話題:映画

シュール掌編週間『ケンちゃんと私』の途中ではありますが、ちょっとした気分転換を兼ねて日記的記事を軽く一つお届けしようと思います。

タイトルは勿論、「ギザキザのピラミッドの子守唄」でデビューする筈だったいう噂など全くないチェッカーズの曲からパクりました。という事で…


昨夜の話。

久しぶりにレンタルビデオ屋(実際はレンタルブルーレイ屋だが)に寄って帰ろうと思った私は家にその旨をメールで伝えた。と言っても“家という建造物”に対してではなく“家にいる家族”に向けて送信したという意味だ。

私「これからレンタル屋寄って帰るけど、何かリクエストがあればメールして下さい♪」

すると数分後、家にいる父親から返信メールが届いた。以下、私と父親とのメールのやり取りをダイジェスト版で。因みに基本的に実話です。

父「では、頼みます。借りてきて下さい」

私「…ですから、何を?」

父「店に入って真ん中の通路の裏の棚にあるヤツ」

私「そこ、何百枚もディスク並んでるけど、もしかして、その棚一列を全部借りろという事ですか?」

父「まさか!いや、前にそこで面白そうな映画見つけたような気がするんだよね。それを借りてきて欲しいんだけど…」

私「スミマセン、もうちょっと具体的にお願いします」

父「えっとね…外国のアクションというかサスペンスというか…そんな感じのヤツ。判るかな?」

私「…判りません。タイトル教えて下さい」

父「覚えてない」

………。

私「それは無理。シャーロック・ホームズでも探し出せないと思います。何か他にもうちょっと判りやすい感じのヤツがあれば…」

父「…ああ、そしたらね…入ってすぐ右側の《新作の棚》に置いてあるヤツで(面白そうだな)と思ったのがあるんだけど、それでいいや」

私「スミマセン、もうちょっと具体的にお願いします。新作の棚にもたくさん並んでるので」

父「何か外国のアクションっぽいヤツ」

私「…タイトル判ります?」

父「判らない」

これは幾ら何でもアバウト過ぎるだろう!

とは言え、《新作》ならば範囲もかなり限られるので探せない事もない。ただし、もう少し手掛かりが欲しい。

私「もう少しヒントを下さい」

父「考えるのでちょっと待って下さい」

私「了解」

そして数分後、メールが返ってきた。

父「確か一番上の列に置いてあったと思う………3ヶ月ぐらい前には」

………

さ、3ヶ月前ですか!?(゜〇゜;)

私「…それ、もう《新作の棚》には置いてないと思うんだけど…」

父「…判った。じゃ、何でもいいから“私が好きそうなヤツ”お願いします」

…う〜む。それはそれでまたアバウトなリクエストだが…

私「判りました。何とかリクエストにお応えしましょう」

メール終了。

よっぽど、逆に、父親が“絶対に観なさそうな作品”―例えば、―を借りてウケを狙おうかとも考えた私だったが、ウケなかった場合が切な過ぎるので、素直に【笑う警官】という北海道警の実話を下敷きにした社会派サスペンスの作品を借りる事にした。

家に着いたところでメールの着信音が鳴った。父親からだった。

父親「ついでに、アイスチョコモナカを買って来て下さい」

そして私は、玄関を目前にしながら、再びのリクエストにお応えするべくコンビニへと今来た道を引き返したのだった…。


〜終わり〜。