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昇魂の碑

に行ってきました。
写真は機体が激突した場所に置かれた碑です。

ご存知、昭和60年8月12日に発生した日航123便の墜落事故の現場に安全研修で登山してきました。
荒船山や妙義山といった奇景が有名な下仁田付近ですが、一帯の山岳地帯は情報どおり急峻な山々が入り組んでいます。
御巣鷹山近辺も同様で、山というより壁の連続でした。
見上げたら頭上に峰という感じです。
そして澄んだ水と険しい地形が非常に美しい渓流を作り出していました。
恐らくは事故がなければ道路など作られなかった場所です。

登山口から事故現場にかけては、山登りというより谷の斜面を横切るという感じでした。
場所自体は苔むす沢や緑が美しい奥地で、純粋に山歩きの為の場所かとも思えます。
しかし、広大な急斜面一面に散らばった看板や、沢に設けられた祠、小さな十字架が、事故現場の記憶を留めていました。
道はその斜面をジグザグに登って行くのですが、「7i」「8i」といったシート番号の看板や、遺体発見現場には小さな墓碑、千羽鶴や花束があり、生々しさを感じました。
沢の奥にはまとまった数人分の卒塔婆があったり、逆に斜面には前後なのに数メートル離れたシート番号があったり、写真で見た残骸を思い出させます。木も若木しか無いんですよね。
尾根には慰霊のための昇魂の碑があり、26年経った今でも生花や線香が絶えず、そのことが配偶者や息子や娘を亡くしたご遺族の強い想いを感じさせました。
昇魂の碑からは、連なる尾根の一つにV地の溝があるのが確認できますが、それは航空機の尾部が衝突した跡だそうです。
「あってはならない」ことは、しばし人間の意思とは関係なく発生するという無情と、ただ静かな山の尾根の穏やかさが記憶に残りました。
8月の御巣鷹山は静謐で言葉少ない、霊園のような山の墓碑でしたが、「あなた やってきましたよ」と、恐らくは夫に宛てた遺族の言葉を刻んだ看板が、強く感情を揺さぶりました。
最後に、その言葉を紹介します。

あなた やってきましたよ きこえますか
見えますか あなたと話したい あなたに言いたいことは・・・
さよならも 言えずに 旅立ったあなたたち やすらかに 永遠の 祈りをささげます

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