このアタマの痛い話はなんなんだ。 『炎の蜃気楼』か?

などとイラつきながらの前半だったけれど、読めたのは『戦国三英傑 少年時代ちょっといい話』のお陰。

我慢をすると、後半が一気におもしろくなる。うわー、ひゃー、そうなるのかー、ひえー。

三英傑・キリシタン・錬金術というトライアスロン。宇月原晴明は、最後まできっちり漕ぎ切った。
すげーどMなんだろうなあ、この人。


歴史物は、あらかじめ出てくるものはきまっている。

いつものお吸い物を、見たこともない螺鈿が散りばめられたお椀でいただいたような感じ。 具も、なんかちがーう。みたいな。アタマ悪い説明だなあ、オレ。


わたしは、信長にも秀吉にも、家康にも思い入れはないけれど、『三英傑 少年時代ちょっといい話』のくだりで、こんなんだったらいいなあ、と涙した。
そしてこれからも時々は、思い出して三人の少年の魂に思いを寄せる気がする。

少年時代ちょっといい話的部分は、『あー、ハイハイハイ。作者の思い入れキタコレ』と、適当にあしらいたくなるようなものにたまに出会うけど、宇月原晴明のは、鎮魂歌として覚えておきたい。