本日は、twitterでのやりとりで生まれたお話です。
「ひとりぼっちの森永くんは萌えるよね」「高校の時はきっとぼっちだよね」「遊び歩いているのにひとりぼっちって萌える!」…そんな感じで、ぶわわわわわっと妄想がまとまりました。
※原作とは一切関係ない妄想文です。
※兄さんは出てきません。
【Blue on Blue】
「あ、あっ、やあ……い、痛いっ!」
「……っは、はあ、はあ」
「痛いってば……!もう、やだっ」
「黙って……!」
「っあ、ああっ……!」
別れ際に情事の相手に殴られてひりひりと痛む赤い頬を隠しもせず、森永哲博は登校した。
誰も彼に声をかけないし、噂の種が一つ二つ増えたところで今さらだった。
昨日の相手も、その前も名前を知らないどこかの誰かだ。もう顔すらおぼろげで、というか多分ちゃんと目も合わせていない。繋がる時は後ろから、最低限怪我の無いように配慮するくらいで、その時間に交歓などない。下手に感情を残すと後が面倒だし、誰かに預ける感情も今は無かった。
「……ふあ〜」
欠伸をしながら伸びをする。誰もいない、校舎の屋上。
回りには高い建物もないから、上を見れば空に浮かんでいるようだった。下から昼休みの喧騒が響いてくるのを、遠い世界のことのように感じる。
適当に購買で買ったパンを齧って、牛乳で流し込むだけの昼食。母親が弁当を作ってくれていたのはあの事件までで、今は小遣いだけが毎日玄関に置いてある。
家族も、過去の友人も、誰も哲博に触ろうとしない。遠巻きにする彼らに哲博も近づいては行かなかった。けれど、哲博はまだ高校生で、誰かの庇護を受けなければ生きていけない存在だった。誰とも繋がっていないのに、無理矢理社会に繋がれている気がして落ち着かない。
ごろりと荒れたコンクリートに寝そべり、視界に青空しか入らないようにすると、世界から切り離されたようでほっとした。
「真崎さん……元気かな」
大事なその人の名を呟く。空に溶けて彼に届くような気がして、想いの丈を込めてしまう。彼が欲しいのは自分ではないと、痛いほど分かってしまったけれど、それでも哲博の想いは今も彼に留まったままだ。
哲博の手からこぼれ落ちてしまった幻のような愛情は、無くなるまでは確かにあったものだから。
すきだよ、と優しく笑ってくれた彼の顔を思い浮かべる。二人で作った思い出を脳裏に描く。綺麗な彼の笑顔は、最後には涙に濡れてしまうけれど。
「真崎さん……会いたいよ」
会って、元気な顔を見られれば、それでいい。固く閉ざされた病室の扉が、真崎自身の心のように思えてならなかった。自分にはその扉は二度と開かれないのかもしれないと、そのことの方が絶望を呼んだ。
そしてやはり退院後の行方は知らせてもらえず、もう会えないと覚悟するしかなかった。
知らない誰かと体だけの関係を持つようになったのは、絶望に絶望を重ねた結果だ。
家に居づらくて街に出れば、誰かが声をかけてきた。酒も覚えたし、社会の裏側にある別の世界も垣間見た。
満たされることのない空隙を、それらが通り抜けていく毎日。いつかここが埋まるのかと、自分の虚(うろ)を見つめるしかできない。
「真崎さん……」
腫れた頬に、涙が伝って痛覚を呼び覚ます。自分が罰を受ける代わりに彼の痛みが軽くあればいいと思う。
「好きだよ、真崎さん。ずっと、好きだから」
青空に向かって、想いを飛ばす。彼もこの空を見上げていることを願いながら。
end.
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つらいよおおおお森永くーーーーーん(涙)←書きたくて書いたけど思った以上のダメージくらった
自暴自棄で自虐的な森永くんは見てられない……。
荒れてた期間ってどのくらいなんだろうな。一年くらい?森永くんが一夜の相手に暴力を振るったりとかはないと思うけど、あんまり思いやったりもしてないと思うんだ。相手はとばっちりですけども…。
これ書いた後、暴君二巻読んだらじんわり来ましたよ。良かった、ほんとに良かった。よく立ち直ったよ。
高校生が受けるにはちょっとつらすぎる傷だよね(´;ω;`)。
就職すればほんとに独り立ち。よく頑張った、エンゼルくん。
いらっしゃいませ!
さっそくのコメントありがとうございます♪
番外編、いろいろできそうですよね〜。先生がどこまで描くのかわかりませんけど、過去話も見てみたいですよね。兄さんの高校生時代とか…(意:制服姿が見たい)。
ありがとうございました!
いらっしゃいませ♪
ええと、私はT森永の刺客ではありませぬ!先にそこは言っておかないと!(怖い怖い)森永くんの傷が癒えたのは兄さんの存在あってのことですから。
兄さんを知らない高校生時代の森永くんに、「君には運命の恋が待ってるから、今は頑張れ」って教えてあげたいです。
でも私も「自立する前に人生のパートナーまで見つけるなんてっ(チッ)」と思ったんだけどそれは内緒です。←言ってる
コメありがとうございました♪
荒れていた森永君を想像したり、
チラッと見てみたいなって思ったりしたのですが、
ぐぁ〜!これはツライ!やばいです。泣いちゃう〜。
立ち直ってくれてよかったよ〜。
兄さんに逢えたからかな?
本来の優しい森永君に戻ってよかった!
見てみたかった時期を垣間見れてよかったです。
ありがとうございました!
なんて素敵な文章を書くんだ!
プロですね、syuyuさんは!
是非チーム森永の課長になってください!
私はやさぐれた森永君も大好きです。
多分そんな傷付いた心を持っているからこそ、
恋愛に対して臆病にもなるし
もう失いたくないという貪欲な気持ちもあると思うんです。
ただのワンコでお馬鹿じゃない。
強欲で醜い森永君・・・愛おしいです。
多分エチもこんな感じでしょうね。
欲求不満を満たす為だけに・・・
兄さんに出会えてよかったね。
そして相手が兄さんでよかったね。
本当にそう思いました。
森永くーーーーん(再び号泣)
綺麗な文章、心にジンときました。
で?いつチーム森永に入部されるのでしょうか?
ありがとうございました!
私もこの時期のSSを、書きかけて
あまりに・・・なので、お蔵入りにしてしまいました。
ドロンドロン。(笑)
このへんの時期の森永君のことを考えると
切な痛いですけど、ついつい考えちゃいますよね。(涙)
このへんについても、他にも色々
いつかsyuyuさんと語り合いたいです〜!
切ない森がいいです。
そう、コレがあたしの好きなすれた森です。
これあってこその今の残念なのです。
そう思ったらやつめっちゃかっこよくね!?
てか、ここにコメした人でこのての書いた人全員自分のブログに上げてくれ。
で、全員うちに!!!
あ、Syuyuさん、Tの課長さんが「ッチ」とかいっちゃダメ☆←勝手に決めた。
私は暗黒時代の森永くんも受け止めますよ!
恋して壊れてやさぐれて
でもそれが今の森永くんを作り上げてるのだから
悲しい過去でもそれはそれでいいと思います。
よくぞ書いて下さいました!
うちにあるバナー、いつでもお持ち帰りオッケーですので♪
こちらにコメしたかったのですが
今頃になってしまってすみませんm(__)m
こちらのお話、森永君とても切ないですね…
あの頃の森永くん、誰にも相談出来なくて
辛い日々を過ごしたのでしょうね…
やっぱり真崎さんの事凄く凄く好きだったんだなぁ…
って改めて思いました。
こんな風にお話書けちゃうsyuyuさんは本当に凄いですね!
え…T森永にお嫁に行っちゃうんですか?
どうしてもと言うなら仕方ないけど(←言ってません)
いつまでも兄さん大スキーでいて下さいね☆
胸に来るお話、ありがとうございました☆
いらっしゃいませ。
7巻書き下ろしではそんなに荒れてる感じはなくて、そこはほっとしたのですが、やっぱり寂しそうで切なかったですね。
森永くんはほんと兄さんと出会えて良かったです。
コメントありがとうございました!
いらっしゃいませ。
いつも過分なお褒めの言葉をありがとうございます(深々)。素人です!そして課長…多分無理です!管理職でしょう?無理だよ。席座って兄さんでへへってしてるだけの無能な課長じゃねえ。
どこか壊れた森永くん、だからこそ兄さんもほっとけないのでしょうね。
7巻書き下ろしとは趣が異なる妄想ですが、私はこういう森永くん好き。書いててもつらいけど。
なので兄さんを見て癒されることにします。
ありがとうございました!
いらっしゃいませ。
いのさんのお蔵から出してきてくださいよう。大学生の森永くんの中に、高校生の森永くんもいて、絶対別人にはなれないわけで。
切ない…
私もいのさんと語りたいです!名古屋、行きたかったけど。お仕事決まったら計画します!(そんな余裕があるかは不明)
ありがとうございました。
いらっしゃいませ。
T森永に入らなくても、森永くん好きでいるからいいじゃない…(逃亡準備)
私の中の高校生森永くん、結構荒れてて擦れててどうにもだめな人っぽい想像してたら予想以上にスタイリッシュでした失礼しました。
ありがとうございました!(逃亡)
いらっしゃいませ。
そうなんですまとめてまるっと森永くん。かわゆいわんこなだけでは、ここまでキャラに深みは出ませんものね。過酷な過去でしたが…。
それもこれもどれも全部、兄さんに出会うためだったと思うと萌えに変わります。
兄さん大好きーーーーー!(抵抗)
ありがとうございました。
いらっしゃいませ。
いえいえ。私などいったい何日お返事を放置すれば気が済むのかと…お気が向いたときでぜんぜんかまいませんので!
っていうか森永くんのお話を書くと勧誘がすごすぎて逃げ惑っていますよ(笑)。
兄さんへの愛は森永くんへの愛を内包して有り余るのです…!
私が書いた森永くんは、真崎さんに振られてそんなに時間が経ってない時なので、まだまだ傷口はふさがってない感じです。
7巻書き下ろしの森永くんは、過去にとらわれながらも前を向こうとしている。1年経って、少しは傷が癒えたのかなと思ってちょっとほっとしたりしました。
コメントありがとうございました!