女優の清原果耶が映画初主演し、女優の桃井かおりと共演する映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』より、俳優の伊藤健太郎や女優の水野美紀らが追加キャストとして発表された。
本作は小説すばるで新人賞を受賞した作家・野中ともその同名小説(光文社文庫)を、清原果耶を主演に迎えて映画化。清原サンの出演映画[デイアンドナイト][でメガホンをとり、映画[新聞記者]で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した藤井道人が監督を務めるファンタジードラマ。清原果耶が両親に新たな子供が生まれることで疎外感を抱き始めるつばめ、桃井かおりがキックボードに乗るド派手な身なりの星ばあを演じた。平穏でも悩みはあって、時々息苦しくなる14歳のつばめ(清原果耶)が、ド派手な身なりで底意地の悪い謎の老女“星ばあ”(桃井かおり)と出会い、いつしか、2人はお互いの心のどこかに空いた穴を埋め合うように距離を縮めていく。恋に家族に悩みを抱えた14歳の女の子と星ばあによるひと夏の青春が紡がれる。
今回追加キャストとして発表された伊藤健太郎が演じるのは、つばめが恋するお隣の大学生・浅倉亨。音楽を愛する爽やかな青年で、健太郎君はブルーグラス音楽には欠かせないバンジョーにも初挑戦する。藤井監督作品に初出演となる。
そして水野美紀はヒロイン・つばめの産みの母で水墨画家・山上ひばりを演じる。新しい家族がありながらも、つばめを気にかける母親という難しい役どころを演じている。
このほかにも、娘のつばめを愛情たっぷりに包み込むつばめの父・大石敏雄役に吉岡秀隆、血の繋がりのない義母だが父と変わらずそれ以上の愛情を注ぐ母・大石麻子役に坂井真紀、つばめが通う書教室の先生・牛山武彦役に山中崇、つばめの元カレ・笹川誠役には[天気の子]で主人公・森嶋帆高役として声優に初挑戦し、急成長を遂げた醍醐虎汰朗がキャスティングされている。
◎映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』あらすじ
隣に住む大学生の亨(伊藤健太郎)に密かに恋心を抱く、ごく普通の14歳、つばめ(清原果耶)。
家族三人で幸せな生活を送っているように見える彼女だったが、父・敏雄(吉岡秀隆)と、血のつながっていない母・麻子(坂井真紀)との間に子どもができると知り、彼女は疎外感を感じていた。
誰にも話せない恋心や家族への思いを抱え、もどかしい日々を過ごす毎日。そんな彼女にとって、通っている書道教室の屋上は、唯一の憩いの場だった。屋上でひとり、風を感じながら星を眺める時間は、少しの間彼女を自由にさせた。
ある夜、いつものように通っている書道教室の屋上に上がったつばめは、見慣れないキックボードを見つける。なんとなく漕いでみると、突然誰かの声が聞こえてきた。「人のものに勝手に触って」――驚いたつばめの前に、カラフルな布をまとった派手な装いの老女が現れる。不気味に感じその場を立ち去ろうとするつばめだったが、空を見上げると、老婆がキックボードに乗って空を飛んでいる姿を見て、思わず立ち止まってしまった。「年くったらなんだってできるようになるんだ」――不思議な雰囲気を漂わせるその老婆、星ばあ(桃井かおり)に、つばめはふと、亨への恋の悩みを打ち明けてしまう。
口の悪い不思議な星ばあに閉口しつつも、つばめは次第に心を開き始め、恋の話や家族の話をするようになる。打ち解けていく二人だったが、そんなある日、亨が交通事故に遭ったとの知らせを耳にし…。最後に明かされる“星ばあ”の正体とは……。
恋に家族に、さまざまな悩みを抱えた14歳のつばめと、謎めいた星ばあの、ひと夏の青春が走り出す――。
▽伊藤健太郎コメント
この度、藤井監督と初めてお仕事をさせて頂きました。
夏のとても暑い中での撮影だったのですが、1シーン1シーンすごく丁寧に撮影なさっていた事を思い出します。
この映画は「温かい」という言葉が1番似合うと思います。皆さん、ぜひお楽しみに!
▽吉岡秀隆コメント
リアルファンタジーとでも言うのでしょうか…。
誰もが通るであろう孤独感の中でしか見えない光を、役を演じる清原果耶さんの中に見た気がしています。
坂井真紀さんと3人、余りの暑さの中での撮影に笑い合えたことで家族になれた気がしています。
▽坂井真紀コメント
清原さんの母親役をやらせていただくのは2回目で、その時もなかなか激しい親子関係でしたが、今回もまた違った意味での高いハードルがありました。清原さんと夫役の吉岡さんとの日々は、でこぼこしていてとても愛おしく、撮影が終わってしまうのが寂しくてなりませんでした。ぎゅっと抱きしめたくなるような脚本を、藤井監督がきっと素敵に仕上げてくださっているに違いありません。是非お楽しみにしていてください。
▽水野美紀コメント
ファンタジックで優しい作品です。
私は主人公「つばめ」の離れて暮らす実母役で1シーン参加させていただきました。
藤井監督の並々ならぬこだわりと熱量を感じる楽しい現場でした。衣装や小道具の細部にまで繊細なこだわりと愛が詰まっています。星ばあとつばめの不思議な物語。たくさんの人に観て頂きたいです。
▽山中崇コメント
いまがあるのは、昨日までがあるから。いつかの誰かの言葉があったから、あの出逢いがあったから、あの哀しみがあったから。誰かが自分の屋根になってくれたかもしれないし、自分が誰かの日傘になったことも、もしかしたらあるかもしれない。そして、それらがずっと繋がっていまがある。
この作品が、主人公のつばめを通して、明日へ向かうわたしたちに優しく寄り添ってくれるような、そっと背中を押してくれるような、そんな存在になってくれたら嬉しいなと思います。
▽醍醐虎汰朗コメント
藤井道人監督が感情表現のリアリティを追求してくださり、役を作り込むというよりその場で生まれた自然な感情を大切にしてお芝居させて頂いたので、演じていてすごく心地よかったです。
役者として一歩成長できる機会になったと思います。
主演の清原果耶さんをはじめ経験豊富なキャストの方々とお芝居ができて、とても幸せな時間でした!
心温まる優しい世界を、是非映画館で体感してみてください!!
『宇宙でいちばんあかるい屋根』は、2020年秋に全国公開。