みなさま、ごきげんやう。(基本的には)毎月11日には震災関連の記事をあげている小さなオバサンです。
今日は同級生のT君の話にしませう。
T君はちゃんと生き残ってます。同窓会で会いました
T君は高校のクラスメイトです。もしかして3年間一緒か?
T君はいつも成績上の中を行く、まずまずイケメンの頭のいい面白い威勢のいい男の子でした。
マジメというより、先生を調子に乗らせるのが上手くて授業をうまい具合に進行させない、頭の悪いオバサン(いえ、その時は女の子)は随分彼に助けられたものです。
T君はオバサンが笑うと知ってて、わざと物真似を何回もしたり(笑)
ただ何となく嫌な所があって案の定、地元の嫌なヤツばかりが行く大学に進学しました
(偏差値50なのに何故かエリート気取り)
22歳の時かな?初めての同窓会で御多分に漏れず
「(ロリコン趣味の為に)教員になる!毎日○○だ!」みたいなことを言って、案の定バカな学生を輩出したな、サイテーと思っていました。
(結局、彼は親のツテで地元企業に就職。すっかり落ち着いたリーマンとなった)
そして震災。
同窓会に集まったのは7人。勿論、子育て世代であるから。
他の男の子が「Tは警察官になるんだよ!!」と発表。あと半年で警察学校を出て交番勤務になるんだとか。
あの時のT君なら「イェーイ!」って警察官になることをふざけまくっただろう。
T君がうつむいてマジメな神妙な顔つきを見て、私たちはT君にこの数年で何が起きたか分かった。
だから、誰も「何故30過ぎて警察学校に入ったか」とは尋ねなかった。
鍛えて一回り大きくなった身体。新婚。安定したリーマンを抜けて、年半分の子たちと一から鍛え、学ぶ。
T君の隣にいるのは、T君より頭のいい国立大を出た警察エリート。彼はT君をからかうどころか、二人にしか分からない苦労を小さな声で分かち合っていたっけ。
T君を守っているようにも見えた。
二人は同級生でも、組織の中では大きな階級差がある。
同級生っていいな。
オバサン、そう思った。
実は地元民でも、ご近所さんでも、同僚でも
【自分が経験した震災は語っていない】
のが真実。
隠している訳ではないのだけど、話す機会もないし「こんなに大変だった」など、とても話せないのだ。
みんな同じ、もしくはもっとヒドいから。
先日、長年働いている職場の先輩たちがオバサンの質問によって「あの時は〜」とようやく、当時を話し知った位である。
胸に留めているのは戦争体験者と少し通じるかもしれない。
語りたくても語れない。語っても仕方ない。そんな閉塞感。
今、T君は寒空の下、白い息を吐きながら、あくせく我々県民の為に汗を流してくれている。
T君を心から尊敬し、同級生として誇らしく思う。