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ぐらぐらぐら

揺らいでいるのは、

僕の心か、君の心か。


旅立つ君達へ

行く先に幸多からんことを。

ぽつり

「ごめんね」って言えなくて。

ごめんね。

箱orザル?

昔施設の職員さんが言った。
「ザルに愛を注いでいるようだ」って言葉になるほどって思ってた。
私は底の無い箱のイメージだったけど。
「注ぐ側も注がれる側も辛い」って言葉には、この人ちゃんと分かってるんだなって思った。
そこまで分かれる人は滅多にいない。
言っても理解出来る人って皆無なようなものだからね。


ザルに愛という名の蛇口の水を注ぐ例えがなるほどなって思ったのには、愛を溜める事が出来ずに通過することもなんだけど。水滴って残るじゃん。注いでる時も正確には編み目の隙間から通っている。何も無くザババーって通過じゃない点。あと、跳ね返った水がつく点。
溜める事は出来ないけれど、感じる事が皆無な訳じゃないんだ。微量には分かる。
でも、たくさん溜める事は出来なくて、水滴だってすぐに乾燥して。それがもどかしくて、中途半端に感じる分飢えも酷い。応えられない苦しさ。注ぎてのジレンマ。ずっと続くとお互いに疲弊していく。大量の愛を注ぎ続けるって、とても大変なことなんだ。


私のこじらせられた人間不信が、マシになったのはきっと。

大量の愛という名の川にザルをザブンと上から押さえて付けられ続けたおかげだね。
反発だってすごかったけど。
流し続ける愛があって、そこから浮き上がって逃げないように押さえる手があって。
“なんとなく感じる”を“さらに感じる”に強制的にされる内に、ちょっと肩の力が抜けたんだ。

それはあそこの人達のおかげなんだ。


愛や好意に同じ気持ちを返すことは出来ないけれど、感謝している気持ちも本当。


…まぁ、悩んだりもたくさんしたけどね。


愛に溺れそう、だなんて。あの頃の自分じゃ考えられないな。

どうやっても疑う心が拭えなかったから。

でもさ、否定しきれないだけ言われて態度で示されて。しかもその全てが真っ直ぐだったのなら。私も少しはほだされたみたいです。


ちょっと、いや、かなり、照れくさいんだけどね。


その人達に会う以前やそれ以外の人達もさ、きちんと分かってはいたんだ。認められなかっただけで。
…まぁ、歪んだ人がいたのも事実だけど。



ごめんね、ありがとう。


ちょっとだけ。満たされたから。私は幸せだったんだ。


不思議な関係

君は私に会いたいって言う。

私は君とそんなに会わなくても大丈夫だって思う。
だけど、1年に1度も会えないのは哀しいと思う。

まるで七夕のような2人。

1年に1度だけ会う関係。
君が会いに来てくれる。

大きくなって、今度は私が会いに行く。

私は夏に、君は冬に。
お互いに会いに行く。


2人が同じ場所にいられたのは1年だけで。
その時だって、べたべた常に一緒だった訳じゃない。

別に隠してもいなかったけれど、君と私の関係は意外と知られていない。

手紙のやりとりもしていたのにね。


君が向こうに行って、
私はこっちに行って。

逆の場所に行くことになった。
変な感じ。


君は不安がった。
何も言ってはくれなかったけれど。


だから、私は大丈夫って言った。

今は無理でも必ず会いに行くよ。って。

物理的な距離がいくら開こうとも、私は君のことを思っているよ。

君は?
近くにいないと駄目になってしまう?


毎年必ず年賀状を送るよ。
何があっても君だけには必ず。


それでも不安がる君に、たくさん言葉を届けた。


離れ離れになる最後の日に、君は私に会いに来た。


君はずっと楽しそうにしていて。

とうとう時間が来た時、ぽろりと涙を零した。

私となら大丈夫だってそう思うのに、忘れられてしまいそうで怖い。
そう言う君の手は、震えていた。


ぎゅっと抱きしめて、
君が泣き止むまで大丈夫だよって言って頭をずっと撫でていた。

どれだけの時間が経ったのか。
長いような短いような時間。


泣き止んだ君は、照れくさそうに笑った。


それを見て私も笑った。


君も私に会いに行くと言った。

私が会いに行く前に会いに行くと。


どちらが先に会いに行けるか競争だね、って笑って小指を差し出した。


きょとんとした後にはにかむ君も小指を差し出して。


2人で指切りした。



どちらかが去るのを待つのは辛いから、
お互いに反対の道を歩き出す。

後ろを何度も振り返り、手を振りながら。

時々泣きそうな君。

笑ってまた今度ってしたくて、そんな君ににっこり笑って大きく手を振る。

そうしたら少し笑って振り返してくれる。


どんどんお互いが小さくなっていって。
最後には見えなくなった。


瞼を閉じて、君の笑顔を思い浮かべる。



本当はね、私だって不安だった。


だけど、大丈夫大丈夫、そう自分に言い聞かせて手を握りしめた。
思いを閉じ込めるように。




数年後、君は私に本当に会いに来てくれた。

少し不安そうな君に、とびきりの笑顔で手を降った。


名前を大きな声で呼ぶと、嬉しそうに笑ってくれた。


そんな君に。

ね、大丈夫だったでしょ。


茶目っ気たっぷりに笑ってみせた。



嬉しそうに、安心しきった顔で頷く君を見て。

私も嬉しくなって、そしてほっとした。

きっとこの先も大丈夫。


そして数年後、
今度は私が君に会いにいった。



ね、私は嘘吐かなかったでしょ。

そう言って小指を降った。




君と離れ離れになってから、今年で10年。

普段から連絡を取り合う訳ではないけれど、
お互いがお互いに、ずっと特別な関係。



友達でも親友でも恋人でも無い不思議な関係。


曖昧で不確かなのに確かな繋がり。



どうかこの先も切れないように。


君が笑顔でいられますようにと。



毎年必ず書く年賀状に、今年も想いを込めて。

よろしくお願いします。


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