カナリヤは歌う

週末になる度に雨ばかり
あなたとの約束はいつも雨だった
お互い晴れの異名を持つはずなのに
台風も沢山きたね
歯痒くって、やるせなくって

それなのに
さよならの後は晴れるなんて
あなたが雨を呼んでいたの？


あなたと出会って喜びもあったけれど
それ以上にあなたに泣かされていた

どんどん曇る表情
こんなの私じゃない

好きなのに
それ以上に苦しいんだ

何を信じて
何を疑って
それすらもう分からない

信じたあなたは全部偶像？


降り続く雨は止んで空は晴れたのに
代わりに私の心に雨が降る
涙なんて一滴も流れていないのに
空はこんなにも晴れているのに
ねぇ、雨の音がうるさいんだ

2人同じ夢を見ていたはずなのに
どこで道を違えてしまったんだろうね


降り続く雨が止んで
こんなにも晴れているから
いつか2人が歩んだ道に
綺麗な花が咲きますように

雨は嫌い。
だって、雨が降ったら君に会えないから。

雨は嫌い。
私はここから出られなくなるから。
雨は嫌い。
君の声が聞こえなくなるから。

狭く閉ざされた部屋から、
小さな窓を見上げる。

今日も雨。

君に会いたい。
君の声が聞きたい。

ここから出たい。


膝の上に乗せた本をそっと撫でてため息。

明日は晴れますように。


雨は嫌い。
雨は嫌い。
雨は嫌い。

だって、私に意地悪するから。

雨は嫌い。
雨は嫌い。
雨は嫌い。

だけど、時々雨は優しい。

一人膝抱えて泣いていても、
雨が声を消してくれるから。

君に見せられない顔していても、
会わないで済むから。

ここから出られない理由になるから。

だから、気付かないで。
君の好きな私のままであれるように。


一人泣いて帰る帰り道。
本当は折り畳み傘持っていたくせに、
忘れたふりして、
雨に濡れながら、ゆっくり歩く。


雨は嫌い。
雨は嫌い。
雨は嫌い。

空を見上げてため息。

雨は嫌い。
雨は嫌い。
雨は嫌い。

あぁ、だけどまだ止みませんように。


雨は嫌い。
雨は嫌い。

あぁ、だけど。

雨あがりの空から、
一雫の光が差す姿は好きです。

ほら、向こうから春の風が吹いてきた。
新しい風だ。

季節は巡る、季節は巡る。

新しい年を祝おう。

また新たな1年が始まる。

新たな1ページが始まる。


ほら、聞こえるかい？

春を祝う宴の声が。
歓びの声が。

浮き足立つ足音と駆け抜ける春の足音が、
君の傍をあと少しで通り抜けるよ。

見逃さないで。
掴んで。
離さないで。

一緒に駆け出そう。

未来に向かって。


──ほら、春はもうすぐそこだ。

君にね、本当は
『ありがとう』
って伝えたいんだ

君にね、本当は
『あいたい』
って伝えたいんだ

だけど
伝えたら君が消えそうで
「なんでもない」
って笑うんだ

君が顔をそらした後に
噛みしめた唇は知らないふり


ねぇ、
本当は1番君が大好きです

君と一緒にいる時間が増えるにつれて、
ちょっとした仕草や口調がいつの間にか似てきたよね。

君が似てきた？
私が似てきた？

きっと2人が近付いてきた。


街に出掛けて1人でウィンドウショッピング。
自分の為だったはずなのに、気付けば君のことばかり。

これ、君が好きそうだな。
ここ、今度2人で来たいなぁ。

君の笑顔を思い浮かべる。


時にはけんかもするけれど、お互い意地っ張りな私達だけれど。
離れたままじゃいられない。

君に会いたい。
君に触れたい。

2人同時に電話を掛けた。


永遠なんて信じていないけれど、
君の未来に少しでも多く関わり続けていたいと思ったんだ。

明日はどんな今を
君と歩こうか。