昔
人に惚れるなんて
できない自分が
はじめて人に
和らいで
はじめて
身も心も
一つになった日
彼に
俺が、腹上死したら
どうする?
と
聞かれた
今まで
味わったことのない
幸せの瞬間
死を
考えさせられた
逃げも隠れも
しないことが
容易かった
けれど彼には
妻があり
子があり
張り付け拷問
覚悟の上だけれど
お互いの家族のことを
思えば
そうもゆかない
返事に
困った
逃げていいよ
と
君は云った
それが
君の望みなのか
やさしさなのか
なにを意図しての
言葉なのかは
わからない
けれど
その時
気持ちに
ただ
流されて
することでなく
まず
覚悟をもって
すること
だと
教えてくれた
尊い
出来事だった
今考えても
あの場面で
あの問いをする
彼は
ただ者でない
と
思う
とにかく
ただただ
可だった
否を思うことがない
人柄だった
彼には
かけがえのない
ものを
生涯
忘れないだろうものを
もらった
話題:SEX