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いいこわるいこ

彼女はスクールの人気者。
彼女が物を落とせば我先にとあっという間に誰かが拾い、彼女が微笑を浮かべれば、男は次の瞬間に告白する。眩しい金髪がチャームポイントの美しい女の子だった。





「スイ、昨日貴方がお休みしていた分のノートを取っておいたのだけれど」
「あぁ、ありがとうリラ」
「いいのよお礼なんて言わなくて。たったひとりの幼馴染みじゃない」
彼女がにこりと微笑むと、男たちが僕を一斉に睨む。優等生で、優しい彼女の手を煩わせるなと視線が言っている。
実際、彼女は優等生だしとても良い子だ。

でもたまに、無邪気な子供のような一面を僕にだけそっと覗かせる。
彼女は可愛らしい唇を僕の耳元に寄せた。
「ねぇスイ、いつも遠くで私を見てるあの人たち、あんなにじろじろこっちを見ていて失礼なんじゃないかしら?あの目を刳り貫いてしまえばいいのかしら。スイはどう思う?」
彼女は可愛い笑顔で、残酷な言葉をつむいだ。







ちいさなむすめがいたそうだ
おでこのまんなかかわいいまきげ
いいこのときはとってもいいこ
だけどわるいこのときはぞっとする
―――マザーグース

しあわせのいたみ。

まるで身を引き裂かれるような


まるで生きたまま焼かれるような




地獄のような痛み。
これ以上の痛みは存在しないのではないかと思うくらい。
それでも私は、幸せなの。



貴方と一緒にいられるなら!
貴方だけを想っていられるなら!
この痛みは苦痛ではないわ。
寧ろこれは、しあわせのいたみ。





そうよ、私は幸せなの!
痛いことが幸せ!
貴方という存在を感じられることの幸せ!
貴方を感じられるのならば、私は痛みさえも欲するわ……。



†††††
イベ帰りに思い付いた。これは極論だけど、イベ帰りに私はいつも幸せの痛みを感じています(買ったものが重いのなんの……。肩にキます)。

生きていようと、なかろうと。

(貴方が生きていようとそうでなかろうと関係ないわ、ただの自己満足だもの)


匂いがするわ。
生臭い鉄錆の匂い。
美味しそうなパンの匂い。
ぐるぐるくるくる混ぜましょう。



小麦粉とライ麦混ぜて、練ってこねて焼いた美味しいパン。
良い匂い。
真っ赤なワインみたいな血を絞って
骨まですり潰して、ライ麦と混ぜて作ったふっくら焼きたての黒パン。
きっと、とっても美味しいわ。





だって愛しい貴方の全てが入ってるんですもの。



†††††
マザーグースに触発されまくり。大好きなんだもん!
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