2012-3-12 07:29
056.課外授業【学園的な100題】
大きな窓からは観覧車が見えた。
闇夜の中、鮮やかなネオンを纏い、いつも私を誘っていた。
私はいつも、くだらないと笑っていたけど。
話し相手は決まってルーズリーフ。
あるはずない世界を描いて、願っていた。
変わり映えのない日々に何かが起きることばかりを。
望む都会はラッシュのリボンに飾られて、哀れな私に教えてくれた。
欲しいものはいつも手元にあるのだと。
ぼんやりボードを眺め、
何度も聞いた話を無感動に流していた私は気付けなかった。
振り返れば、あれだけ望んだ何かは
振り返れば、あれだけ望んだ何かは
あの頃、もう私の手の内にあったのだと思う。
ないものばかりを求め、必死に足掻いていた。
持っているべき夢を探して、闇雲に焦っていた。
例えばあのときら素直に寂しいと言っていれば
ないものばかりを求め、必死に足掻いていた。
持っているべき夢を探して、闇雲に焦っていた。
例えばあのときら素直に寂しいと言っていれば
手にしたものに早く気付けていたのかもしれない。
大きな大きな回り道をして、
大きな大きな回り道をして、
ようやく知ることができた。
変革なんぞ、すぐに起こせるものなんだと。
今日、
見ているだけだった観覧車の下に
放課後の授業をサボって遊びに行こう。
それから、傍らにいる君に大事な話をするんだ。
もしも上手くいったなら
それから、傍らにいる君に大事な話をするんだ。
もしも上手くいったなら