・黒バス夢
・夢主設定による過去話が主
・小説というよりあらすじに近い雑さ
・帝光中学若干捏造
・オチが迷子
・過剰に逆ハー、かも
・いろいろと無理矢理
・最後息切れした←
・俺得でしかない
・お前誰多発テロ中
・夢主「藍沢雛(あいざわひな)」


以上を了承してくださる方はどぞ。
































小学校入学当時、誰よりも背が高かった。
だがそれも、学年を経るごとにすぐさま移り変わっていった。
周囲の友人は目に見えて成長し、自分はさほど変わることもなく、背の順だけが前へ前へと変化していった。
…小学校卒業時には、誰よりも背が低かった。

別にそれを気にしたことはなかった。
たとえ身長の低さをからかわれたとして、気にしたところで何も変わらない。
そんなどこか大人びた思考が、彼女を悲観に暮れさせることはなかった。

中学に入ったら好きなバスケをしよう。
背は小さくても、多少ならそれをカバーするプレイもできる。
自分は自分にできるバスケをしたい。
普段感情をほとんど表に出さない雛も、内心意気込んで帝光中学女子バスケットボール部に足を踏み込んだのだが。



「悪いけど、他当たってくれる?」

「……え…」


見上げるほど背の高い上級生達は、悪びれもなく冷たく言い放った。


「うちの学校、男子もそうだけど女子も全国クラスなわけ。部員なんて集めなくても集まるのよ。それなりの選手がね」

相手をすることすら億劫そうに、ため息交じりの説明が続いた。


「でも試合に出られるのはその中でもほんの一握りでしょ?その他大勢の面倒なんて、正直見きれないのよ」

「そうそう。特に、見るからに選手向きじゃないような子とかね」


明らかに雛のことを言っているのがわかった。
言葉の節々にはあからさまなトゲがある。
だが背の小さい雛にはこのような状況も慣れたものだった。
プレイを少しでも見てもらえば、彼女達の気持ちも変わるかもしれない。
そんな思いもあり、雛はここで初めて口を開いたのだが。


「…あ…でも、入部テストとか…」

「まさか全員にやれって言うの?うちの部員百人近くいるんだけど」

「何それ、冗談じゃないって。そんな時間あったら練習するよねぇ。体育館使える時間だって限られてるんだからさ」

「…もうこの際だからハッキリ言わせてもらうけど、あなたにバスケができるとは到底思えないわ。別にさ、バスケじゃなくてもいいでしょ?悪いけど他を当たってちょうだい」

「探せばひとつくらいなら君にもできる部活見つかるんじゃない?」

「…え、あ……」


一方的に言い捨てて去っていく上級生を雛はただ見送るしかなかった。
よもや門前払いを食らうと思っていなかっただけに、珍しく途方に暮れる。
数少ない好きなものに拒絶された感覚は、さすがの雛にも衝撃を与えていた。


「……どう、しよう…かな…」




…その後数日、雛は自分が何をして過ごしたのかさっぱり覚えていない。
授業を受けて家に帰って、ただそれの繰り返し。
大好きな肉まんも、運動をしない分食べる量が減っていた。
不思議と悲しいという気持ちではなかった。
そもそも雛がそう言う感覚をあらわにすること自体、滅多にないことだったが。
ただわかりにくいながらもほんの少し、無気力な毎日に思えた。







「………」


その日、雛は掃除当番だった。
少し帰りが遅くなり、体育館の側を通りかかった時。


「!」


重みのあるバウンド音とかけ声、そしてフローリングを走り抜ける足音。
キュ、キュッという独特の高音が雛の耳を捕らえた。


「……バスケ…!」


思わず下の方にある通気窓から中をのぞき込む。
練習をしていたのは男子バスケ部だ。
体育館は思った以上に広く、この窓から全てを見渡すことはできなかったが。


「………」

足元しか見えなくても、雛にはただひとつの思いしかなかった。

…すごい……
流れるようなステップに無駄のない動き。
男子特有の闘志と迫力。
大きくて力強くて…自分には絶対に手の届かない全く別の世界。
自身がプレイするのとは違った高揚感がそこにはあった。


「……もっと…」


もっと見ていたい。
…もっと、もっと側で……


そう思った直後には、雛はかの帝光中学校男子バスケットボール部に足を踏み入れていたのである。












「………ん…」

「あ、雛っち!起きたっスか?おはよーっス!ってもう夕方っスけどね」

「夏とはいえ、こんな所で寝ていては風邪を引くのだよ。前にも言っただろう」

「今日は買い出しが多くて大変でしたね藍沢さん。お疲れ様です」

「雛ちんオレのお菓子も買ってきてくれたしー」

「おら、早くしねーと置いて帰んぞ雛」

「明日の部活に支障をきたさないようにしろ」

「……」

「雛っち?どーかしたんスか?」

「まだ寝ぼけてんのかよ」

「…ゆめ……」

「ん?」

「……ううん、なんでもない」

「なにー?雛ちん立てないのー?」

「…あ」

「紫原君…そんなこと藍沢さんは一言も言ってませんけど」

「つか何担いでんだよ。見えんぞパンツが」

「青峰っち!そこは見て見ぬフリするのがマナーっス!」

「…それも少し違うのだよ」

「そろそろ部室も閉めるぞ。ほどほどにして早く帰れよ」

「はいっスー」

「ウース」

「帰ろー雛ちん」

「鞄忘れてますよ」

「紫原、藍沢を降ろしてやるのだよ」

「んー」

「帰りマジバ寄ろーぜ」

「あ、いっスねー」

「ボクも賛成です」

「行く行くー」

「…えっと……」

「行くのは構わないが、転ぶなよ雛」

「雛ちん何食う?」

「藍沢の今日のラッキーアイテムはポテトなのだよ」

「ほら!雛っち!」

「早くしろよ雛」

「行きましょう藍沢さん」

「……うんっ…」



帝光中学二年の夏、誰よりも背が低かった。
…でも、誰よりもバスケを楽しんだ。


































**********


なっが…!
ちょっと最近千早ばっかだから雛の原点に帰ろうと思ったらこの有様さ。

でも幸せなキセキ?を書きたかったのでまあ………←

何気ない会話の中に雛がいてほしかったというか。
居場所と言ってしまうと酷く陳腐になるのであまり使いたくないけど、まあ平たく言うとそんな感じ。
嫌なことがあったんなら良いことあったっていいじゃない!
…というのがウチの持論です(笑)

プレイするのと見てるのとでは全然違うものね。
視点を変えたら意外にもテンション上がった。
それだけのことなんですが、背が小さいだけに視界も狭いかと思って。


…と、こんなわけでみんなに愛されるといーなーっていう親バカ心丸出しの俺得話でございました。

後になるにつれて失速がはなはだしいけどな…
ご愛敬です←



大変お粗末様でした!
読了ありがとうございます!








話題:名前変換無し夢小説。