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私の弟の大樹と由樹は、私に似て綺麗な容姿をしている。
あぁ、勘違いしないで欲しい。
私がナルシストとか、そう言った自意識の高い人間というわけではない。
読者モデル、と言うものを他薦でやっている私の双子の弟の大樹は私に瓜二つとよく言われる。
一方の由樹は、元ダンサーのお父さんに似てスタイル抜群で小顔と定評だ。
そんな二人の弟を見てニヤニヤするのが最近の私の楽しみなのである。
今日も、なんとも低レベルなことで言い争っている。
微笑ましい。
「たいくーん。今日部活疲れたぁ。」
「だから?」
「一緒に風呂入ろう!」
「死ね」
たいくん。それは返事になっていないよ。
そう思いながら見ていると、めげないゆきちゃんは部活で汗だらけの体でたいくんに抱き付いた。なんと、強引な。
「ほらっ。たいくんも汗びったびた。一緒に入ろう。」
「ぁあ!マジうぜぇ!てめぇ!」
「はははは。」
流石ゆきちゃん。我が母をしつこいアプローチで落した父に一番似ていると言われるだけあって、方法がウザイ。
「いいじゃない。一緒に入ったら。」
私がゆきちゃんに助け船を出すと、思いっ切りたいくんに睨まれた。余計なことを言うなとはっきりと聞こえるよ、流石双子。
「嫌だ!色々減るんだよ…!」
「イイ機会だから、その生意気さを減らしてこれば?」
そう言う私も、人のことは言えない。
でも、言っちゃった★
そうして、にやりと笑えば、露骨に嫌がる目の前の男。
楽しいねぇと見守っていると、とうとうたいくんはゆきちゃんに担がれて奥に消えていった。その間、すごく怒鳴られたけど知らないふり。
悪口言う子は助けないのよ、私。
そう思いながらにやにやと頬を緩ませながら手を振って送り出す。私は、もう入浴したから、たぶん二人は遅くなるけど問題ない。
あ、忘れてましたけど、私は二人が好き合っているのを知っている。
付き合っていると称していいかは分かんないけど、恋愛対象として二人とも互いを思ってるみたい。
たいくんは隠してるみたいだけど、私には分かるんだよ。
双子ですから。
………おしまい………
落ちなし山なし、
特になし←