「あ」
「ん?」
「あれだ」
「なんだよ」
「解ってよ!」
「あれで解るか」
「そこは察せよ!」
「あれ取ってくれよ」
「あん? あれって何」
「お前本当に最高だよな」
「意味解らん。ま、良いか」
「で、なんか俺に用なのか?」
「あぁ、そうだ! そうなんだ」
「一々煩いな。静かに喋ってくれ」
「あれだよ! お前に言うことは!」
「聞けよ。……まぁ、無理だろうなぁ」
「あぁ無理だ。あれを伝えない限りな!」
「だからあれって何だよ。指示語止めろや」
「何故伝わらないんだ。熱意たっぷりなのに」
「熱意で伝わるなら言葉要らないと思わない?」
「! お前天才なんじゃね? 成る程そうだ」
「解ってくれて嬉しいよ。だが今は別件だ」
「そうだそうだ。脱線させるんじゃねぇ」
「何だっけ。お前好きなだけ殴る話?」
「そんな特異な興じの話だったか?」
「あれ、違ったか。解らないなぁ」
「思い出せよ。えーと、あれ?」
「覚えてないなら無しでおk」
「そう言う訳にもいかない」
「どう言う訳か言ってみ」
「それが解らないんだ」
「お前死んじまえよ」
「酷いことを言う」
「お前が加害者」
「加害者ぁ?」
「で、用は」
「忘れた」
「死ね」
「あ」
「ん?」