負けた…!とアレルヤは本気でベッドに突っ伏した。ジャンケンで勝った二人がポッキーゲームをすることになったのでとにかくティエリアとしたかったのに、…負けたのだ。
今現在、ジャンケンに負けたティエリアは刹那と向き合っている。これはやばい、とアレルヤは思って、「ほらくわえろ」とポッキーを楽しそうに差し出し終えたロックオンを捕まえた。

「ロックオン、まずいですよ!」

こそこそと話しかけるが、ロックオンはイマイチ分かっていないようで、首を傾げている。

「?なんでだ。可愛いじゃねぇか、あの二人があんな真剣に…」

「だから、真剣すぎるんですよ!」

ほら!と刹那とティエリアを指差す。いつの間にか物凄く短くなってしまったポッキーを見て、ロックオンが固まっている。

「あの頑固で負けず嫌いな二人がポッキーゲームなんてしたらキスしちゃうまでやめないですよ!?」

「……あ、」

今気付いた、というようにロックオンが青ざめる。全然動き出さないロックオンを放って、アレルヤは睨み合っている(なぜこんなにポッキーゲームで険悪な雰囲気が漂うのか謎だ)二人に近付く。お互い一歩もひかないので、距離は近くなるばかりだ。真剣な二人には悪いけど、と背後からティエリアの肩を掴んで引き寄せる。ぱき、と音をたててポッキーが折れた。
突然のことで真っ赤な瞳を大きく見開いているティエリアを可哀想だと思いながらも、アレルヤはそのままティエリアに口付ける。ティエリアの細い顎を持ち上げて、上を向かせながら残っていたポッキーを奪った。「ん、ぅ、」と苦しそうな息が漏れる。とろりと瞳の赤色が溶けてきたが、しかし他にも人間がいるのだと思い出したのか、そのまま腕の中から逃げ出されてしまった。でも、ほんのりと色付いた頬が可愛かったので良しとする。

「馬鹿か!何をするんだ…っ、」

ポッキーが折れてしまったではないか!そんな間違った怒り方をするティエリアが可愛くて、笑ってしまう。ロックオンと刹那も何やら同じようなことを言いあっているようだ。
しかし、次の瞬間にはまたも窮地に立たされた。

「笑っている場合ではない!次はお前とロックオンがする番だろう。負けるのは許さないからな!!」

「え………」

「俺の代わりに絶対に勝て!負けたりしたら一週間抱きつくのも禁止だ!」

「えぇ〜〜!!?」
ティエリアは抱き心地良くて疲れた心を癒すためにも必須なのに!とぐるんぐるんしつつ、アレルヤは負けてくれるようロックオンに頼むためロックオンに向き直ったが、しかし先を越された。

「頼むアレルヤ!負けてくれ!俺が負けたらキス禁止だとかせっちゃん言うんだぜ!?酷いだろっ」

だから頼む、とロックオンに言われながら、背後からティエリアにポッキーを握らせられる。その瞳が負けるなんて許さないと語っているが、このままではロックオンとキスするはめになってしまう。
助けてハレルヤ、と懸命にハレルヤを呼ぶが、しかし彼が出てくる気配は全くなかった。





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しょーもない話ですみません…っ!
一つベッドの上でもにゃもにゃするマイスタが激しく可愛いと思うのだけれど、最後が可哀想すぎる^^^^