2011-7-3 10:05 分類:
蜩/海猫 拍手
【
ハートの十三が出てこない】様へ提出
※天草の過去捏造
母方の実家にいた戦人に仕えていて(若しくは友達)、時折縁寿の相手もしていた設定です。
「じゃあ、縁寿のこと頼むぜ」
俺の肩を軽く叩き、いつもと変わらない笑顔で彼はそう言う。その言葉を聞いた瞬間、何故か彼を引き止めたくなって、思わず彼の裾を引っ張った。そんな自分の行動に、彼はしょうがないなという風に微笑み、今度は頭を優しく撫でてくる。
「たった数日だってのに…なんだよ、寂しいのか?」
可愛いとこあるなと笑いながらからかうように言う彼に、やっと搾り出た声で小さく「違う」と呟く。
何故だろう。何故か彼がもう戻ってこないような…そんな不安や恐怖のような感情に襲われて、でもそれをどう伝えていいか分からなくて言葉に出来ず、押し黙ってしまう。
「心配すんなって。帰ってきたら縁寿抜きで二人で遊びに行こうぜ、な?」
自分を心配させまいとしているのか、彼は子供をあやす様な優しい声で言葉を掛けてくれる。
でも、そう言ってくれた彼は、帰ってこない。
彼が帰ってくるはずの日に須磨寺の家を訪ねると、縁寿が泣いていて。
そして、彼らの訃報…島で起こった不幸な事故の知らせを聞いて、自分はとても絶望する。
…そんなこと考えたくもないのに、何故かそんな光景が頭から拭えず、思わず泣きそうになってしまう。
本当は、行かないで欲しい…でも、彼が望んでいるのはそんな自分や言葉じゃないから、グッと堪えた。
「約束、ですよ……俺、待ってますから」
「だから、」
「……帰ってきてくださいよ、絶対」
―――それは、彼ではなく神様に向けた願いの言葉。
deja-vu(既視感)
全力で自分設定で…もう半オリジナルですね(苦笑)ちゃんとお題に沿っているのかも怪しい…
こんなグダグダなもので、しかも投稿が大変遅くなってしまい申し訳ございません。
素敵企画に参加させていただき、有難うございました!