長野の“焼きそば”は一言で

言うと おかしいです。


焼きそばと言えば『いむらや』

『寿楽』というお店を上げる人が

多いと思います。

あんかけ焼きそばを意味するの

だけど、おかしいのは 餡が甘目

なのです。

そこに辛子酢をドボドボ掛けて

食べるのです。


甘いのをカラ酸っぱさで

中和する…??

しかも量がバカ多い。


寿楽にいたっては、1人前が

一般的な大盛2皿分です。


私が初めて食べたのは20才の頃

でした。

地元の男のコたちが

「あ〜、いむらや食いたい」

「いーね、いむらや」 と みんな

言うので、そして全員焼きそばを

注文するので、私も食べてみたの

ですが なんとも不思議な味で

した。

はじめは一皿食べられません

でした。


ところが、その不思議な味が

「あ〜、いむらや食いたい」と言う

誰かの SOUL につられて

“あれは美味しいもの”と

刷り込まれ、いつの間にか私も

「いーね、いむらや」と言うように

なってしまいました。


県外から来たコは

「これは食べられない」 と、

はっきり言っていました。

冷静に考えてみればその言葉は

正しいと思います。


前にローカルTVで信州の焼きそば

特集をしていて、そのルーツは

昭和初期 長野市権堂にかつて

あった福昇亭だそうです。

その店の次の代の方が上田にお店

を出したらしく、さらに暖簾分け

もされたりしてその名店を紹介

していたので、先週上田へ行って

みました。


テレビを見て行ってみたかった

開花亭はお休みでしたので、

日昌亭へ。

ところが20人くらい行列ができて

おり断念。

近くの福昇亭は5人待ちだった

のでそちらにしました。

結果的にルーツのお店に入れた

ので良かったです。


お店を覗いたらテーブル4席、

カウンター5席くらいの小さな

お店でした。

食べ終わった人が出てくるたびに

“もうすぐ”と思いました。

が、不思議なことに席は埋まった

ままなのに、中から人が出てくる

のです。

…ん???(・・?)


低気圧のため偏頭痛がしていた

私は、それがなんでなのか考えら

れずなんとなく腑に落ちないまま

見ていました。

でもやっぱり席数より多い人が

出てくる!


そして座っていた人が食べ終わっ

て出て行き、私たちが呼ばれて

ようやく席に着きました。

この時点で満席です。


ところが次に並んでいたご家族も

呼ばれたのです。

私は周りを見渡し

「どこに座るの?」と思わず呟き

ました。


テーブルとカウンター以外は

トイレと厨房しか見えません。

「お2階へどうぞ〜」 と

言われていましたが階段なんて

ありません。ありませんよ!


しかしご家族連れは当り前のよう

に厨房へ!入って行きました。

( ̄□ ̄;)!!

「はぁ?」


…どうやら厨房から登る階段が

あるようです。

上田市民には周知の事実という事

でしょうか。


座席以上の人が出て来たのは

2階にいた人だったのか。

でも厨房にぞろぞろ入って行く姿

は違和感たっぷり。


ま、まぁいいか。。

ようやく状況を飲み込んだところ

でメニューを見ていたら旦那マン

が 「えッッ!?」 と 声を上げ、

さらなる衝撃を受けました。


ラーメンセット、ワンタンセット

冷やし中華セット(夏季限定)が

メニューにあるのですが、その

どれもが焼きそばとセットなの

です。


「え?麺と麺!?」

「チャーハンか餃子じゃない?」

「冷やし中華と焼きそば食べる

の!?」


旦那マンは

「ラーメンと焼きそば、食べて

いいんだ!!その考えはなかった

な」 と、なぜか嬉しそうでした。


周りを見ると半数はラーメン

セットでした。

結構ご年配の方も。


すごいな、焼きそば文化。。

焼きそば文化度は上田に完敗

です。


結局 そんなには食べられそうも

なかったので私たちは焼きそばの

並を注文しました。




お味は長野より甘くなく麺も細く

焼き加減も絶妙、上田の方が上品

な見た目と味で断然美味しかった

です。


元祖のお店から引き継いでおられ

るので、この味が美味しいと

言われる本来の味なんだと思い

ます。

量も丁度いいです。


長野の いむらや とは、別モノ

という感じがしました。


長野は なぜあんなに甘く、常識

外れなボリュームになってしまっ

たのか。。

元祖を真似たところから、独自の

進化を、いや、進化というよりは

独自の路線を行ってしまった

みたいです。


でもそれを食べてきてしまった

私たち長野っコの味覚は、時すで

に遅そし…SOUL FOODとなって

しまっています。

上田の方が美味しくても、また

『いむらや』が食べたくなって

しまうのでしょう。


マズ・ウマイあの不思議な

食べ物 & 辛子酢。

いや、ほぼマズい。

でも1年に1、2回だけ無性に

食べたくなってしまう、焼いて

あるのか揚げてあるのかすら

定かでないあの不思議な食べ物

& 大量の辛子酢。


ちなみに、過去のブログに取り

あげた 割とよく行く須坂市

『直はん』のバター焼きそばは、

これまた全くの別モノです。

そちらの味もオリジナルで、類を

見ない焼きそばですが長野の

焼きそばと違って全国に堂々と

誇れる味です!(たぶん)

ただ、店構えはヤル気ゼロです。


こうしてみると県内でも地域性が

ありますね。

上田、長野、須坂、焼きそば

三枚看板。


決して長野の焼きそばをバカに

しているのではありません。

コレはコレで地元愛です。


長野・らぶ♪

焼きそば・バンザイ\(^^)/