変わるのは怖いけど、このまま変わらないのも、怖いんだ。
――空き地の隅でひっそりと開いた花。気付けば枯れて、種を付けることもできず。そうやって枯れた花を、何度も見ている。
枯れた様子さえ、美しいのかもしれない。
けれど、現実はわびしく、さみしい。
水を貰って、生き返った花を見たことがある。うなだれて今にも枯れそうだったのに、たった一杯の水で、また美しく花咲いたのだ。
花は咲く。咲くんだ。
土と、光と、水があれば。
私の中で、それらに当てはまるのは何だろう?
要因は一つではない。
でも、揃ったら。全部揃ったら。花が咲く。
花が、咲く。
全てを自覚するには、私自身まだ全然子供で、一歩進むだけでも覚束なくて、苛つくくらい意気地なしだけど。
……多分、私の横で、私と同じように足踏みしてる怖がりがいたら、手を差し出すだろう。
私も怖い、あなたも怖い。
でも、二人で進めば、少しは安心できるでしょう?
慣れ合い、じゃない。
互いに互いを頼り合うこと。
これが、────ってものじゃないのかな?
私は臆病だ。自分でわかってる。
他の誰がそんなことはないと否定しても、誰よりも私自身がわかってる。
私は、臆病だ。
何よりも、変化が怖い。
日常は巡る。変わらない日なんてない。
変化は素晴らしい。わかってる、でも、変わらないでほしいこともある。変わってはいけないこともある。
変わることが、怖い。
ひとりは淋しい。
一緒にいるのに私はいまだにひとりな気がする。
夜、目覚めてあなたがいなくなっていないか確認するんだ。
あなたが私の傍からするりと抜け出して何処かに行かないか不安でたまらない。
掴みかけていたモノが消えていく。
私の元には何も残らない。
ねぇ、どうしてかな?
私はただ皆が当り前のように手に入れているモノが欲しいだけなのに。