料理の名前について(窓の外には神田川料理道場)。


話題:料理、グルメ全般

『ひとくちカツ』


大々的に“ひとくち”と謳っている割には、いざ一口で食べようと思うと、これがどうしてなかなか難しいのです。ふたくちカツや、みくちカツと訂正すべきでしょう。



『山賊ふうパスタ』。


あくまでもイメージですが、山賊って、あんな風に綺麗に器に盛りつけて食べないと思うのです。そもそも、山賊がパスタを食べている姿が想像出来ません、ましてやフォークを使うなど。



『大学イモ』


何やかんやで色々な大学に顔を出したけれども、ただの一度も大学の構内で大学イモが売られているのを見た事がありません。



『サラダバー&ドリンクバー』


バーなのにバーテンがいないのが悲しいのです。タメ息に頬づえをつく寂しげな人物もこのバーには登場しません。それどころか、食べる気マンマン飲む気マンマンの人ばかりで、バーであるにも関わらず哀愁が全く感じられないのが残念です。



『冷やし中華&中華丼』


はっきり云ってネーミングが大雑把すぎるような気がします。冷静に考えると名前だけではどんな料理なのかまるで判りません。幸い私達には経験や予備知識があるので冷やし中華を違和感なく受け入れていますが、もしも“冷やしアメリカ”や“バチカン丼”と言われたら、どんな料理なのか殆どイメージ出来ないでしょう。逆に“レバニラ炒め”や“イカの丸焼き”“豚の丸焼き”“丸ごとチョコバナナ”などは非常に判りやすい料理だと思います。



『ステーキ』

昨今はビーフステーキを“ステーキ”と呼ぶ事がスマートだとされているようですが、これだけでは何(の肉)を焼いたのかが全くもって不明のままです。今からでも遅くありませんので、ここは一つ、昔のように“ビフテキ”と呼ぶように法律で定めて欲しいものです。発音する時の鼻息の荒さが違ってきます。



『ガードハローつぶ塩』


料理の塩気が足りない時に、ガードハローつぶ塩をソースとして掛けると、味が整うだけでなく、食べながら歯を磨く事が出来る。

…と、思う方は是非とも試してみて下さい。



『きりたんぽ』


きりたんぽを銀行に持って行っても残念ながら融資を受ける事はほぼ不可能です。“たんぽ”なのに担保にはならないのです。同様に、湯たんぽを持って行っても、余程名のある名匠の作でない限りはやはり融資を受ける事は難しいでしょう。



『ピビンパ』


何と云いますか…

面倒くさいのでもうビビンバでいいと思う。




『大豆(遺伝子組み換えでない)』。


一度で良いので、“大豆(遺伝子組み換えである)”の表記を見てみたい気がしないでもありません。勿論、買う買わないは別として。



『ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンド キャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソー スランバチップチョコレートクリームフラペチーノ』


あまりにも長過ぎて注文する意欲が失せてしまいます。

面倒くさいので、もう“ビビンバ”でいいと思う。



〜満腹(終わり)〜。




朝寝坊だよ人生は。


話題:突発的文章・物語・詩

目覚めてすぐモーレツに嫌な予感に襲われた。慌てて文字盤に目をやると、案の上、針は午前8時を指している。しまった!完全な寝坊だ!

思わず俺は頭を抱え込んだ。今日は朝から非常に大切な用事が入っている。それは重々承知していた筈なのに…。今朝は絶対に寝坊出来ないぞ。そう何度も自分に言い聞かせた。なのに、やらかしてしまった!もはや遅刻は免れ得ない。参った…。

目覚ましの予約タイマーはしっかりと午前6時にセットされている。一度鳴った後に止めた形跡はない。という事は、つまり、目覚まし時計は鳴らなかった。こんな時に限って…全く何て事だ。

しかし、いつまでもこうして途方に暮れている訳にもいかない。俺は気を取り直して身支度を整え、全身を思い切り震わせた。

ジリリリリーン♪

プラスチック盤の向こうにいる男が慌てて飛び起きる。

すまない。今日は大切な用事があるのに遅刻させてしまって…。

こんな朝に寝坊するなんて、俺は本当に…

目覚まし時計失格だ。


〜おしまい〜。


―プチ後記―


前に一度、目覚ましが鳴った後、もう少し寝ようと思って、仰向けに寝たまま枕元の目覚まし時計を手に取り、タイマーをセットし直そうとして手を滑らせ、そのまま顔面に目覚まし時計を落とし、驚きとおでこの痛さで完全に目が覚めてしまった事がありました。

決して二度寝を許さない、そんはストイックな目覚まし時計のお話でした。(/▽\)♪



ポンプ式の古井戸に思ふ。


話題:すきな風景


【ポンプ式の古井戸】。

文字として書き起こしても味わい深いものを感じさせる言葉のように思う。

都会では日に日にその姿を消しつつある空き地や農地、そこにポンプ式の古井戸を見つけると何故かほっとしたような気持ち包まれてしまう。

時代から置き去りにされたかのようにポツンと佇むポンプ式の古井戸は、その多くがもう使われておらず、錆びて朽ちるのをただ黙って待ち続けている。


思うに、古井戸に限らず“古”という頭文字がつく言葉には魅力的なものが多いような気がする。

例えば、

数多(あまた)の時を刻み続けてきた【古時計】。

今なお耳に残る、毎度お馴染みチリ紙交換の【古新聞古雑誌】。

ハードボイルドな哀愁を漂わせる【古傷】。

胡散臭さもまた魅力の【古美術商】。

一筋縄ではいかない老獪さを持つ【古狸】。

監督として球審の元へ向かい「代打、オレ!」と告げ、今度は選手としてバッターボックスへ入った【古田敦也・監督兼選手】。


最後は明らかにニュアンスが異なるとしても、

やはり私は古いものが好きなのだろう…。

都会の片隅に取り残されたポンプ式の古井戸を眺めながら、改めてそんな事を思った。


以上…


【古畑任三郎】でした。


五月の手紙。


話題:詩


その手紙は、そこ儚となく五月の薫りがした。

古い上水道を見下ろす散歩道を歩く私の前に突然ぽとりと空から落ちてきた一通の手紙だ。

その手紙に宛名はなく、差出人の名も記されてはいなかった。




ありがとう。
私は元気です。




それは僅か二行ばかりの静かな手紙だった。

この手紙を誰が書いたのか、そして誰に出したかったのか、私はそれを知らない。

しかし

そうか。元気ならば良かった。

不思議とそんな風に思えた。

幾つかの顔が浮かび、そして消えた。

やがて手紙は、再びの風に運ばれ、五月の空に吸い込まれるように消えていった。


あの手紙はまた、気まぐれな風により、五月をゆく誰かの元へと送り届けられるのだろう。

その誰かが、もしも貴方であるならば、私はやはりあの二行を五月の風に乗せたいと思う。




ありがとう。
私は元気です。




風薫る五月の空を、タンポポの綿毛のように旅をする一通の手紙が運ぶ宛先のない小さな物語。



――プチ後記――



詩に変なオチをつけようとする、もう一人の私がいる。

ここは我慢我慢。



世にも不思議なことわざ図鑑@「泣きっ面にハチ…」。


話題:文字や言葉


『泣きっ面にハチ兵衛』


悲しくて泣いている横で、うっかり八兵衛が、こちらを慰めようともせず、ひたすら幸福そうな顔で次から次へと料理を平らげてゆく様子を見せられると云う、馬鹿馬鹿しく過ぎて泣きたいのに泣くに泣けない状態を表す。

ここから発展すると

馬鹿馬鹿しさのあまり自然に泣き止んだところで、八兵衛の顔が突如、劇画調へと変化し、

「そう、それでいい。やまない雨がないように、とまらぬ涙もまたないのだ」

と、森山周一郎氏のような重低音ヴォイスで云ってくる事があるらしい。



――おまけ――


『泣きっ面にハチソン効果』


流した涙に含まれる電解質が大気中のプラズマと反応して生じた特殊な電磁波=スカラー電磁波が、涙を全て流し尽くして空っぽになった心=ゼロ地点に作用した結果、体の周囲に反重力エネルギーフィールドが形成され、そこで生まれた効果=ハチソン効果により、意図せず空中浮揚をしてしまう様子を表す。


〜おしまい〜。

(注)図鑑と云いながら、当然の如く“図”はありません。何故ならこれは…そう…世にも不思議なことわざ図鑑なのですから。




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