嵐の二宮和也が主演する映画『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』の製作がこのほど決定。キャストには、西島秀俊、宮崎あおい、綾野剛ら実力派俳優陣が集結することも分かった。
戦争で失われた、伝説の「料理全席」――。激動の1930年代、満州に渡った天皇の料理番・山形直太朗が考案した究極の美味112品によるフルコース「大日本帝国食菜全席」。歴史の闇に消えたレシピの謎を追い、メニューの完全再現に挑むのは、絶対味覚=“麒麟の舌”を持つ料理人・佐々木充(二宮和也)。彼はこれまで、愛を知らずに生きてきた。もうひとりの“麒麟の舌”を持つ男の生涯を知るまでは…。
かつて世界を料理で変えようとした料理人が、自らの命をかけてレシピに隠した秘密とは? 伝説のメニュー、最後の一皿=(ラストレシピ)が再現されるとき、70年の時を繋ぐ“壮大な愛”が明らかになる――。
同作は、伝説的なフジテレビ系人気料理番組[料理の鉄人]を手がけた演出家・田中経一氏の同名デビュー小説[麒麟の舌の記憶(映画と同名に変更した文庫本が、8/5に幻冬舎文庫から発売)]で、戦時中に生み出された幻のレシピを巡る感動作で、ゲラを一読し、内容に惚れ込んだ秋元康氏が企画。戦争で失われ歴史の闇に消えた、激動の1930年代に満州に渡った天皇の料理番・山形直太朗が考案した究極の美味112品によるフルコース「大日本帝国食菜全席」を巡り、2000年代初頭と1930年代の二つの時代が並行して語られるといい、現代パートは、麒麟の舌(=絶対味覚)の舌を持ちながらも料理への情熱を失ってしまった主人公が、関係者たちの証言を集めながら消えたレシピの解明に挑むミステリー。過去パートは、太平洋戦争直前、レシピ作成に人生を捧げた、もう一人の麒麟の舌を持つ料理人・直太朗と、彼の信念を支え続けた人々の運命が描かれる。
主演を務める二宮和也は、一度食べた味を完全再現できる、絶対味覚=“麒麟の舌”の持ち主・佐々木充役を好演する。愛を知らずに生きてきた男で、依頼人が人生で最後に食べたい料理を再現する“最後の料理人”として工学の報酬を得ている。
二宮君が料理人役に挑戦するのは、87年放送のフジテレビ系ドラマ、「拝啓、父上様」以来。劇中では俳優陣自らが料理するシーンにこだわる。二宮君が初タッグを組む滝田洋二郎監督が「死ぬほど練習してもらう」と語る通り、二宮君らは料理指導を務める服部栄養専門学校理事長・服部幸應氏のもとに通い、2ヵ月前から包丁さばきなどを猛特訓しているという。左利きの二宮君だが、右手で包丁を扱う練習を繰り返しているといい、右手で包丁を握りオムライスの料理シーンなどに挑戦。二宮君の両親が以前同校で料理の先生をしていたこともあってか、滝田監督からも「すごく上手で、いきなりできちゃうもんだが、先生にも誉められていた。家で料理している写真も送ってきたりもしますよ」と驚かれている。
そして、本作のメガホンを取るのは、[おくりびと]で[第81回日本アカデミー賞]最優秀作品賞・最優秀監督賞のW受賞をはじめ、[第32回モントリオール世界映画祭]グランプリ、日本映画史上初の快挙[第81回米国アカデミー賞]外国語映画賞を受賞するなど、日本映画界屈指の名匠・滝田洋二郎。滝田監督は、[天地明察]以来5年ぶり最新監督作となる本作の主役に、二宮君を熱望。その熱烈なオファーから出演が決定したのだ。
さらに、物語の核を担う登場人物の配役にもこだわりぬき、超豪華キャストが集結!充と同じ施設で兄弟同然に育ち、他人に心を開かない充の唯一無二の理解者で、彼の才能を最初に発見した大衆中華料理店の雇われ店長として生計を立てている柳沢健役に二宮君とは[GANTZ]以来6年ぶりの共演となる綾野剛、充に大日本帝国食菜全席の復元を依頼する世界各国のVIPが彼の料理を食べに来るという、中国料理界の重鎮・楊晴明(よう せいめい)役に笈田ヨシ。彼らが二宮君と同じ<現代パート>に登場。一方<過去パート>には、充が目指す「大日本帝国食菜全席」を編み出した天皇の料理番で、絶対味覚=“麒麟の舌”を持つ料理人・山形直太朗役に西島秀俊。直太朗の妻で公私ともに夫をサポートする山形千鶴役に宮崎あおい。直太朗の調理助手として雇われた若き料理人・鎌田正太郎役に、 西畑大吾(関西ジャニーズJr.)、直太朗に大日本帝国食菜全席の献立作成を命じ、直太朗を満州に招聘(しょうへい)する大日本帝国陸軍大佐(のち少将)・三宅太蔵役に竹野内豊が起用された。
また、製作チームも最強の布陣が組まれており、本作の企画を手掛けるのは、テレビ番組の企画構成、映画の企画・原作、CMの企画など、多岐にわたり活躍する作詞家・秋元康。脚本は、[永遠の0]で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞、その後も数々のヒット作を手掛ける林民夫。絢爛豪華な料理メニューの映像化と出演者の調理指導は、料理界の重鎮・服部幸應と服部栄養専門学校が全面バックアップする。
▼二宮和也コメント
切る音、焼く音、調理の香り。それが本当に心地よくその素晴らしい香りに集まったこのキャスト。
本当に嬉しく感謝とともに現場に入れそうです。とにかく死に物狂いで頑張ります。宜しくお願いします!
▼西島秀俊コメント
20代前半、俳優という仕事を始めた頃から憧れていた滝田洋二郎監督と御一緒出来るという事、非常に嬉しく思っています。そして本当に素晴らしい脚本です。時代と人間とが深く描かれています。共演者の皆さんも、御一緒したいと思い続けていた方ばかりで、とても楽しみです。ひとつひとつのシーンを大切に、精一杯演じたいと思っています。
▼宮崎あおいコメント
台本をいただき、千鶴という人は優しくも厳しく夫を支える、素敵な女性だと思いました。
滝田監督とまたご一緒させていただける時間を大切に、丁寧に演じたいと思っています。
▼綾野剛コメント
念願の滝田洋二郎監督作品に参加させて頂けること、大変光栄です。同時に滝田監督の世界観の一部に関われることに、非常に武者震いしております。そして、二宮さんとの6年ぶりの共演。嬉しくてなりません。以前の現場で、二宮さんの姿勢や志に感銘し、体感したのを良く覚えています。
麒麟の舌を持った彼らの人間力と再生、そして、唯一無二の温もりを確かに感じ、滝田組、各部署のスタッフ、キャストと共に、表現を諦めず、クランクインまでに柳沢健を生きる心をしっかりと準備させて頂きます。
▼西畑大吾コメント
『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』に鎌田正太郎役で出演させて頂く西畑大吾です。この作品に出演させて頂くことを初めて聞いた時、すごく嬉しかったと同時にパニックでした。僕が憧れている事務所の先輩二宮くんが主演される映画に携わることができて夢のようで、とても光栄です。出演されるキャストの方も豪華な方ばかりで緊張していますが、西畑大吾らしく鎌田正太郎を作り上げることができればと思います。
▼竹野内豊コメント
二宮和也さん初め素晴らしい出演者の皆様、そして滝田洋二郎監督とご一緒させて頂く事になり、大変光栄に思っています。
1930年代の満州。その時、その時代に生きた人々の思想や生活習慣、所作、着る物など細部に至るまで徹底的に時代考査される滝田組の撮影初日を今から心待ちにしております。
▼笈田ヨシコメント
6年前の『最後の忠臣蔵』以来、また日本のスタッフ、キャストの方と日本語で仕事が出来るのを楽しみにしております。この映画は料理の話ですので、映画を料理に例え申しますと、監督が料理人で、俳優はその食材だと思っております。食材が悪ければ、名料理人がいくら頑張っても美味しい料理は作れません。ですから私も良い食材の一かけらで居られるように努力するつもりです。大した食材では有りませんが、83年かけて作った「古漬け」の味を楽しんで頂ける事を願っております。
▼秋元康(企画)コメント
天才テレビディレクターの田中経一から小説のゲラが届いた。「初めて書いた小説が幻冬舎から出版されるので、感想を聞かせてください」と電話があった。気が重かったが、一緒に番組を作って来た仲間なので、義理で読み始めたのだが、数ページで引き込まれた。テレビディレクターらしい設定の面白さ、荒唐無稽ではあるが、毎分の視聴率が落ちないストーリーテリング…。読み終えた時に、すぐに映画化したいと思った。
▼滝田洋二郎監督コメント
世界史に名を刻むレシピ作りに挑む料理人と、それを受け継ぐ男の物語を、食感・人寰・スケール感をたっぷりと味わって頂ける映画にしたいと思っています。二宮和也さん、西島秀俊さんを始め、多彩な絶対味覚を持つ、若手・老練の皆様と共に、撮影現場で予想もしなかった素敵な瞬間に立ち合えることを楽しみにしております。すばらしい企画・原作・脚本に感謝します。
撮影は7月から10月にかけて国内で行われる。『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』は、全国東宝系にて2017年11/3公開。