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一緒に桜を。



「優姫何やってんだよ」

「零を見ているの」

「あっち行けよ」

「一緒に花見に行ったらね」

零は優姫の好感条件にため息を洩らした。しつこく自分の腕に手を絡めたままで聞いてきた。
俺は数学をやってんだ!お前がいたら集中すらできない!


「あっちまじで行けよ!数学のテストでこの俺が赤点とったんだって!」

「あたしなんかいつもだよ!!そうやって眉間にしわ寄せるから運も逃げるんだよ!」

「なんだと??!」


ベッーと優姫は舌をだし部屋に戻ってった。本当は一緒にいるのはとても好きなのに、素直になれない。
隣にいて欲しくても口にだしては言えない。

「はぁ…」


*******

「なによ、零のばか!花見なんか時期を逃したら行けないじゃん!」

ぷくっと膨れた優姫は自室のベッドに横たわる。零が嫌がるのはわかるけど…

赤点とったぐらいでなによ(おいこら優姫 by管理人)

すうーと空気を吸い優姫は腹から声をだした。

「零のば〜かかかかか!!」

零の部屋にもその優姫の叫びは響き渡る。あまりの大きな声に苦笑いしてしまった。
……花見しなくたって窓から見えるだろ…
隣の木々は桜の木。窓を開けたら桜の花も入ってくるくらいだ。

…なのに、俺と花見か…あいつらしい。


*******

「おい、優姫!!」

「なによ!!」

優姫の部屋にずかずか零は入ってきた。

「勝手に入らないでよ!」

零は入ってくるや否や優姫の部屋の窓を開けた。カーテンは風で舞う。瞬間、桜の花びらも風に乗って入ってきた。

零の手には、ジュースとお菓子。


「花見は外でも中でも一緒だろ」

零はずかっと座りジュースをコップに注ぐ。お菓子を食べ始めた。


「あたしも食べる!」

お菓子を食べながら、零と花見。あたしの思い描いた花見と違うけれど、でも

一緒にいることが。

それが…―――――

それがあたしの願いなんだ。


fin
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