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第二百三十話

あたしは無理を言って三成さんがいる離れに入れてもらった。
中は少し薄暗かったけど、布団に横たわる三成さんがそこにいるのがわかる。


「……」

ああ三成さんだ…
…ほっとしたのも束の間、三成さんを覆う穢れに顔をしかめた。
凄まじい勢いで体力が奪われてる。
高熱を出した時みたいに息も荒い…


「すぐ助けるから…!」


本当は…正の気をお札に使ってしまってほとんど残っていない。
でも大丈夫。
…三成さんを想えばあたし、いくらでも強くなれる気がするの。


「浄化くらい、わけないっ…!」


あたし、少しは成長できたかな。
誰かを助けられるくらい、強くなれたのかな。
自分じゃわからないけど、いつも弱い自分が嫌でたまらなかったけど…
以前のあたしは今のあたしを見て、少しは褒めてくれるかな。



「…は……」


体中の力が抜けてしまいそう…
でもこれで、三成さんを蝕んでいた穢れも完全になくなったはず。


「よかった…」

顔色も戻ってる。
呼吸も徐々に落ち着いてきてるし…


「……三成さん…」


ここにいるのは間違いなく三成さんだけど…
やっぱり違う。
…あたしが好きになった三成さんは、この人じゃないんだ…

「…あ、あれ…?」


やだな…こんな時に涙が出るなんて…
また心が揺らいじゃう。
…こんなに近くにいるのに、なんて遠いんだろう…


「三成、さん…」


ねえ三成さん。
いつものように名前を呼んで。
いつものように手を引いて。
ダメな所はちゃんと叱って。
嬉しかったら一緒に笑って。


…ねえ、三成さん……
こんなにもあたし、あなたが恋しいよ…
















**********


一度はもう逢えないと覚悟したけれど、姿を見てしまうとその決意も揺らぐ。
たとえそれが自分の知る彼じゃなくても。






女体化でショートショート

女体化とか完全に俺得でしかないけどね\(^O^)/
しかも若干えろ気味かもしれない運転。






『台詞二つでショートショート』なお題バトンH



小説(ショートショート)用の、ちょっと特殊なお題バトンです。

文中のどこでも構わないので

「ごめんね、悪気や悪意は無かったんだよ?」

「ついでに遠慮も容赦もな。」

を入れてショートショートを創作して下さい。ジャンルは問いません。口調等の細部は変えても構いません。





・銀魂
草食系坂本くん×肉食系高杉ちゃん♀
・だけど坂本くん出ない←
・学パロ
・基本スタンスが不健全
・高杉ちゃん総受け
・突発ゆえの意味不明具合








閉め切られた部屋は少しばかり湿気を帯び、張りつく髪を煩わしそうに避けた。
意地悪く口元を歪めて笑う目の前の男に思わず悪態を吐きそうになる。
だがそれすらも愉悦と言わんばかりに銀時は悪びれもなく舌を出した。


「ごめんなー、悪気や悪意は無かったんだぜ?これーっぽっちも」

「は…、ついでに遠慮も容赦もな…」


白々しいんだよこの絶倫が、と舌打ちせずにはいられない。
高杉はぐったりとソファーに横たわり、銀時を睨みつけるだけで動く様子はなかった。


「最近お前ってばずーっと坂本坂本じゃん?ちょっとご無沙汰じゃね?そー思ったら歯止め効かねーの。いや〜俺も若いねー」

「…ガキかよ。大した先生様だなこの変態教師」

「お前が言うなら褒め言葉として聞いてやんよ?今日の銀さんは寛容だかんなー、これでも」

「…!ばッ…銀時!てめ、まだヤる気じゃねェだろうな!殺す気か!」

「いいねェ。やっぱ高杉はこーじゃねーと。まだまだ足りてないんじゃねーの?何度でもイかせてやるよ。殺す気で…な」

「……正気かよ」


もはや顔をひきつらせることしかできない高杉に、銀時は笑った…が。

…こいつ目が笑ってねェ。

底知れぬ恐怖に、背から腹から込み上げる悪寒。
くく、と半ば諦めにも近い笑みとため息を零し、高杉は先手必勝とばかりに銀時の唇に噛みついた。






















**********


…よくわかりません←
とりあえず私の中で銀さんは変態固定ってことです勝手に。
お粗末様でした(土下座)








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第二百二十九話

心臓が…大きく脈打ってる…
…でも、ダメだよ。
だってこの時空の三成さんは、あたしのことを知らない。

それに元の時空でも、三成さんはあたしと初対面だった。
ならあたしは、ここでは三成に逢っていないことになってる…



「三成が戻ったか」

「戦果は僕らの耳にも届いているよ。三成君はどうしたんだい?珍しいね、いつもは一番に姿を見せてくれるはずだけれど…」

「そ、それが…」


半兵衛さんが問うと、使いであろうその人は少し言いにくそうに口ごもった。


「帰路の途中、我ら石田軍は怨霊の群れに遭遇したのでございます…!」

「!」

「怨霊だと…?」

「なんということだ…」


そんな…!
で、でもさっき帰還したって…


「被害の程は?甚大なのかい?」

「…いえ、我ら雑兵は無傷です」

「どういうことだ」

「三成様がお一人で怨霊に立ち向かい奮戦され我らをお守りくださったのです…!」

「……!」


…あたしには、その状況がありありと浮かんだ。そう、三成さんならきっとこう言ったはず…!


『秀吉様の軍に傷をつけることはこの私が許さない!』


三成さん…!


「三成さんは!?無事なの!?」

「千里…?」


半兵衛さん達が驚いてるけど、今は気にしてる場合じゃない…!
封印もできないのに、一人で怨霊と戦うなんて無茶だよ…!


「一度は退けたものの、怨霊の発する禍々しい念にお倒れになり…!離れにて臥せっておられます。くれぐれもお二人を近づけぬようにと…」

「穢れに当てられたか…!」

「まさか三成君が…」

「………」


…あたしの中で、答えなんてすでに出てる。
過去で逢っていないからとか、そんなことはもう関係ない。

だって…ここで三成さんを助けられずに、あたしは一体誰を助けることができるっていうの…!?
















**********


まさかの事態\(^O^)/






第二百二十八話

「ふむ…時をさかのぼって来たというのなら、お前の言動にもいささか納得がいく」

「え、あたしの言動ってそんなに変でした…?」

「…というよりは不思議だったね。最初に僕の名を呼んだ時に引っかかってはいたんだ」


あ、あんな前から!?
よくつまみ出されなかったな…



「千里、ここも終わったよ。最後は西の門だね」

「あ、はい!じゃあ行きましょう」



あたしは秀吉さんと半兵衛さんに協力してもらって、大阪城全体を正の気で覆うことにした。
そうすればここを発端とした負の気は激減するし、日の本に蔓延する穢れを少しでも減らせば…何かが変わるかもしれない。

秀吉さんは徳の高いお寺からお札を取り寄せてくれて、あたしがそれにありったけの正の気を込める。
そのお札を、大阪城を囲むように四方向の壁と天守閣に設置。



「ふう〜…」


さすがにこれは疲れる…!
八葉のみんなもいないしあまり余裕はないけど、そうも言っていられないもんね…


「…千里、あまり無理をしてはいけないよ。白龍の神子と言えど、君の八葉は今側にいないんだから」

「えっ……」

ど、どうして…?


「君の読んでいた書がえらく片寄っていたからね。そこから推測できる答えは一つさ」

「な、なるほど…」

「君の八葉になる人間がうらやましい限りだよ」

「うーん…迷惑ばっかりかけてましたけど…」



…あ……ダメだ…
みんなどうしてるのかななんて…もう考えちゃダメなのに…
戻れなくてもいいって、思ってたはずなのになぁ…


「…千里…」

「あ、あはは…大丈夫ですよ」


…決意を揺らがせちゃダメだ。
そう言い聞かせるように、首を振った…その時。



「秀吉様!半兵衛様!遠征に出ていた石田軍が帰還いたしました!」

「…!」



…これがあたしの運命だというのなら、この胸で疼く想いはどうして…まだあの人ばかりを追い続けているの…?


















**********


きたきたきたきた←

三人でコツコツと穢れ防止対策(笑)





第二百二十七話

思い立ったがなんとやら。
この世界に来て…あまり成長することはなくても、あたしは少しだけ前に進むことを覚えたらしい。


…お城の様子を見ても、これから秀吉さんと半兵衛さんが穢れに当てられるまでの時間はそう長くないはず。
なら、こっちだってできうる限りの下準備をしなきゃ。

簡単に穢れが蔓延しないように、お城を中心として正の気を張り巡らせる。
映画なんかでよく言うところの、結界みたいなイメージ。

負の気をできるだけ抑えて、天海さんが直接接触してきたらそれを止める…
もしそれが可能なら、大阪城を中心に発せられる大量の負の気も削減できるはず…!


「…よし……!」

「答えは出たか」

「!」

「半兵衛が気にかけておったぞ。何かしら己の中で道が決まったのであれば話してやるがいい。奴も喜んで手を貸すであろう。無論、我もな」

「秀吉さん…!」


秀吉さんはゆっくりとその場に腰を下ろして、小さく微笑んだ。


「お前が来てから城も心なしか明るい。ゆえにお前が悲しむことは我らの本意ではない。違うか?半兵衛」

「えっ?」

「…まったく、君には敵わないよ。秀吉」

「半兵衛さん!」


少し恥ずかしそうに現れた半兵衛さん。
心配かけちゃったみたいだ…

…大丈夫。
あたしにできること…もう迷わない。


「あのっ!」


…滅多なことは言えない。
まして、あたしの知る二人はすでに…死んでいるなんて。


「秀吉さんと半兵衛さんに少し、協力してほしいことがあるんです」


何もしないうちに時が過ぎることだけは、絶対あっちゃいけない。
秀吉さんと半兵衛さんもそうだよ。
大切な人を、護るって決めたんだから…!











**********


これが彼女なりの成長。
少しでもその片鱗が見えたらいいな。

…さ、そろそろ過去編飽きてきたぞ←






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