先週になりますが、人生で初めての宝塚を体験してきました。
演目は「銀河英雄伝説」。田中芳樹原作のスペースオペラ。
原作ファンのため、漫画以外はアニメも舞台もあまり興味がなく今までほとんどスルーしてきたのですが、大阪の友人(ソフバファンとして知り合ったが他の好きなものも被っていた)が「宝塚の銀英伝すごく良かった!見るべき!」とかなりの勢いで推してきたので、「そんなに言うなら…」と東京公演をぽちっとな。
以下、ネタバレ含む感想です。
※宝塚ファンじゃない素人の感想です。
kageki.hankyu.co.jp
まあこのビジュアルったら!さすが宝塚です。
麗しいラインハルト、赤毛のキルヒアイス、穏やかそうなヤン、ポスターでは紅一点のヒルダ。そして、私が目を奪われたのはオーベルシュタイン!ちょっとおおおおなんでそんなイケメンなのおおお!ビジュアル系!落ち着け俺、顔はかっこよくてもオベだ!←別にオーベルシュタインが嫌いなわけではない
(賢者タイム)
二階席のちょうどど真ん中あたりで見たので、見下ろす感じでした。
銀河をイメージした映像がスクリーンと会場を彩っていて、宇宙キターーー!とか思っておりました。
かなりギリギリで入場、着席したので、落ち着くのに時間がかかって最初オーベルシュタインが解説してたなんて後でネットで見て知ったよ…。
おお、ラインハルトだ。マントをたなびかせて、これから銀河の覇者になろうとする野望を秘めた若者。キラッキラな白い軍服に白いマント。宙組の新しいトップお披露目公演なんだそうですね。
最初がアスターテ会戦。いきなり艦隊戦を見せるんだな。スクリーンに艦隊のイメージCGが出てて、舞台上では帝国軍と同盟軍の軍服を着たタカラジェンヌ達が踊る。
予想はしていたが、やっぱり口元がむずむずする。喜劇ならここで大笑いできるのだが、真面目な演出なので声も立てずに脳内で爆笑。
しかしそれも最初だけで、慣れてしまえば「これが宝塚なんだなー」と思って最後まで楽しく見ることができました。
そしてフェザーン自治領のお二人が要所要所でうまいこと解説をいれてくれるのも親切な構成。初めて見る人にも優しい。細かいこと忘れてる原作ファンにも優しい(笑)。
ラインハルトがヤンに対して「勝ちきれない悔しさ」を感じるところで「ああ銀英だ…」と実感。冒頭が終わって本編に入ったところで、世界観に没入していったような気がします。
元帥杖授与式からは貴族達の権謀術数の世界へ。そして早くもヒルダ登場。原作ファンにしてみれば、こんな序盤からヒルダが出てくるのはありえないんだが、「宝塚バージョンだから」で納得してしまう。だってドレス姿のヒルダと手に手を取って、とか、そこで拒否反応示してしまったら舞台が楽しめないものー。
でも「女性に興味ない」っていきなり言っちゃう宝塚の主人公って、ヅカファンの皆さんはどうなんだろう?ってちょっと心配になりました。ただでさえ女子分少ないのに。
と、思ったけど、女性に興味ないラインハルトが唯一気になるのがヒルダ、という描き方でうまいこと持ってった気がします。
書きたいこといっぱいあって、うまくまとまらないので以下箇条書きで失礼します。
主要キャラだけで一体何人いるのかとwwww
・舞台装置はせり上がりと盆、大階段。それぞれの装置をうまく組み合わせて、いろんな場面を作っていたんだけど、芝居が進行している間も場面転換のために盆がくるくると回るので、演者さんは大変そうだなーと思っていた。
割と芝居を見に行くと、美術や舞台装置に目が行ってしまうので楽しかった。
・最愛のビッテンフェルトが愛しすぎた。いじられまくり。美味しい!敵艦隊に突っ込んでって孤立してキルヒに助けられて、ラインハルトに怒られてシュンってなって、でもみんなに愛されてるフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトが大好きすぎる。
黒色槍騎兵艦隊がんばれ!つっこめ!
実は、ビッテンフェルト出ないかと思っていたのです(公式ちゃんと見てなかった)。出てきた瞬間他のキャストそっちのけになってしまって「はっいかん!」と全体を見る努力をしまし…嘘です探して見てました…。
しかしビッテンフェルトが戦いの前夜に女性を二人も侍らせて……それどこの金銀妖瞳の人ですか?ビッちゃんそんなキャラじゃない!ビンタとかされればよかったのに!(ファンです)
・オーベルシュタイン。悠未ひろさん。かっこいいいいいい!調べたら現在の宝塚で一番身長が高いんですってよーーーーー!ラインハルトに執着するみたいな演出で、キルヒアイスが天使ならオーベルシュタインが悪魔なんですって…斬新な解釈だ…。そこのダンスがラインハルトを二人で取り合うみたいにも見えてちょっと萌えた。
しかしこの方ほんとにかっこよかった。今回のキャストの中で一番好き。立ち姿がかっこいいの!
でも、決戦前夜にラインハルトと二人でチェスはしないと思うよ!(苦笑)
・双璧。まさかの…ほとんど活躍なし…(゜д゜)もし続編あったら双璧編をお願いしますね…。
・キルヒアイス。天使。まじ天使。あまりにも綺麗過ぎて、アンネローゼに対して憧れ以上の感情に見えない。
最初からフラグ立ちまくりで泣きそうだった。二幕、クライマックスで号泣。トラウマなんだよ原作初読時から何回も読んでるのに泣いちゃうんだよ!ラインハルトの「嘘をつくなミッターマイヤー 卿は嘘をついている。キルヒアイスが俺を置いて先に死ぬはずがないんだ」の台詞が欲しかった…。二幕はあっけなく終わったので、置いていかれたのは私たちみたいな感じだった。
ラインハルトがキルヒの髪を触るシーンが萌えた。三次元の威力。
・ヤンとユリアン。ヤンがすごく使える人だった(笑)。肉弾戦なんかやったことあったっけ?そんでジェシカを救っていた…。ヤンが髪をくしゃくしゃいじるの、可愛かった。ユリアンは原作同様とっても有能な少年。ユリアン役の方は娘役なんだそうで、びっくりー!
・ジェシカが同盟側のヒロイン的位置づけっぽかった。ヤンと二人で歌う歌が過ぎ去った青春の思い出で、切なかった。
歌が終わると拍手、っていうのはバレエでもソロやパ・ド・ドゥなど見せ場の後に拍手するので違和感なかった。歌舞伎なんかでもそうだよね。
昔からの芸能だし、伝統に裏打ちされた自信や余裕、懐の深さを感じた舞台でした。
同盟編や双璧編も見てみたい。なんとなく続編がありそうな予感…。
そして、打ち合わせしたわけでもないのに別の友達も同じ日の同じ回をチケット買ってて、「こりゃ運命だな!」ということでアフターでドイツ料理食べながら「プロージット!」してきましたよー。