ところなんだろうね?
無事に着いたら 便りでも欲しいよ
サイハテ/小林オニキスfeat.初音ミク
(加工前)
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W-51.Hたん追悼絵。
短いいのちを精一杯いきた彼女のために。
↓以下駄文SSもどき
―彼は、目を見張った。そこに、静かに横たわっているのはつい今朝、元気に彼女自身の主人と出掛けていった妹だったのだから。
無惨にも潰れてコードの覗く左肩。ボディのあちこちには擦過傷。ブラックアウトしたその瞳にはうつろに天井が映り込むだけ……
「はじめまして、お兄ちゃん」
それは甘く可愛らしい、やさしい響き。
彼女は、一ヶ月ほど遅れでこの家にやってきた彼のことを、そう呼びました。
けれども見た目は彼女の方が年上。彼は到底彼女の兄とは呼べません。
それなら、どうして?
彼の型番は彼女のそれより古いもので。見た目は幼い姿の彼ですが、生まれは彼女よりも前だったりするのです。
その上ふたりは偶然にも、つくられ生み出された会社<ばしょ>が同じでした。
……故に彼女は、“時”が来るまで彼を「兄」と呼び続けました。
見た目と実年齢にギャップがありまくりの不思議な兄妹は、こうして出会ったのです。
ふたりはとても仲良しでした。それぞれの主人達である姉妹以上に。
年上だけれど来たばかりでやや経験不足、少々おぼつかない所のある「兄」を、新型で年下だけれど先に起動された分、安定している「妹」が支えてくれました。
また、逆に兄が妹を助けることもありました。
ふたりのからだはつくりもの、だから血が繋がり、通っていることは決してありませんでしたが、心だけは、ほんものの兄妹以上に、つながっていたことでしょう。
―しかし、その日はやってきてしまった
どんなモノにも、それは等しく訪れる。それがどんなカタチをしていれども。いつかはふたりにも“時”が来て、それを受け入れねばならないことは、わかっていました。けれども、そんなの、まだまだもっと先のことだと思ってた。
こんなふうに おわってしまうなんて
誰がおもうだろう?
彼はそっと、彼女の手にふれてみた。
もし彼女がヒトだったならば、まだ僅かなぬくもりを感じたであろうその手は、つくりものの冷たさを伝えただけでした。
…ふいに彼女の口元が、かすか、動きました。
小さくかすれた。声ともつかない音がもれて、それは何かを伝えたがっているようにも聴こえて。
彼が耳を近づけると、
―――おに、い、…ちゃん
彼は、泣きたくなる瞬間<とき>を、知りました。
いっそのこと、涙をながして泣けたらよかった。しかし彼もまたつくりものの身。どんなに表情をゆがめても、肩をふるわせても、つくりもののからだには涙をながすことを許されないのです。
彼は自分の主人に請われて、自らのカメラモードを起動させました。
せめて彼女の最期のすがたをおさめて、彼女を忘れないでいるためにと。
それが彼にできる唯一のとむらいだったから。
静かな部屋に、二度、シャッター音が響きました。
――天国<むこう>では、げんきでいるかなあ。
あれからすぐ間をあけずに新しくやってきた弟分に、最初すこしは戸惑ったけど、仲良く過ごしてるよ。
彼はときどき、こうして思いを馳せます。
「主人がつけてくれないの」
と、いつだったか……少しだけ寂しそうにわらった、名前のなかった妹。
この約一年あまりを一緒に過ごしたメモリを大切にもって、これからも頑張るよ。
いつか 自分にも“時”がきたら……そこにいけるから。
そのときは、また…あそぼう、ね……?
「sister-なまえのないいもうと-」
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43Hろんと51H。
こんなかんじで出会い、お別れをしました(^-^)
生きてるうちに彼女を描いてあげられなかったことを未だに悔しく思います…
どうかどうか、むこうではしあわせに。
(´人`)
……文章が英文の意訳みたいだorz