梅雨が来てるんですが、霧もすごい。
昨日「友」バトンをした後に、「雨」バトンを見つけました。
ってことでバトン二つ。
涙の雨
リクエストにお答えして「雨」で、小説を書く方向けお題。
といいつつ詩でも絵でも漫画でも、続く言葉を考えるだけでも。
タイトルにしても作品内に文章を使っても可。お好きなように。
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・雨の中で迷子
小さい頃の記憶。
しとしと降る雨。
泣いている私。
周りの物がとてつもなく大きく見えて。
怖くて怖くて仕方なかった。
大丈夫、大丈夫。
突然右手が温かくなり。
水色のドームに包まれ。
お家に帰ろうか。
あの時私の手を引いてくれたお兄さんは、誰だったのだろう。
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・梅雨が終われば
「夏だな」
「夏だね」
蝉の大合唱。
扇風機が送る温い風。
「カルピス飲む?」
「ううん。いい。…これ、ありがと」
「貰って良かったのに」
黒字に白の水玉の傘。
あの子の手から俺に渡る。
「貰えないよ。だって私、」
「転校するから」
一瞬、蝉の声が消えた。
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・ずぶ濡れで立っていた雨男
「あれあれあ〜の子〜はず〜ぶぬ〜れだ〜」
「うっさい」
「何で雨男なのに、傘を持ってないのよ?」
「………」
「…多分もう来ないよ」
「………」
「………」
「…傘」
「傘?」
「俺が持つよ」
(あの子が来ないことは、実は薄々気づいてた。
彼女が迎えに来てくれること、心のどこかで期待していた。)
(あの子が来なきゃ良いのにと、頭の片隅で願ってた。
傘が一つしかない理由、どうかどうか気づかないで)
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・雨に向かいて月を恋う
静かに、止む気配なく降る雨。
窓ガラス越しにため息一つ。
「雨、嫌いなの?」
「…いや」
「傘を忘れたとか?」
「まぁ、それもあるけど…」
『月が綺麗ですね』
言いたいときに限って、雨が降るなんて。
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・涙の雨
泣いてるの?
泣いてません。
頬が濡れてるよ。
これは雨です。
なら、泣いてるじゃないか。
誰が?
神様が。
桜は満開の時、月は満月だけを楽しむものでしょうか。雨もいいものですね。
ご意見ご感想などありましたらどうぞ。
→気づいたらギャグなし。
雨はシリアスにする力があるのか。
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君の交友関係
リクエストにお答えして友情…というか「友」で小説を書く方向けお題。
といいつつ詩でも絵でも漫画でも、続く言葉を考えるだけでも。
タイトルにしても作品内に文章を使っても可。お好きなように。
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・君の交友関係
「あ、笹本さん。久しぶり」
と、見知らぬ青年。
「あら、笹本くん!これ持ってきなさいよ」
と、コロッケを渡す肉屋のおばちゃん。
「あ、笹やん。チィーッス」
と、茶髪にミニスカのJK軍団。
「あぁ、笹本君。先日は有難う。君のお陰で無事解決したよ」
と、中折れ帽にトレンチコート(今の時期に?)を着た中年のおっさん。
「!〜〜!!」
と、急に笹本くんに抱きついてきた着ぐるみ。
「ここの商店街歩くと、3時間はかかるんだよね」
と、笹本くん。
道を歩けば友にあたる。
君の交友関係どうなってんの?
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・男女間の友情
「男女間の友情は成り立つと思いますか」
「そもそも成り立たないと考えてることが俺には解らん」
「……あぁ、君ホモだもんね」
「ホモじゃねーよ!…ほら、俺らの友情だって成り立ってるだろ?」
「いやいや。私が全裸で寝ていたら、さすがに君も狼になるだろうよ」
「ならねーよ。むしろ通報するよ。怖いよ」
「……あぁ、君ホモだもんね」
「だから違ぇよ!」
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・良い友達?
「××ちゃん。あんな友達と付き合うのはやめなさい」
そんなテンプレ、まさか友達の親から聞くとは思わなかった。
それでも彼女は私達と友達でいてくれたし、勉強も私達のグループの中では一番できたから、リーダーのような存在だった。
私は彼女の幼なじみでもあったから、彼女と一番親しいのは自分だと思っていた。
「なんであの子と一緒にいるかって?私が一番になれるからに決まってるじゃない」
私と彼女の間には、透明で分厚い壁がそびえ立っていた。
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※君の交友関係の続き。
・気付いたら友達扱いされていた
「♪〜」
何故私はこんなことになっているのだろうか。
日の当たるテラス。
私の目の前には温かいコーヒー。
そして向かいには鼻歌を歌っている着ぐるみ。
ピンクのウサギの着ぐるみ。
「♪〜…?」
『どうしたの?僕の顔に何かついてる?』
荒ぶる文字でそう問うウサギ。今日の着ぐるみはスケッチブックを持参していた。
「いや…私笹本くんと待ち合わせしてるんですけど」
『あ、やっぱり。だと思った』
「なんであなたがここにいるんですか?」
『君がいたから』
そう書いたスケッチブックを持って小首を傾げるウサギ。
「え…そんな面識ないですよね?」
『一度会ったら友達でしょ?』
なんだこのウサギ。
『ねぇねぇ。笹本とはどういう知り合い?』
結局笹本くんが来るまでの間、私とウサギの会話は続いたのだった。
(ウサギ、名前なんていうの?)
(『ウサギだよ』)
(嘘つけ!)
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・軽薄な人を友とするべからず
あの人は、とても酷い人です。
いつも、私を冷めた目で見ているんです。
私を見下しているんです。
容姿も、学歴も、家柄も。
私があの人に敵わないと知っていて、あえてそれを意識させる。
一つでも自分より上だと、あの手この手で潰そうとするんです。
もちろん、自分で手を下したりはしません。いつもその役回りは私達です。
あの人は、とても酷い人なんです。
……このくらいでいいですか?
ちゃんと給料払ってくださいね。
あの子も馬鹿な子。妬まれない生き方と、妬まない友人を見つけるべきだったわね。
色々な友情の形、有難うございました。
ああ軽薄な人と親しくすべきでないというが、まさにその通りでありましょう。
ご意見ご感想などありましたらどうぞ。
→ありがとうございました!
面白かったです^^
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ウサギさんは実は太陽の下に出られない病気、という設定を書きながら思い付きました。