しかしその一つ一つの作品は、視覚的な魅力は勿論だが、そこから見る者の想像力を掻き立ててくれる力を充分備えていたのだと思えてくる。


例えばミュシャの『来たる年:カレンダーのデザイン』に少し手を加えられたマリアーニ・ワインの宣伝ポスター。
優美な女性が両手に持つのは本来零れんばかりの花を乗せたおぼんだが、ここではワイン瓶に換えられている。


商品のキャッチフレーズは「マリアーニ・ワインを飲むとミイラも蘇り、歩き出す」。


どんなワインか、と興味がそそられませんか。
死者も蘇っちゃうようなワイン、お酒好きなら味に関係なく手が出ちゃいそうですね。
絵も素敵だけれど、その文学的な宣伝文句に遊び心を感じました。ロマンといってもいいかもしれない。
ここでふと、行きしなの電車内で見ていたいくつか広告物を思い出した。
…ああ、なんと無粋なのだろう。
良し悪しの問題ではないんですけれどね。


そして今回展示されていなかったけれど、物販に売っていた煙草の広告に一目ぼれしました。


『巻煙草用紙〈ジョブ〉のポスター(小)』。
描かれているのは、「JOB」というロゴを背景に美味しそうに煙草を吸う女性の姿。
恍惚を浮かべるその表情は、もはや言葉を必要としていない。

祇園歩いて往く先は



話題:展覧会



Title:祇園歩いて往く先は


気持ちはまだ8月31日、Mariです。
あれ、もう9が…え、もう9が(強制終了)


さて、8月最終日は祇園の方へ行ってきました。
お目当てはこの夏行われていた「フェルメール光の王国展」と「舞妓物語展」。
何と会場は祇園甲部歌舞練場とちょっと特殊な感じ。
入口付近は↑の写真参照。


早速中へ。
まずはフェルメールの方から。
リ・クリエイト作品の展覧会なので言ってしまえばレプリカ展覧会、と思っていたのですが…
現在確認されている作品全37点揃い踏みというのはやっぱりテンションが上がりますね!
最初の展示部屋に入った時、並んで展示されている作品たちを見て心の中で「うわあああああ!」と歓喜の声が上がりました。
絵のサイズは原寸大なので、本当に作品が一堂に会するのならこんな感じなのかなあと。
あるフェルメールファンが作品(グッズ)をコレクションしてギャラリーを作っているのを前にテレビで見たことあるのですが、その気持ちもわかるような気がしました。
私も近いうちに自室に作るかもしれない(笑)

作品自体も技術によるものなのか、色が鮮やかで、細部までしっかり鑑賞できました。
会場内は撮影OKだったので何枚かパシャリ。



静かで大人しい雰囲気の多い作品たちは和室の空間に意外にも合っていたように思います。
BGMとして会場に流れる久石さんの曲がまた落ち着く。
会場まで来るときに通ってきた賑わいを忘れて楽しんでいました。


勿論有名なあの作品も。
私も今日は真珠の耳飾りをつけて彼女とお揃い気分でした(*´▽`*)


奥の展示室に入るとお客さん用の自由ノートが置いてありました。
パラパラめくると色んな人が真珠の耳飾りの少女のイラストを描いていたり。
みなさん上手ですねびっくりしました。
見ていたら何だか楽しくなってきちゃって、私もちょっぴり感想を書かせていただきました。
同じ作品を見て楽しんだり心を落ち着けたり、そういう気持ちを共有できるのってのもいいものですね。


今まで実際何作品かフェルメール見てきたけれど全部を見るのは難しいし、過去来日していたのを見逃してしまったのもあったから、今回の展覧会はとても良い機会でした。
また秋冬には水差しも京都に来るらしいので今から楽しみです♪


そして後半戦は舞妓物語展。
舞妓・芸妓さんたちのお仕事風景を写した写真やパネル展示、道具の展示が主でした。
そして、舞妓さんと写真を撮っていただける企画もありまして、せっかくなので私も撮っていただきました。
初めて、至近距離で舞妓さんを見たのですが、本当に美しかった。
話し方も柔らかで、ドキドキした…!
こ、これが本物の舞妓はん…!(落ち着け)
ゆったりとした上品な雰囲気と丁寧な言葉づかいが素敵で。その微笑みはどちらかと言えば綺麗と言うより愛らしい、という印象でした。


雨で足元は良くありませんでしたが、出かけて良かった。
夏の終わりに、良い思い出ができました。
more...!

ホイッスラーとダンディズム


話題:美術館・博物館



Title:ホイッスラーとダンディズム


絵を見るのが好き、Mariです。
好きな画家はフェルメール、ルノワール、モネとか。
最近気になっているのはミュシャ。TVの影響。


さて、2、3日前の話になりますが、京都国立近代美術館にて開催されているホイッスラー展に行ってきました(`・ω・´)


19世紀後半、モネやマネといった印象派と同時期に活躍した画家ですね。
PRに用いられている絵を見て興味が沸きました。


感想は月並みですが「楽しかった」です。


『音楽が音の詩であるように、絵画は視覚の詩である』


と冒頭の説明文にありまして。
ホイッスラーの言葉。
絵を見る前に言葉も印象に残る人でしたね。


さて、青色やら黄色やら灰色やら。
彼の作品のタイトルには色彩の名がよく含まれています。
それらの作品を見ていて、ホイッスラー自身が各色それぞれでの表現を楽しむというか、追求しているような、そんな印象を受けました。


回顧展というだけあり彼の生涯を通して作品を見ていくわけですが、色んな土地を巡り、様々な人物や文化に影響を受けた彼の絵は時に同一人物が描いたのかと思うくらい雰囲気が異なっていて驚きましたね。
荒くはっきりとしたタッチから印象派を彷彿とさせる柔らかで微妙な色遣い。


ブルターニュの海岸とバルパライソを見比べた時の率直な感想が


「5年でここまで変わる!?」


でした。



ちなみにエッチング集ではテムズ・セットが個人的には1番好みでした。
『ライムハウス』かっこよかったなー。
それとは違うけれどテムズ・セットの作品の1つがチケットホルダーになっていたので買っちゃいました(画像右下、左端のモノクロのやつです)。


そしてジャポニスムの章では白のシンフォニーとノクターンシリーズ。
ノクターンということで頭の中ではショパンの第二番が流れていました。


静かな雰囲気で、全体のトーンも薄暗く決して派手な作品ではないけれど、点々と灯る街明かりであったり花火の光であったり…見入ってしまったのはどうしてだろう。
言ってしまえば日常のありふれた光景なのにね。
綺麗だと、思うからなのかな。
闇に浮かぶ光だとか、花火のように瞬間的な美しさをもつものを。
まあ、例の批評家との裁判のエピソードに関してはノーコメントで←


白のシンフォニーシリーズはそうですね、No.2ですね。
ホワイト・ガール。
印象に残ったのは鏡に写る寂しげな表情だとか指輪とか真珠のイヤリングとか端に描かれた花だとかそういった部分ですね。何といいますか、女性らしさを感じました。


物販店の方ではやたらとダンディズムが推されていました(笑)
髭のデザインは確かに個性的ですもんね。
雑貨屋さんなどで見かける方も多いのではないでしょうか。
私は美術館に行くとよくポストカードとクリアファイルを買います。
ちなみに画像右下が買ったものたちです。
ホイッスラー自身のクリアファイル、実は結構気に入っています(・∀・)♪


鑑賞後はカフェでティータイム。
この日はワッフルとアールグレイの紅茶を頂きました。
甘いはちみつをかけた香ばしいワッフル、秋風の中頂く紅茶。
とてもおいしかったです!
たまにはこんなちょっとした贅沢もいいなあ、なんて。
気持ちもほっこりしました(*´▽`*)


お向かいのジャポニズム展はまた日を改めて行こうと計画中です…!





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