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魔法がとけても

終わらない物語。


お題バトン〜童話〜


お題バトン


小説、詩、絵などなんでもOKなバトン


*****

1,シンデレラ ゲーム

「シンデレラって、よく考えたらおかしな話よね。シンデレラに辿り着く前に同じ靴のサイズの子なんていっぱいいたでしょうに」

私がそう呟けば、「面白いことを言うね」と彼は優しく笑った。

「もしかしたら、虐められていたシンデレラが偽物で、本物のシンデレラは良いとこのお嬢様だったのかも」
「12時前に帰ったのは門限があるからで、金持ちだからガラスの靴一足落としたくらいじゃ動じない、って訳か」

私の思い付きにもっともらしい解釈を与える彼。

「王子様も僕みたいに、ちゃんと顔を確認したらよかったのにね」

そうね、と返して私はこの話題を出したことを少しだけ後悔した。

私はいつまでシンデレラを演じ続けられるかしら。


*****

2,しらんぷりの赤ずきん

昔々あるところに、赤ずきんちゃん…もとい、赤ずきん『さん』がおりました。

「あんたねぇ…、こんなところでゴロゴロしてるくらいなら、お祖母ちゃん家でお手伝いしてきなさいよ」
「え〜、やだよ。お祖母ちゃん病気治ってから、やたらパワフルなんだもん」

小さい頃の可愛らしさはどこへやら、赤ずきんさんは立派なニートに育ちました。
平日でも家でぐうたらしている赤ずきんを見かねて、お母さんは赤ずきんを家から追い出しました。

「えっ、ちょ待ってよ! 開けてってば!」

赤ずきんがいくら扉を叩いても、扉は固く閉ざされたまま開きません。
仕方がないので、赤ずきんはお祖母ちゃん家に向かうことにしました。
もちろん徒歩です。
お金がないためタクシーを使えず、かといってヒッチハイクをする勇気もない赤ずきんは、自分を次々と追い越していく車を恨めしげに見つめながら、整備された道をトボトボ歩いていきました。

「おっじょおさ〜ん」
「………」
「ねぇ、そこのお嬢さん」
「………」
「ねぇってば」
「………」
「聞けよコラ赤ずきん」
「え? あたし?」

赤ずきんが振り向くと、お腹にでっかい傷痕を持った狼がイライラした顔で立っていました。

「………」
「………」

数秒見つめあったあと、赤ずきんは前に向き直り何事もなかったかのように歩を進めました。

「テメェ無視かよ!」
「誰かと思ったら狼さんじゃないですか。まだ生きてたんですか?」
「何とか生きてるけどよ。最近はここを歩く人も少ねぇし、腹ペコで死にそうなんだよ」

狼は赤ずきんのあとを追いながら、情けない声でそう言いました。

「だからさ、赤ずきんちょっと花摘んでいかねぇか?」
「残念だけど、今のお祖母ちゃんになら返り討ちにされるよ」

舌なめずりをする狼を一瞥し赤ずきんがそう言うと、狼はがっくりと肩を落としました。

「くっそ…いっそのことお前を食っちまうか」
「やめてよ。初体験は人間って決めてるんだから」
「そういう意味じゃねぇよ! てかなんだその決意」

狼はため息をつき、歩を緩めました。それに気づいた赤ずきんは立ち止まり、狼の方を見ました。
改めて見ると、昔よりも大分狼が痩せていることに赤ずきんは気付きました。

「……あのさ、お祖母ちゃんのミートパイってめちゃくちゃ旨いのよ」
「なんだそれ自慢か?」
「いや、ミートパイなら狼さんも食べられるかなと思って…私が食べられるのヤだし。お祖母ちゃんに頼んでみる」

そう言って赤ずきんは前に向き直りました。後ろから「ありがとう」と聞こえた気がしましたが、赤ずきんは振り向きませんでした。
4本の足音が背後から近付き、それは赤ずきんの隣に来ると速さを揃えましたが、赤ずきんはお祖母ちゃん家に着くまで、そちらを向くことはありませんでした。


「お祖母ちゃ〜ん」
「あら赤ずきん久しぶ……狼ぃぃ!!!」パァン
「あ」


*****

3,眠り姫が見る夢は

唇に柔らかい感触がして目が覚めた。

「おはようございます」

目の前には凛々しい瞳をした王子が、こちらをじっと見ていた。
私はというと、額にびっしょりとかいた汗で髪が顔に張りついていないかが心配で、まともに王子の顔が見れない。

「やっと……会えた」
「…すみません」

感慨深げに私の手を握ろうとしてきた王子の手を払いのけ、私は洗面所へと向かった。
勢いよく捻った蛇口から透明な水が流れ出す。
顔を洗いながら、長年使っていないことが嘘のようだ、と頭の片隅で思った。
掛けてあるタオルを使う気にはなれず、不作法と知りながら袖で顔を拭う。

「ひっ!」

顔をあげ鏡を見ると、私の後ろに王子が立っていた。

「酷いじゃないですか。手を払いのけるなんて」

王子は私の肩に手をかけると、無理矢理振り向かせる。
鏡越しではなく、直接見つめた王子の目は暗く澱んでいた。

「ねぇ、貴女を助けたのは僕なんですよ?」

肩に置かれていた手が私の首に移動する。

「…貴女は眠っている方がキレイだ」
「やっ…くるっし…」

必死にもがいても、両の手はじわじわと私の首を絞めていく。
薄れていく意識の中で、王子が優しく笑ったような気がした。


唇に柔らかい感触がして目が覚めた。

「おはようございます」

目の前には凛々しい瞳をした王子が、こちらをじっと見ていた。


*****

4,かえるの王子様
5,魔女は人魚姫に恋をして





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もう眠いので、あとの二つは後で書きます。
てか、かえるのやつ途中まで書いたのに消えやがった。

赤ずきんの最後のパァンは銃声です。でも一応狼さんは死んでません。


おやすみなさい。

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