最近、メディアワークス文庫というものが新しく創刊されました。
そこで、2月に出た新刊『プシュケの涙』を読んでみました。
本屋で見つけて即買いしちゃったのです。表紙があまりに綺麗だったのと、あらすじが面白そうだったのと、評価が高かったのと、理由はたくさんあります。
そして、これは、読んで正解だった…!!
実はこれ、ラノベなんですが、それを全く感じさせないのは、作者の方の力量(えらそう…)なんですかね…!普通にハードカバーとかで出版しても話題になりそうなんですが…
内容は
とっても良かったです。
文章も小難しくなく、でも陳腐ぢゃなく、登場人物の感情がよく伝わってくる好きな文章でした。ちょっとラノベを軽く見ていたので反省させられました(笑)
そして、この構成。
前半と後半に別れている意味。
これは実際に読んで確かめて下さい。本当に秀逸です。
前半はミステリ感覚で話が進み、たくさんの小さなどんでん返しがあって、楽しく読めました。楽しくというか、わくわくというか。
主人公の"榎戸川"と、そんな彼に執拗に絡み付く変人"由来"。それは、ある夏休み、一人の同級生の少女が飛び降り自殺をしたことから始まった。とにかく、由来の変人っぷりが発揮させられていて、始めの方読者は主人公の榎戸川君に感情移入してしまいそうなんですが………
これは一度読んで"真相"を確かめ欲しいものです……。
あまりにも残酷な悲劇の物語です。
後半は、由来が、なぜあんなに主人公にしつこく絡んでいたのが、よく解るお話になってます。
吉田彼方とのとっても爽やかで、純な恋愛物語でした。
切ない。
ただただ切ない。
そして、この前半、後半の構成の威力が凄まじい。
読後は余計に少女の死が悔やまれました…。
この記事は大事なネタバレは極力避けた形の感想文?なので、意味不明な箇所が多いと思います。
ですから、何度も言うようですが(笑)一度読んで、この残酷で美しい物語の真相に迫ってみて下さい。
何を読もうか…、と悩んでいるそこのあなた(笑)、『プシュケの涙』をオススメしておきます。
メディアワークス文庫、またいろいろと読みあさりたくなってきた……!!!
2010-3-5 12:40
ネットが繋がらないので人生の50%近くを楽しめてないサイカナツハラですこんばんは。
イジメなんかねこれは…?
今日はECC&図書館&ゼミ。
死んだorz
でもゼミ仲間大好きだからいいんだけどね
でも、英語のプロになりつつある気がしてきた←んなわけないwwww
変態長野まゆみの『よろず春夏冬(あきない)中』読破〜\(^O^)/\(^O^)/
なんかさ、最初の方は超とっつきにくくてイライラしたんだけど、中盤から最高でした\(^O^)/
短編集なんで、最初の方の話が全部苦手だったらしい(笑)
で、後半の話は結構好きだったらしい(笑)
さすが変態様…!!!←←
登場人物♂がみんな男好きでした/(^O^)\頭パーン
そんな当たり前なことはおいておいて、とにかく
「花のもとにて」
「空耳」
が良かったです(;_;)(;_;)いい…
吹いたのが、「空耳」で、相手の男の子が、好きな男の子(主人公)の耳の姿焼きを作ったといふ場面wwwww
もちろん主人公ドン引きwwwwww
この耳で自分のあはんうふんな言葉を毎晩聴かせるんだとwwwwww
腹筋崩壊したwwwwww
なにこの
ど
変態wwwww
さすが長野まゆみさん。
クオリティ高すぎます。
2010-2-27 19:09
夏目漱石の文章に惚れて、読むのを決めましたが
やっぱり、そんな簡単な理由のみで読む本ではなかった。
綺麗で、読みやすく、想像力をかきたてられ、胸を抉られるように感情移入してしまう細かい文章。
本編は
私と先生の話
私と私の両親との話
先生の遺書
の三部構成です。
それが、またドラマティック。
最後の先生の遺書が『こころ』の本編と言えるような気がしますが、本当に切なく、辛かったです。先生とKの気持ちに胸が抉られる想いでした。どちらにも、なんだか物凄く共感を抱いてしまった。
私に対する先生が嘘偽りなく全てを話し、人間の善悪とは、人生とは何ぞやということを語る部分は本当に考えさせられました。まるで読者が、「私」の立場にったように、頭と心で考えさせられる。
先生が遺書の書き出しに記した
「私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴びせようとしているのです。私の鼓動が停まった時、あなたの胸に新しい命が宿る事が出来るなら満足です。」
という一文が忘れられません。
『こころ』の最初と最後はもうみんなが知っている有名なものでした。
終わり方も非常に良かった。
もちろん、後味はめちゃくちゃ悪いけど、遺書をみ終わった後の私の行動を書かずに終わっている構成にも震えました。
非常に鬱になりましたけども。
でも、一つ疑問。
「私」のあの異常なまでもの先生への執着は、なんだったのかということ。
友情でもない。師弟愛とかでも、最早片付くレベルではないし。
やっぱり恋だったか。
とにかく、凄く良かったです。
読んで良かった。
2010-2-20 02:08
江國香織さんの擬人化?話。
凄く凄く素敵なお話でした。小説というよりは物語。
登場人物は3人のとっても素敵な男性です。
一人は帽子。どこか浮世離れをしています。
二人目はきゅうり。活発で、おっとりとした運動オタクです。
三人目は数字の2。少し神経質ですが、礼儀正しい性格です。
三人はここ、ホテルカクタスというアパートで親友になり、様々な時を過ごします。
その日常は暖かく、そして少し切ない。ツッコミ所も満載で(笑)ときどき笑ってしまいました。
きゅうりと帽子の詩人遊びの話とか、数字の2が眠れない話とかwww
とにかく大好きな一冊になりました。ビジュアルは読んでる最中に完璧に固まりました。
帽子→仏兄ちゃん
きゅうり→ルート
数字の2→菊ちゃん
ぴったりな配役でしたww
2010-2-17 00:39
鬱になる。失恋に嫌な思い出のある人には、この話は相当辛いのではないかと思う。
でも、江國マジック。ドロドロなのに、やっぱり落ちるとこまで落ちない。落下する夕方という題名のように、決して暗くはないけど、明るくもない雰囲気。
始終空気がどんよりしていて、私は寝る前に読んで、酷い悪夢を見ました。
華子は恐ろしく純粋で、奇妙で、我が侭で。でもどことなく危なっかしい子供のような色気があって、周囲の人間を巻き込んでいきます。
華子は本当に好き嫌いが別れるタイプだと思いますが、私は完璧に無理でした。いろんな方のレビューで、「華子の生き方に憧れる」とか、「華子に魅了される人の気持ちがわかる」とか書いてらっしゃいますが、理解できない。
華子には謎が多いからこれが万人の答えではないだろけど、華子は人を愛することも、自分の生き死にの問題にも、甚だ無頓着だ。
それが、淡々と書かれいて、本当に切なかった。主人公・梨果の気持ちが染み込むように響いてくるから余計だった。
上手く感想など書けないけど、とにかく梨果の最後の強さがこの物語を少しはハッピーエンドにしていると思う。
どんよりしていて、冷たくて、陰気で、でもどこか爽やかな物語でした。
2010-2-4 22:36