2016-12-3 10:06
『
子連れ竜人のエマニュエル探訪記』が12/2で連載2周年を迎えました。ずいぶん長い間、思いがけないほどたくさんの方にご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
2年も連載しててまだ40話かよ……とちょっと絶望的な気分ではありますが、亀更新ながらここまでエタらずに書き続けてこれたのは、ひとえに皆様の応援あってこそだと思っています。いつも本当に感謝です。
今後ものんびりマイペースに、ではありますが、完結目指してゆるゆる頑張っていきたいと思いますので、引き続きグニドたちの冒険にお付き合いいただけましたら幸いです。
追記は蛇足という名の、第40話あとがき的なもの。
2年で40話ってことは、1年で20話ずつのペースなのか……とその亀更新ぶりに肩を落としつつ、昨夜第40話更新しました。
本当はもう少し更新ペースを上げられたら良いのですが(せめて週1とか……)、まだあと数年は黄昏の方にかかりきりになりそうで、申し訳ありません。。
でも竜人の更新がのんびりな理由は他にもあって、折に触れて何度か明言してますが、実はこの連載、
プロットがありません。
毎回思いつきと勢いだけで書いています。普段プロットを組まずにこんな長編を書くということはありえないので、更新はいつも綱渡りです。《エマニュエル》という舞台設定が他作品と共有なおかげでどうにか書けていますが、あんまり適当に書いているとそのうち話の整合性が取れなくなりそうで、毎度更新の度に直前までの話を読み返して……と、大変非効率的なことをやっております。
まあプロットなんて書いても途中からキャラクターたちが好き放題やり出して、結局プロットから書き直すことになる……なんてこともあるわけですが、だけどやっぱり「ゴールまでの道筋」が見えていないというのは結構不安です。
ゴールがどこにあるのかはぼんやり分かっているけれど、そこまでの行き方が分からない、地図もない……といった状況で、常に路頭に迷っています(笑)
だけどそうして手探りで2年もやっていると、次第にグニドたちの方が「しょーがねーからもうおれらの好きなようにやるわ」といった感じで、勝手に道筋を描いてくれるようになりました。
私の頭の中にある「次はこんな感じ……」という朧気なイメージを凌駕して、作者が考えもしていなかった行動に出ることが増えたような気がします。
今回更新した40話にしても、当初長谷川が用意していた脳内プロットはこんな感じでした。
@ルルとエリクが仲良くなっていく描写。竹トンボで遊ぶ。子供らしさの演出。
↓
Aそこにユシィが現れて芋蔓式にウォルドも登場。
↓
Bポジート村から避難民が来ていることを明記。ルル、兄妹と友達になる。
なのでサブタイトルも「なかよしのアクシュ」でいくつもりでいました。ルルがウォルド兄妹と仲良くなる過程をどうするかはまったく考えてなかったけど、まあ最後に握手しとけば上手く収まるだろ、と(笑)
ところがどっこい、いざ書き始めてみたらルルが突然「自分はグニドみたいにはなれない……」と落ち込み始めて、あれ? あれ? あれ? と作者困惑。
いやいや私はそんな内面的なことまで今話で触れようと思ってませんよ? ていうかルルそんなこと考えてたの? と戸惑っているうちに話の主題が「友情」から「ルルの葛藤と成長」へ移り、結果内容に合わせてサブタイトルも「竜人じゃなくても」に変更……という流れになりました。
実はこの流れ、書き上げてから見返したら、列侯国編終盤に入れたいな〜とぼんやり思っていたイベントへの伏線になってるんですよね。
まだぼんやり思っている段階で本当に入れるかどうかも決めかねていたのに、ルルが「入れろ」と言わんばかりに勝手に伏線を用意してくれたのです(笑)
それを言ったら前回ラッティが突然自分の身の上話をし出したのも予定外でしたし、グニドもあちこちで勝手に伏線をバラ撒いてます。おかげで書けば書くほど不明瞭だった完結までの道筋が浮き上がってくる。
なんというか、「落としどころはもうそこしかない」というところに誘導されている感じ。すごく不思議な感覚です。であると同時に、書いてみるまで何が起こるか分からないこの物語が何だか楽しくなってきました。次は何が起きるんだろう? と、作者も先が読めずにワクワクしています(笑)
とりあえず当面はグニドとカルロスの交流、ルルとエリクたちの交流、あとはラッティたちの兵糧強奪大作戦(!?)の3つをそれぞれ描いていくことになりそうですが。
この兵糧強奪大作戦も前回ラッティが勝手に言い出したことなので、どこの誰からどうやって兵糧を奪い取ってくるつもりなのか作者にも見えません……。とりあえずラッティだけに任せるのは不安なので、ベテランスパイのジャックも同行させようと思ってますが、そこから先は完全に未知数です。どうぞお楽しみに……(震え声)
あ、それと上の方でサラッと書きましたが、最新話から新キャラとしてウォルドが登場しております。『
黄昏の国と救世軍』にも登場しているあのウォルドです(笑)
実はウォルドはカミラの兄と面識がある――というのは黄昏を書くときに決めていた裏設定で、列侯国編でどうしても押さえておきたいポイントでした。ぶっちゃけると彼、黄昏でも既に気づいているんです。カミラが昔よく一緒に遊んだあのエリクの妹だと……。
だけど彼がそれをカミラに明かさないのには、まあ色々と事情がありまして……その辺はいずれ黄昏の作中にて。とりあえず黄昏時点のウォルドは胡散臭い筋肉の塊です(ひどい)
さて、そんな感じでお送りしております子連れ竜人、次回は定例どおり21日に更新予定です。次はグニド視点で現在の義勇軍が置かれている状況とかそんな感じのことを。相変わらず詳しい内容は決まってないので21日までに考えます……(笑)
なお今夜は黄昏も更新予定。
引き続きエマニュエルシリーズをどうぞよろしくお願いします。