覚書として当日のことを残させてください
フラッシュバックしそうな人や、苦手な人は以下から読んではいけません
心を落ち着かせて、深呼吸して、バックボタン連打だ!!!










目覚ましがわりに使っているガラケーの地震警報のサイレンで目がさめる
“函館で大きな地震”とだけ見えてすぐに大学の友だちの顔が浮かんで血の気が引いた
え…と思って間もなくベットがぐらぐらと揺れた
寝ていれば気づかないくらいの、大きな音も立てずにひっそりと揺れた
東日本大震災の時の気味が悪いほど長く揺れていた記憶が蘇って緊張した
程なくして揺れはおさまる

ネットで何が起こったのか調べた
震源地は函館ではなく胆振地方であると書かれていた
北海道で震度6強の地震と書かれていた
自分たちが住んでいる地域の震度はどれくらいだったのかと調べた
急いで出勤しなければならない震度ではなさそうであった

わたしが風邪だったので生きるは別室で寝ていたんですが、生きるの話し声が聞こえた
生きるが部屋に来て『仕事に来てくれって。停電になってるんだって』と言った
うそだ〜と思って外を見ると街灯がひとつもついておらず、真っ暗だった
部屋の電気のスイッチを押しても電気はつかなかった
トイレの心配をした
生きるにそう伝えると水は流れると返答されて安心した


生きるは夜明けを待って仕事へ行った
信号のつかない道を車で走っていくので気をつけてと伝えた


ひとまず眠って支度する
改めて電気がつかないことを確認する
お湯も出ないので顔と歯だけ磨いて出勤した
部屋を出ようと自動ドアの前についつい棒立ちになってしまって、あ、電気通ってないんだったわ、と手動でこじ開けたのも停電なんだな〜と実感する体験の1つだった

出勤すると物々しい雰囲気で、停電だけでこんなにも大変なことになるのかと気が滅入った
その日の方針は通常業務ということになった
自家発電で電力はまかなえるけど最低限なので空調はつかない
みんな暑い暑いと言いながら業務にあたる

わたしが担当する業務は狭い部屋にガウンを着込んで3時間ほどぶっ通しで作業しなくてはならないので、1時間を目安に交代する
部屋の温度が30、31と少しずつ上昇していく
作業していると体感はもっと暑い
本当に暑い(空調がついていてもわたしは普段から暑い)

そうでなくても部署内は暑い
ずっと業務にあたっている職員たちが脱水にならないか心配するレベルで暑くて困った

停電はまだしばらくかかると公式な発表があり、既にバテ気味になる

昼過ぎから電波が使えなくなった
生きるから自宅待機になったと連絡があった

早く帰宅せよと上司たちに言われて帰宅する
汗まみれなので明るいうちに帰宅してすぐに水でシャワーを浴びた
過呼吸になるんじゃないかと思うほど冷たさがしみる…
ストーブが必要になる時期じゃなくてよかったと震えながら思う

職場の病院にはWi-Fiが飛んでいて、そこで電波を得て少しだけ情報収集して帰宅した
寄せ集めた灯りと食料を持ち寄って、暗くなっていく部屋でラジオをつけて生きると二人で何をするでもなくボーッと過ごした
日没になって、辺りも真っ暗になると懐中電灯を持っておそらく避難場所か水を供給してくれる場所まで歩いていく人たちの姿があった
真っ暗な部屋にいることもそうだったけど、やっぱり少し異様な光景で、これがあと数日は続くのかなと思っていると突然部屋の明かりがつくから驚いた
生きると二人で『ついたね』と顔を見合わせた

後から聞いたら病院のような優先して電力を回さなければならない施設の近くにある住宅はその恩恵に預かれるそうである

凍える思いをしてシャワーを浴びた後だったけど本当によかったのである

電気は通ったけど、その後しばらくはご飯や飲み物の確保が大変で、電力がないってこんなところにまで影響するんだな、としみじみ感じた

わたしと生きるは大人だし、我慢もできるけど、小さい子どもがいたり自宅で介護している人がいる世帯は本当に大変だっただろうな


地震も火事も台風もあらゆる天災っていつ何が起こるかわからないけど、せめて食料と飲み水の確保はあらかじめしていてもいいのかもって思いました
女性なら生理用品もね
いつ起こるかわかりませんからほんとあいつらはね