※更紗ちゃん、もし見てたら追記へどうぞっ。
ぽかぽか陽気。
昼間っから、ポーランドはフローリングに寝転がって鼻唄混じりに読書中。
食べたお昼ご飯の食器を洗い終わった俺はやれやれ…と結っていた髪を基にもどす。
「珍しく本読んでるかと思ったら、雑誌なの。」
「何か悪いー?」
「…いや、悪くはないけど。
でもこんな良い天気なのに部屋の中にいるなんてもったいなくない?」
よいしょっと呟きつつソファに座ればポーが顔をあげて「じじくせっ」とぷすぷす笑う。俺はすかさずそいつのオデコを小突いてやる。あのね、疲労が溜まってるのはお前のせいでもあるんだからね。
チラリと窓に目をやればサラサラとカーテンが揺れて、それは気持良さげに見える。こんな良い天気なのに…なんだかもったいない…!
「ポー、外で運動しようよ。好きだよね?」
「なん。いきなり。」
「部屋ばっかりじゃ身体によくないからっ。」
「…ん〜」
ポーがパタンと雑誌を閉める。 これは、ちょっと良い感じかも。
「何が得意だっけ?」
「ホッケー、バスケ、テニス、まぁ大抵できるし。でもフットボールはちょい苦手。」
「テニス!小さい頃よくダブルスとかしたよね。」
「やったやった!俺らまぢ最強やったしぃー!」
うんうん。
だからさ、スポーツじゃなくたっていいよ。ただゆったり散歩するとかでいいんだよ。
部屋に籠りっきりはダメなんだよ。
そんな気持を込めつつ、俺はニッコリ笑ってポーを見る。
でも、肝心のあいつはまた雑誌に夢中になりだした。しかも、明らかに男性雑誌じゃない辺りもう予想通りというか…なんというか。
「…俺の言ったこと伝わらなかった…?」
「なん?得意なスポーツ答えたし。」
あっ。この靴めちゃ可愛いしっ。また買ってな、今度の土曜なっ。
ピクリと…
微笑んでいる頬がヒキツってくる。
(っのやろう…!!)
「そんなに運動したいん?」
「へ?」
「リト、腕出すしっ。」
「腕…?」
ガックリしている俺の気持も知らずにこいつはどんどん自分勝手に話を続けていくんだから…
ポーランドルールってやつなのか、これも。
わけもわからずに右腕を差し出す。
「腕相撲するしっ。」
ポーの言葉を上手く飲み込めないまま、一瞬静止する俺。
「腕相撲って…」
えーーー!
と、言ってる間に腕をとられて強制的にソファから身体がずり落ちた。ポーと同じフローリングの床に突っ伏す状態になって、そのまま右腕同士を組まされる。
「勝負やしリトっっ。」
「え、ちょ、ポー?」
「れでぃーごーーっ!!」
「まっ」
…て…!!
いう暇も与えられず、いきなりの腕相撲大会っ。
でもやるからには負けられない。俺の適応力は自分で言うのもアレだけど、なかなか凄いんだ。いろいろな苦労があっての賜だと思うけど……。
ポーランドの右手をギュッと掴み全力で左方向へ力を入れる。ポーだって全く同じで、ちょっとすごい形相でこっちを見てくる。
「ま…負けんしーーー…!!!ぬぁ…くっ…」
「ち、力には…ちょっと自信あるんだからね…っ!!」
「ふ、不死鳥をなめんなああ…!!!」
「左利きなめんなよおおおお…!!!」
例え利き腕でない方で勝負をしようと、どうやらポーの力には勝っているようで、やや俺が優勢に。
切羽詰まった中でニヤリ笑ってやる。
もうすぐ決着が着く。こんなの早く終わらせて、とっととポーランドとピクニックデートだコラっ。
「ポーランドルール発動っ!!」
「なっ…」
もうすぐだった、もうすぐ勝利が降ってくるハズだったのに…
ポーランドが俺の右手を両手で包み込む。
「ずっと両腕のターン…!」
両腕VS片腕。
いくら力がポーランドより勝ってる自信があっても、さすがに大の男に両腕は無理だよ、無理。
呆気にとられたせいもあり、力のせいもあり。
俺の右手の裏がアッサリと床に着いた…。
「…勝ったし。」
口に手を当ててによりと笑うポーに、最早反論するのも馬鹿らしい。
「いつもこうなんだから…。」
盛大なため息を一つついて、そのまま床にバタンとうつ伏せになる。いつだってそうだ。ポーランドは、こういう奴なんだ。
「俺が勝ったからさ、今から俺の言うこと聞くんやよ?リト。」
「え?」
いつも聞いてるよ君の命令は…とは言わないでおくことにする。
今はちょっと違う雰囲気だ。ポーの目がキラキラしてる。
「リト、外行くし!」
「ピクニックデート?!」
思わずガバリと起き上がった俺に、ポーがによによと笑う。
「ちゃうちゃう。新しい花壇作るし。んで、ピンクのパンジーとか植えるん。」
ポーランド……
「…それ、」
すっごく良いアイデアじゃない?すごくexiting!
家の周りに敷き詰められた色とりどりの花を想像したら、なんだか途端に居ても立ってもいられなり、二人で出かける支度をする。まずは花の苗を買ってこなくちゃ。
「…ポーランドもたまには、良いこと言うよね。」
「それ褒めとんの?」
今日はぽかぽか陽気。
お花屋さんまでは手を繋いで歩こう。
END
脈絡のない、立波さん達のある一日。
計画のない日は、最後まで何をするのか決まらない。
そんな感じの話でした。
一貫性がない、書きたいシーンを詰め込んだ話にorz
トーリスは左利きだって何かで見たような気がするんですけど、違ったらごめんなさい。でも左利き萌えなんだ、自分←