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たった一言、聴かせて欲しい我儘



「変じゃ無いかなぁ?」

「…大丈夫…似合って居るわ…」

「本当!?ありがと〜!じゃあ、アタシ行くね」



ーーーーーーーーーーーー







「じゃ〜ん!!どうどう!?」


嬉々として個室に入って来た夕華が、制服のスカートを揺らして、くるりと1回転をしてみせる。
その明るい茶髪に見慣れないヘアピンが1つ、蛍光灯の光で輝いた。


「…あぁ、似合うな…可愛い…」


対面する机越しの椅子に座っていた鏡人が、読み掛けの本を下ろして感想を告げる。
普段から表情が変わらないと良く言われているが、言外に伝わるモノも有るし、基本的に嘘の無い発言をする。


「ありがと〜」


従って、夕華は満面の笑みを浮かべて喜び、そのまま視線を横にずらした。


「で、イッチーはどう?」


鏡人の横に置かれた椅子に座りながら、携帯を操作する漣に感想を問う。
声を掛けられた漣は、橙色の瞳で夕華を一瞥して一言。


「別に?普段と変わらなくねぇ?」


瞬間、夕華の笑顔が音を立てる様に固まった。


「……別に?」

「あぁ、普段通りじゃん」


既に視線を携帯に戻している漣、そこはかとなくただならぬ雰囲気を帯び始める空気に、鏡人はさりげなく手にしていた本で、顔の半分を覆い隠した。



「本当にいつもと変わらないの!?」

「煩ぇなぁ、変わんねぇって言ってるだろ?」


怪訝そうに顔を上げた漣は、夕華の表情を見てたじろぐ。
そこに有った数分前のご機嫌な笑顔とは違う、引き吊った笑顔が不穏な空気を醸し出して居たからだ。


「な、何怒ってんだ?お前」

「別に!?怒ってなんか無いよ?」

「嘘吐け!明らかに声が怒気含んでんぞ!!」



あぁ、始まったな。と言いたそうな雰囲気を密かに放つ鏡人を余所に、2人の会話は険悪さを増して行く。



「どうもこうも、イッチーの目が節穴なだけだし!?」

「誰が節穴だ、ドチビ!」

「そんなのバカズバイッチーに決まってんじゃん!!」

「はぁ?お前何だ、喧嘩売ってんのかよ!?」


ぎゃいぎゃい、わぁわぁ。
夕華が来る前の静けさが嘘の様に喧騒が室内に響き渡る。


「もう良いよ!バカズバなんて知らないんだから!!」


来た時よりも盛大かつ、荒々しくドアが開閉音を立てた。
一頻り口論をした結果、夕華が凄い剣幕を浮かべて立ち去って行ったのだ。


「……何なんだよ、あのチビ!」


ガタン、と乱暴に椅子に座る漣に静観を決め込んでいた鏡人の視線が刺さる。


「何だよ?」


腹立たしさが残る口調で漣が睨み付ける。
その様子を横目で伺っている鏡人の視線は、対照的に冷やかさを含んでいた。


「…今のは、漣…お前に非が有ると思うぞ…?」

「お前はあっちの味方かよ」

「…敵味方の話では無いだろう?…それに、本当に気が付かなかった訳でも無い…違うか?」

「……」


仏頂面で不貞腐れる漣に、いよいよ鏡人は溜息を漏らした。


「………はぁ………」


それも、とびきり呆れた様相で。


「何だよ、別に間違って無ぇじゃんよ?ちょっとピン付いただけで、変わらない訳だし」

「……漣………気付いているなら、変化ぐらい指摘しろ…」

「わざわざ褒めちぎれってのか!?」

「…違う……もう少し配慮をすべきだな…」

「俺はフェミニストでも無いんだから、誰彼構わず歯の浮く事は言わ無ぇって!」

「…言わ無いと言うより、言えない気がするな…」

「だ〜!そんなんどっちだって良いっての」

「……とにかく…もっと女性の扱いには慣れろ…子供か?」

「お前も喧嘩売ってんのか?」

「…夕華も女子だ、失念してやるべきじゃ無い…」

「ロリは対象外だっての」

「…年齢的にはそこに当て嵌まらないだろう?」

「……っだぁぁぁ!!何なんだよ!そんなに悪い事言ったか俺!?」

「………自分で考えろ…」


再び開閉音の響いた後、頭を抱える漣の姿が部屋に残されていた。








ーーーーーーーーーーーー




「あ」

「お」




悶々とした様相の漣の前には、絶賛悩みの種と化した女子生徒の姿。
互いに気が付いた瞬間に、気まずい表情を浮かべ合う。


足早に横をすり抜け様とする小さな影。


「ちょっと待て」


おもむろに掴まれた細い手首に、夕華は驚きを隠さず漣を見上げる。
そのまま手を引かれ、廊下を進む。


「ねぇ」


返事は無い。


「痛いよ、放してよ」


また無視かと思われた言葉は、手首の解放という形で返された。
手首を擦りながら見渡せば、生徒の人影の少ない廊下に連れられて来たらしい。



「何?」


怪訝そうな声で漣の背中を見ても、反応はイマイチで、最悪な想像が頭をよぎりだす。


いつも耳を塞ぐ白いヘッドホンも今は首に掛かったまま静寂を流すし、とにかく妙な沈黙が辺りを包んでいる。



「………その……何つうか、悪かったな」



不意に沈黙を破ったのは、予想外の謝罪。
相変わらず背を向けているから、表情は見えないが、どうやら先程とは一転して消沈した様子が窺えた。



「ヘアピン、気ぃ効いた事言えなくて。俺、そういうの得意じゃ無ぇし……」



右手で後頭部を掻きながら、ぼそぼそと言葉が紡がれる。
夕華は黙って話を聞いて居る。否定も肯定も無いまま、続きを促す。


「その、アレだ!まぁ……思う程変じゃ無ぇ…って言うか、そうじゃ無ぇな」


「ねぇ、イッチー。何が言いたいの?」

「うっ!!いや、だから、な?」

「言わないと分かんないよ、アタシ馬鹿だもん」

「そこ、馬鹿は関係無いだろ」


呆れ顔で振り向く、一瞬を逃さない。


「だから、ちゃんと言ってよ。漣」


微笑み。数瞬遅れ再びて背けられる視線。


「……お前、解ってやってんだろ?」

「何が〜?」

「…チッ…」

「イッチー、早く続き言わないと休み時間終わっちゃうよ〜?」


「……1回しか言わねぇからな」

「オッケー!」


溜息、の様な深呼吸。


「……似合ってた……」

「可愛かった〜?」

「別に!?」

「えへへ、ありがとう!」


苛立たしそうに睨む目線と対照的な赤。
この日一番の笑顔が眩く弾ける。



「さ、早く戻ろう?」


今度は夕華が漣の手を掴んで進み出す。
軽快な足取りで、多少強引に。


「ちょ、手ぇ放せ!ドチビ!!」

「や〜だ。ほらほら急がないと!」

「お前、後で泣かしてやる!!」

「そうしたらアッキーに言ってやるも〜ん」

「告げ口とか卑怯だろうが!?」

「へっへ〜ん!アッキーはアタシの味方だも〜ん!」

「お前本っ当に良い性格してんな!!」



再び訪れた喧騒は、それでもどこか楽しげに廊下を反響して遠くなって行った。


誰より明るい彼女の髪には、小さな小さなおまじないが、窓からの光を受けて輝いていた。












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逃げるが勝ち?んな事は無い

「はい!これあげる〜♪」



ゆうかりんですw飴デカイwww

どう見ても幼女に見えなくないJKですな
おばか遺伝子持ってる、と言うより勉強するなら爆砕轟沈させる派なんです(苦笑)

一応、エッヂワース氏に基本的な事(読み書きとか)は学びましたが、どっこい彼も全うな教育を受けて無かったってオチw
(受けてたらあんな似非外人になってないwww)

底抜けに根明って言う、管理人と真逆性格が災いしてあんまり掘り下げれて無いけど、きっと彼女は気にしない…筈←

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世界が変わる音を聞く


「…あの…これからも、宜しく…ね…?」



髪型は色々違うけど鳴ちゃんですwww

あ〜…また一つ年越ししましたが、気にしない←

どうせ中身は餓鬼臭い年寄りですからね(あっはっは)




今年はどうなるかな?

変わるかな?変わらないかな?

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調子が悪いと気分に関わる


書いてた記事が消えましたorz

携帯の重さ(not質量)が気になりますが、何かしたっけ?


まぁ、いいか…大した事書いてないし…(ぇ)


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博士だけど博士とか自称するオッサン



「箱を開けるのが、果たして幸福なのかな?」


鷆王院さんです、判子に困りそうな名字ですよね←

多分50過ぎたオッサンです
しかし、ダンディでも無いし、ぶっちゃけお荷物要員な一般人(酷)

リベリオンのリーダーにして大犯罪者の博士

罪状?
1日にして大量の人間を殺害し、災厄のトリガーを引いた人…ってだけで充分極悪人ですよwww


まさか本人より先にクロード(ミミイ)が出るとは思わなかったけどね!!←









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