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優しい人(独伊+立波)


名前だけ借りた小話です
キャラ崩壊につき注意…
携帯からは非常に見にくいです。オススメしません


この季節、田舎町では黄色い稲穂が波のようにサラサラと流るる。季節柄、農道の周りは黄金一色、頭上は雲という名の魚が泳ぐスカイ・ブルーだ。空と言うだけに「sky」。そんな色彩に挟まれた広大な土の上を、学校帰りの二人は仲良く並んで歩いていた。


「今日は本当にありがとう。助かったよ。」


左側を歩くヴェネチアーノがいつものようにのんびりとした調子で、隣のフェリクスに笑いかける。夕方の狭い野道は藁や草の臭いがした。暖かで懐かしい風が舞う。


「俺こそ。それにしても、ルートさん早く還ってこられるといいな。」


フェリクスがサイドで流れる自分の髪をかき分けながら言う。彼の髪は綺麗なブロンドで、まるで人が手を加えたような直毛だった。よって肩まで長く伸ばしていても誰も見苦しいとは思わなかったし、何より本人が自負していた。その仕草にヴェネチアーノは只感心して彼のブロンドを眺めていたが、「ルート」という名前がフェリクスの口から出たので、顔を曇らせた。日は陰りを増す一方だ。


「また、委員会なんだって。」


2000-1-1 00:00

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