2012-2-29 18:58
温い布団に縮こまり、ほっと一息夢を見る。
黒い意識の底の底。心地よさだけ感じていた。
まどろむ気色に足先が、紛れた冷気を感じ出す。
溺れるものは久しからず、ただ夢にすがりついた。
しかし、すぐ
いつもと違う気配を感じた。
その名に覚えがありすぎて、浮き立つ気持ちが夢見を切った。
静けさ満ちる部屋の寒さも嬉しくて、寝ぼけ眼で携帯を開いた。
遠くに住まう君に、この煌めきをどう言おう。
この美しさを、君とみたい。
発信音のすぐ後に、「外をご覧」と聞こえた声はとても優しい。
先を越された悔しさと余るばかりの嬉しさに、眼下の色は輝きを増した。