話題:今日見た夢



電車に乗った私は海岸にある駅で降りた。
ホームからは青空と、青の濃い海、白い砂浜がよく見えた。

砂浜へ行くと小さな船が砂に埋まっているのを見付けた。
漁船だろうか。所々にフジツボが貼り付き、白い船体に赤錆の筋を作ったそれは漁で使う道具が甲板に絡み付いている。
何故こんな所にあるのだろうと考えていると、近くに居た人が津波で流されて波が引いた時に埋まったようだよと教えてくれた。
何処か寂しげなその人は海の方へ指をさし、あっちで船の供養をしているから行ってみなさいと云うので、その通りにした。

天気が良いにも関わらず誰も居ない砂浜を踏みしめながら先へ行くと、波打ち際に沢山の船が置かれていた。
疎らに居る人達が手を合わせているそれらは腐敗するほど錆び付いていたり、事故にでもあったのか船体を大きく損傷させていたり、原型を留めていなかったりしている。

其処からやや離れた場所に一抱えほどある珊瑚の塊が幾つか置いてあった。
全体的に色とりどりのそれは綺麗だったが、よく見れば金属のような部分も混ざっている。
これも船の残骸らしく、他の船と同様にこれに向かって手を合わせている人が居た。

かつて人を乗せて海を行き来していたそれを思い、塊の一つの前に立つと私も手を合わせる。

青い空、青い海、白い砂浜。
爽やかな景色に並ぶ死した船の群れは、不気味で寂しげだった。