2021-12-12 23:58
ESの更新ペースが落ちた兼ね合いで、必然的にこちらの更新も止まってしまっていたわけですがお久しぶりです!!
先日、なんと丸2年もの歳月をかけ、ようやくside:A第8章が完結しました。長かった戦いに最後までお付き合い下さった皆さま、本当にありがとうございます……。
しかしひとつの章を書き上げるだけで丸2年て……これ本当に作者が生きてる間に本編完結するの……?という不安を改めて抱えつつ、今回も完結した章について少しだけ語っていきたいと思います。とは言えあまりにも時間が経ちすぎて、作者もあれこれ語れるほど細かいところまで覚えていなかったりするのですが、それでもいいよという方は右下の「続きを読む」のリンクからどうぞ……!
はい。実は第8章を書き始めた当初、作者もまさかこの章がこんなに長くなるとは夢にも思ってもみませんでした。少なくとも現状最長の長さを誇る第6章よりは短く収められるだろうという甘い公算でいたのです。
が、結果書き終えてみたら、第6章に負けずとも劣らぬ長大な話数に……。
第8章に関するプロットが「ソルン城の戦い→マリステア死す→トラクア城の戦い→第8章END」というあまりにもザックリした1行しかなく、あとはすべてを流れに任せて書き上げたのが一番の敗因だと思われます。間違いなく。
特に8章の序盤にあったカイル回りのあれこれや、マティルダサイドのお話なんかは当初まったく想定にありませんでした。細かいディテールも実際に書きながら決めていった部分が多いので(たとえばジェロディが一旦救世軍を抜けるあたりの話とか、トラクア城の戦いの流れとか)、いざ完結してみると「この章はこういうお話になったかあ」と作者ながらに不思議な感慨を覚えます(笑)
ですが8章の一番の目玉は、やはりなんといってもマリステアの死、でしょうね……。
実は彼女の死はこの物語を書き始めた時点から決まっていて、タイミングもどう死ぬかもはじめのうちにある程度固まっていました。マリステアが息を引き取るシーンだけは数年前から既に下書きができていて、そこを目指して連載してきた、という感じです。
個人的にはここがこの物語にとって本当の折り返し地点かもなあと感じています。カミラはエリクと、ジェロディはマリステアと別れ、主人公のふたりが作中で一番の谷を越えた今から後半戦が始まります。
つまり何を言いたいかというと、8章終わってやっと半分!ということですね!\(^o^)/
とは言え来年から始まる9章も、8章の終わりで既に皆さまお察しのとおり、なかなかハードな内容になっていきます。いつものような大きな戦いがひと段落→しばらくほんわか日常回を挟んで英気を養う→さあまた戦いだ!という流れではなく、重くてシリアスな展開がまだまだ続きますのでお覚悟下さい……(笑)
しかし8章全体を通して見ると、この章は女性キャラのかっこよさが要所要所で際立ってたなあと思います。ヒロイン枠のカミラやマリステアはもちろんのこと、暴走するジェロディを見捨てずに最後まで信じ守り抜いたケリー、ジェロディなしでも何とか救世軍を勝たせようと孤高の戦いを続けたトリエステ、魔界に魂を売っても己の忠義を貫こうとしたマティルダ、そしてそんな彼女の回想にちょろっと登場しただけにもかかわらず、強烈な存在感を示していったセレスタなどなど。
特にケリーとマティルダは「主を信じて待つ」という点において重なる部分があり、やっぱり戦う女性はかっこいいなあと書きながらしみじみ惚れ直しました(笑)
ちなみに、実はケリーはガルテリオの従者をしていた頃からマティルダに憧れていたという裏設定があったりもします。そのマティルダはセレスタへの憧れから今の彼女になったわけで、こう、世代を跨ぎながら続いていく志というのは尊いなあと改めて……。
矛を向ける先は変わっても、彼女たちを貫く「忠義」という一点は変わらないのだなと思うと、途端に語彙力を失って「エモいなあ」という感想しか出てこなくなります(笑)
そういう意味ではこの三人の女性軍人は、敵味方に別れた今も根っこの部分ではつながっているのかもしれません。だからこそ単純に敵だ味方だと白黒つけられないところがこの物語の醍醐味であり、同時にしんどいところでもあるなあと思います……。
というか今に始まったことではないのですが、上でも書いたとおりESはもう大まかな流れだけを作者が決めて、あとのことはキャラクターにお任せというスタンスで書いているので、作者もまた半分読者というか、傍観者に近い視点でお話を楽しんでいる節があります。
自分の作品のキャラクターでありながら、カミラたちは自分とは切り離されたところにいる「他人」で、仲のいい友人や近しい親戚の人生を眺めているような、そんな視点です。
なので物語や各キャラクターに対しても、書き上げたあとに眺めてみて考察することが結構あって、あのとき誰々はこう感じたからこう言ったのか、とか、こいつにはこういう過去があったからこうだったのか、みたいな発見があとからやってくるんですよね。
書いてるときはなんも考えてないのに、時間が経ってからものすごく納得できたりハッとしたりするような気づきがあって、それがお話に深みを与えたり整合性を取ったりしてるのがESの楽しいところだな〜と思ってます。
書いてるときはとにかく夢中になってるから気づいてないだけで、実は無意識下でめちゃめちゃ考えてるのかな、自分……(笑)
とまあそんなわけで、長い間パウラ地方での戦いを見守っていただきまして本当にありがとうございました。次章はいよいよヴィンツェンツィオ家の親子がぶつかります。あんなにガルテリオに会いたがっていたマリステアが死んでしまってからこのときがやってくるというのがまた物悲しいですが、果たしてガルテリオはジェロディの選択に理解を示してくれるのか、親子は今度こそ共に戦えるのか、楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
裏で公募用の新作を書いている兼ね合いで、来年も引き続き月1更新のままということになりそうですが、それでも構わないよ!という方は引き続き、次章もお付き合いいただけると嬉しいです……!
side:Bの更新は年内にまだ2回ほど残っておりますが、今年もエマニュエル・サーガを応援いただき、大変ありがとうございました!