057.誕生日【学園的な100題】



おでかけ日和の薄曇り。

人ゴミ嫌いの君に連れられ原宿へ。





人酔いしがちな君を仰ぐと

こちらを見ていた目と目が合った。





訝しげな私に微笑む君は

構わず雑踏へと足を進める。





どういう風の吹き回し?なんて、

野暮なことは聞けなかった。




洒落た街並み攫う、おめかし上手の人波に

いつの間にか、はしゃいでいた。





子供じみた私に呆れる君は

それでもどこか嬉しそう。





君とふたりでいついつも、仲睦まじくいれたらいいな。

繋いだ手を大きく振って、そんなことを思っていた。





残暑ひそめる薄曇り。

嬉し恥ずかし思いやり。





年に一度の記念日を君と一緒に迎えたら

わがままばかりが増えていく。





おしゃれなカフェのテラスに座り

ウィルキンソンを飲みながら、

次も一緒にいれますようにと、願掛けた。





秋めく風が吹く街で

ランチを頬張る君への愛しさばかり募った。