廃色九龍亭

怖がってたら､何も出来ないよ?

だから､一歩だけ旅に出てみた

後悔と挫折が牙を剥くだろう
投げ出したくなって嫌になるだろう


でもさ､ささやかな一歩くらいなら

ここで怖がってたら誰も大好きだったﾓﾉを好きと言えないじゃないか

9人から今は2人
1人は此処だけに目を向ける訳じゃない

誰でもない､自分を切り取らないと……

無くなっちゃうよ?

また『大好き』で大切なﾓﾉが

痛いね､怖いね

でも

無事に帰ってきた人に「お帰り」って言いたいんだよ

待ってるだけじゃ無くてさ
祈ってるだけじゃ無くてさ

誰も見てなくていいよ
誰も好きと言わなくていいよ

ただひっそりと

此処から
旅先から

待ってるよ

何時でも良いから
もう逢えなくても良いから

楽しかった事を
幸せだった事を

自分はせめて無くしたくない

3人の青年の道筋
2人の大人の筋道
1つの例外の効果


刃交える侍
乱舞する銃士
変革成す数学者


近付いて離れて交差して

進む線


軸を穿つ犯罪者
舞台を建てる跳躍者

固めては壊れて直す

閉ざす円


目醒めない数値の羅列

壊しては創り傍観する

差し出す選択




誰が被害者で誰が加害者で
何が正義で何れが悪で


白衣の怒りと絶望は救済の希望

安定の平和は歪な箱庭


入り交じり混濁し波打つ世界を

何処まで形に出来るだろうか?