福士蒼汰主演で、第21回電撃小説大賞[メディアワークス文庫賞]受賞作である、北川恵海の人気小説『ちょっと今から仕事やめてくる(KADOKAWA)』が映画化され、2017年5/27に公開されることが明らかになった。監督・演出を務めるのは、[八日目の蝉]で[第38回日本アカデミー賞]最優秀監督賞、最優秀作品賞を受賞し、[ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判]でも高い評価を受けた成島出。蒼汰君は大阪弁に初挑戦、社会で疲弊した若者たちを"歯磨き粉スマイル"と称した特徴的な爽やかな笑顔で希望へと導く謎の男・ヤマモトを演じる。
ブラック企業にこき使われ、 仕事のノルマが厳しく、精神的に追い詰められていた青山隆(工藤阿須加)。疲労のあまり隆が駅で意識を失い倒れるところに、電車が来てはねられそうになるが、隆の幼馴染みを名乗る男に助けられる。しかし隆には命の恩人の彼の記憶がまったく無かった。大阪弁でいつでも爽やかな笑顔をみせる謎の男、ヤマモト(福士蒼汰)と出会ってからというもの、隆は本来の明るさを取り戻し仕事の成績も次第に上がってゆく。そんなある日、隆はヤマモトが深刻な表情で墓地行きのバスに乗車するところを見かける。不審に思った隆がヤマモトについて調べていくと、何とヤマモトは激務で鬱になり3年前に自殺していたことが分かる。ならばヤマモトと名乗る、あの男は一体何者なのか――。
福士蒼汰は、青山を助け、子どものように無邪気によく笑い、常にテンションが高めで明るい主人公・ヤマモト役。そんなヤマモトに救われる、就職した会社の厳しいノルマとパワハラに心身ともに疲弊した若者・青山隆役を工藤阿須加。そこそこ名の通る都内の大学をストレートで卒業し、中堅の印刷関係会社に就職したが、物語の始まる勤務1年目の秋にはもう、気力・体力ともに“ゼロ”の状態で残業と休日出勤をくり返しているという人物だ。蒼汰君と工藤君は初共演。
青山の憧れの職場の先輩で弱肉強食の精神を持つ営業部のエース・五十嵐美紀役を黒木華。謎の男・ヤマモトの過去を知る大場玲子役を小池栄子。疲弊する若者・青山に対してパワハラ発言を繰り返す追いつめる・山上守役を吉田鋼太郎が演じる。
池田宏之プロデューサーは「中性的な美しさがある」とオファーし、蒼汰君も快諾した。東京出身の蒼汰君は、大阪弁のセリフに大苦戦。3月から月数回のペースでリハーサルも開始した時、イントネーションの間違いを何度も繰り返し、池田プロデューサーは「一時はセリフを全て標準語に変えることも考えた」という。それでも蒼汰君は、成島監督から勧められた故・横山やすしさんと西川きよしの漫才のDVDなどを見て約半年間、猛特訓した。
映画版は配給の東宝によれば、原作とはまた異なるクライマックスが用意されている。いま、社会でもがいている若者、そしてその親たちに贈りたい“希望”の物語を描く。撮影は8月から9月にかけて東宝スタジオ、都内近郊、そして海外で行われる。
▼福士蒼汰コメント
今回演じるヤマモトは、幽霊のような、また神のような謎の存在でとても魅力的です。
人を惹きつける“何か”を出せればと思いますが、難易度が高いのは大阪弁です。
監督にお勧めして頂いたやすしきよしさんのDVDや、テレビで関西の芸人さんを注意して見るようにして、ひたすら染み着くように頑張ります。
原作は現代の社会を映していると思いました。
自分は会社員ではないので似た環境ではありませんが、忙しく大変だと思うときもあります。
そんな時にヤマモトのような人がいたら救われるんだろうなと感じました。
初の成島組ですが、登場人物をリアリティー溢れる魅力的なキャラクターに引っ張ってくださるので、安心して成島監督ワールドに浸かりたいと思います。
工藤さんとは初めての共演ですが、とても真面目で前向きな方だなという印象があります。
工藤さんとのシーンがほとんどなので、2人で作品の空気を作れたらと思います。
そして黒木華さん、小池栄子さん、吉田鋼太郎さんと豪華なキャストの方々との共演も楽しみにしています。
▼工藤阿須加コメント
今回この役を頂けた事にプレッシャーを感じますが、同時にとても嬉しく思います。
福士さんとの芝居の掛け合いを楽しみながら、日々集中して成島監督の現場に挑みたいと思っています。
青山という役には、自分自身どこか近いものを感じています。
仕事に忙殺され社会の中で生き抜く難しさを感じた青山は、死と向き合った瞬間にヤマモトと出逢ったことで、希望を探しながら前に進んでいきます。
その中での喜怒哀楽をしっかり表現できたらと思っています。
そして、青山という役と向き合いながら自分らしさを出せたらと思います。
▼黒木華コメント
私が演じる五十嵐美紀は、自分の存在する意味を仕事に見出して、縋って生きているような女性です。
成島監督は、いつも丁寧に細かく演出して下さるので、助けて頂きながら、美紀の心の痛みや、もどかしさを丁寧に演じられたらと思います。
▼小池栄子コメント
成島作品にまた呼んで頂けて大変嬉しく思っております。
監督の丁寧で細やかな演出を受けられることが楽しみでなりません。
自分の生き方を今一度見つめ直すキッカケとなる、優しい作品になると思います。
皆さんお楽しみに!
▼吉田鋼太郎コメント
初の成島組に参加出来るという事で、どんなふうにこの作品が出来上がっていくのか撮影前から本当に楽しみにしております。
近年ニュースなどでもよく耳にする言葉“パワハラ”。
私が演じさせて頂く山上部長はこれぞ“パワハラ”と知らしめるような役になっておりますので、工藤阿須加さんの上司としてびしびし指導していきたいと思っております(笑)
▼成島出監督コメント
8月から始まる撮影に向けて、3月から福士くん、工藤くんの2人とリハーサルを幾度も重ねています。今はもう
福士くんは、とにかく明るい生粋の大阪人にしか見えません!
工藤くんは、会社勤めをするサラリーマンにしか見えません!
と、クランクイン直前に2人にプレッシャーを与えておきます。(笑)
でもあまり言いすぎると、本当に2人から撮影中に「ちょっと今から仕事やめてくる」と言われそうなので、ここまでにしておきます。
以下、真面目にコメントします。
この映画は、すでに働いている人。そして、これから働く人。
そんなすべての人にご覧頂けたらと思っています。
社会に出て働くことによって、充実した日々を実感できるときもあれば、行き詰って希望を持てなくなってしまうときもあると思います。
そんな行き詰ったときにこそ、この映画をご覧頂くことが“新たな一歩を踏み出す一助”になるような作品にしたいと思います。
▼原作・北川恵海コメント
今回、光栄にもデビュー作である「ちょっと今から仕事やめてくる」が映画化されることとなりました。最初は余り知られていなかった本作が、読者をはじめ、たくさんの方の応援により少しずつその輪を広げていった様子は、まるで子供の成長を見守っているようで感慨深いものでした。
応援してくださった方々には改めて御礼申し上げます。
主演が今をときめく福士蒼汰さんに決まったと聞いたときは「ヤマモト、お前も出世したなあ」と驚きました。
とてもとても美しい方ですので、魅力的なヤマモトになるだろうとワクワクしています。
工藤阿須加さんは、意志の強いまっすぐな瞳が非常に印象的な方だと思っていました。
そんな工藤さんが弱々しい青山隆をどう演じてくださるのか、今から楽しみでなりません。
後にこの作品がお二人の「代表作」と言えるようになることを、心から願っています。